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スキャナー・ダークリー(A Scanner Darkly) [DVDやら映画やら]

原作はフィリップ・K・ディックさん。原作小説の邦題は「暗闇のスキャナー」だった。主人公の孤独をあらわす意味では良いタイトルかもしれませんが、実際の意味は、「暗い・おぼろげ・不鮮明なスキャナー」というところでしょうか。スキャナーというと、紙の絵をコンピューターに取り込む、いわゆる「スキャン」が思い浮かんでしまいますが、ここでは「監視員」を指していて、原題は「おぼろげな監視員」という意味が近いんでしょう。特に何年という設定ではなく、「今から7年後」とされてます。原作だとSFという観念が先に立って、遠い未来が舞台のように思えたりするが、舞台はまさに現代アメリカ。主人公の名前、アークター(ARCTOR)はアクター(ACTOR)、つまり役者をもじったもんだと勝手に思ってます。スクランブル・スーツを着れば誰でもなくなる。つまり役者と同じ。スクランブル・スーツを着た人間は、他の小説で出てくるシュミラクラともいえるかも。なぜ実写じゃなくてアニメのような作風になったのかといえば、このスクランブル・スーツの表現のためかもしれないが、それよりも、「ブレードランナー」や「トータル・リコール」とかの遠い未来でない世界を実写で現すと、ディックさんの映画っぽくないと考えたからではないか。主題は「監視されている社会」。バリスがどこまでアークターのことを知っていたのか/どうやって知ったのかが謎だが、間違いなくバリスはアークターを監視しているといえるでしょう。アークターの上司、ハンクもアークターを監視している。ハンクもスクランブル・スーツを着ているが、後半で見せるその正体も驚きのひとつ。何よりもアークターが彼自身を監視している。自分を逮捕させないために自分を監視するなんてのは、自分が自分を見ているという錯覚とか妄想を抱かないと思いつかないアイデアかも。単純に「自分がどのように見えているか?」という疑問に対する答えかもしれない。ディックさんが実体験だと話すのも納得してしまう。このDVDの良いところは、特典映像ドキュメンタリーの一部で、ディックさん本人のインタビュー映像が収められていること。すでに既出の映像なんでしょうが、これだけでも価値があります。1977年の映像のようですが、映画「ブレードランナー」を待たずに亡くなってしまったのは寂しいかぎり。彼の娘さんたちもインタビューに登場します。ディックさん原作の映画としては、派手なアクションは無いし、SFや未来的話しは少ないが、素の彼にもっとも近い映画かも。面白かった。晴れ。


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地球が凍りつく日(The Last Winter) [DVDやら映画やら]

何かが出てきた系映画。アラスカが舞台。ロン・パールマンさんが出ていることもあって見た。ある石油採掘会社が行った採掘仕事をノース産業が継続しようするが、そこにある白い箱に関わってなんとまあ・・・という映画だった。ノース産業のメンバーはロンさん演じるエドを筆頭に色々。エドは職人気質というか会社の古株らしいごう慢。リーダーでなんでも掌握したがる。計画をすすめるためには業務違反の環境破壊も辞さない男。環境研究家のホフマンは彼らの仕事を監視しにきたようだ。当然ながらエドと対立する。料理人とリーは地元の人っぽい。特にリーはなんだか祖先を敬うスーパーナチュラルな雰囲気。エドが来たせいでチームの雰囲気は確実に悪くなってます。もう人間同士でなんかあるんじゃないのという感じの緊張感です。若いマックスウェルが白い箱の前にきたとき、彼は何かを感じたようだ。臆病そうな性格によるものかもしれない。そして行方不明になるが、また基地に現れる。でもなんだか様子が変。そのときホフマンが持ってきた食事を振り払うスピードが超人的。その次のエリオットはなぜか鼻血が出っぱなし。地球温暖化で上がっていく気温。永久凍土層がとけている。掘削跡に埋まっていた石油の他の『何か』に侵されていくメンバーたち。この『何か』は最後のほうでそれらしい姿を現しますが、それまでははっきりとわからないので、メンバーがやられていく様を見ながら、怖がらなければいけません。凍死・焼死などの最期をとげますが、皮肉なのは、侵されていくのが、おそらく人間だけというところか。カラスは一生懸命亡がらをついばむし。もしかしたらカラスも『何か』の分身なのかもしれないなあ。異常気象・人間による開発と環境破壊がもたらした『何か』に怯える映画。しかし開発計画を中止しても、迎えたであろう結末だったのかもしれない。ラスト、アビーが水浸しの外で何を見たのかを知りたいところです。邦題は「地球が凍りつく日」ですけど、どっちかというと「~溶ける日」だったりする。原題「The Last Winter」がよかったと思いますが、映画「地球が静止する日」に引っ掛けたんだろうなあ。まさしく原題どおり、「もう冬は来ない」という感じか。ラスト近くで出てくる『何か』の雰囲気がギレルモ・デル・トロさん風かなと思った。曇り・晴れ。


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図書館戦争 LIBRARY WARS [DVDやら映画やら]

開始早々、フランソワ・トリュフォーさんの映画「華氏451」のように本が派手に燃やされます。これはおそらく後で図書隊の教官が説明する「~の悪夢」というテロのことでしょう。一般的に良書ではないとされている本を取り締まる側と、図書館の宣言を盾にして、それを読む自由を守る側の戦いを描いた映画。こうなってしまったのは、そういう法律が制定されたためですが、その架空の法律を含め、条例とか組織とか色々と架空の設定がなされています。こういうのを考えるのは楽しいだろうなあと思います。この世界では映画はどうなっているのか。こうした法律ができれば、元犯罪者が仮名で出した本などは真っ先に焚書されるでしょうから、それなりに良いことかと思ってしまう。もっとも、この法律下では、出版の段階で却下されそう。それだから主に狙われる対象が古い本もある図書館になっちゃうんでしょうね。取締り対象の本は、殺人とか人権とかエロに関するものらしい。でも、冒頭の書店シーンで大きな榮倉奈々さんが取られる本は、なんだかファンタジーみたいだし、何で?と思いましたが、ちょっとした残酷描写や登場人物の個性が引っかかったようです。小さな子供から奪われる本もそんな感じでしょうか。どうせならサラリーマンが立ち読みしている「週間○○」とか「○○実話」とかを暴力的に押収した方がリアリティがあったりして。「華氏451」だと、とにかく活字がダメなんだったかなあ。配役が良かったです。でかい女性にも負けない岡田准一さんがえらい。後半の素手の格闘シーンが圧巻。教官にけんかを売るでかい榮倉さんの役柄は、マンガみたいで行き過ぎかも。鈍感なドジっ子を通り越して、いてはいけない人になってます。栗山千明さんのすっぴんぽい顔が見れるのは良いです。悪者は見事に悪者でした。この時代の岡田さんと田中圭さんは仲が良かった。ポイントは西田尚美さんの記者。法律が「出版」に限るのであれば、報道はまだ自由のはずで、それだから戦争記者みたいなことができる。言ってみればこの映画の中でいちばん自由な存在です。狂言回し的存在になりえる役。ここで彼女たちが「不都合なことは報道しない自由」を発動さえしなければ、案外良い世界かもしれない。さすがは西田さん。良い役を取りました。出だしで登場人物についてあらかた説明されるので「この人誰?」ってことにならないのでよかった。説明的な台詞が多いが、会話になんとか溶け込ませようとしているほうかも。映画の世界は現実に置き換えると、ヘイトスピーチ法案が近そう。これでヘイト本が出ないようになると、図書館にある既発のヘイト本はどうなるんだろう。ヘイト云々といわず、「捏造」に対する条例を作るほうが必要かも。正論を指摘して排除されることの方が良くない世界だと思うので。そしたらSFは存在しなくなるか。この映画を見ると、善の所在というより、悪の所在がわからなくなります。そりゃそうです。戦争だから。どっちかといえば図書隊がハンデいっぱい。仁科指令が若者にあやまるとか、TBSらしい映画でした。面白かった。


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ガメラ2 レギオン襲来 [DVDやら映画やら]

手書き風のクレジットが古い映画みたいで楽しい。博○堂の名前が今ではなんだかうさん臭い。吹越さんが使っているPCのブラウザがネットスケープ。今回はみなさん富士通さんのPCみたい。オペレーター室では「コンピューターの前で携帯はダメです」と言われる時代だったのですねえ。川津祐介さんの科学者ぶりがイケてます。何だか電磁力についてよく分かった気がする。吹越満エンジニアがスペクトルについて教えてくれます。元警部補の螢雪次朗さんが腰を抜かしたり、中山忍博士の本が出てきたり、東京タワーは折れたままとか、マナのアサギさんが出てきたりと、続編だけあって第一作の内容が引き継がれています。残念なのは中山忍さん本人が出ていないことか。前半の札幌シーンでの特撮が緻密。ミニチュアが自転車ひとつまでよく出来てます。小さいレギオンがガメラの身体にまとわりつく姿もリアル。あと、でかいレギオンの腹から小さいのがドバーっと出てくるところもかっこいいです。レギオンがうじゃうじゃ歩いているところは、妖怪ハンターのヒルコを思い出させます。札幌の夜の戦いから一夜明け、昼になるとちょっとだけミニチュアが安っぽく見えてしまうのはしかたがないか。ガメラは少し凶悪そうになっていて前作よりかっこいいんですが、ラストのヒレ腕で垂直に飛んでいく姿はかっこ悪かった。官房長官の会見で国旗が飾られていないのは、スポンサーのご指導の賜物でしょうか。国旗もなくて、どの国か分からない場で憲法九条云々で自衛隊を出しますなどと話されてもなあ。右派左派どちら寄りでもなさそうに描かれていますが、いったいこのシーンで誰が得するのか。「国民の命を守るため、自衛隊を出動させます」の一言で終わるような。実際の出動では、国道を戦車が占有したり、皆さん外に出るなという戒厳令状態になるので、その辺りを説明したかったのかもしれません。それでも少し疑問なシーンです。自衛隊の出動が決まり、人々が前の戦争のときに経験したであろう業火や、出動前の緊張について話し、それに対して鼓舞したり、良い意味でいざとなったら逃げたらいいとか話します。戦うと決まった以上はやるしかないという様子。自衛隊の出動に関しては、前作より突っ込んだ内容になっていて、武器・火力の調整や隊の状況による退避の決定に苦慮したりする姿とかが描かれています。自衛隊出動の内情含め、怪獣映画にそこまでリアリティを求めんでもなあ。今後、「自衛隊出せません!」っていう怪獣映画ができるかも。今回、中山忍博士に対応するのは水野美紀博士(研究員?)ですが、鼻とひざ上の丈のスカートがかわいい。なしくずしで防衛庁の会議に出席させられるのも定番です。ガメラのために子供が集まるシーンは、昭和のガメラを見ているようでどうも照れくさい。エンドロールの歌で入る子供の声とか、お子様対応なんでしょうけど、しょうがないか。それでも、穂波・渡良瀬・帯津のほんわか三角関係に、帯津と花谷の間に芽生える男の友情とか、若い大人要素も負けてないガメラでした。しかしとっさに聖書の一説を読む花谷もちょっと怖い。小林昭二さんが出てます。札幌ロケでは雪なのに水野さんがけっこう脚を出しているので、ちょっと心配になりました。晴れと曇り。


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大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス
大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン
ガメラ3 邪神<イリス>覚醒
ガメラ2 レギオン襲来
ガメラ 大怪獣空中決戦
小さき勇者たち -ガメラ-


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ワイルド・アット・ハート(Wild at Heart) [DVDやら映画やら]

タイトルロールのイタリックなフォントが、なんともデビッド・リンチさんな感じ。映画を見る限り、「母親とも関係を持つような犯罪歴のあるワルな男が州を出てはいけないのに、その娘と逃避行。母親の刺客に襲われながら逃げるが、途中で悪い奴の話しに乗って、銀行強盗をしたら捕まり、娘と別れてしまう。娘は子供を産んでいて、ヤクザな男は身を引くが、愛するのは彼女だけと思い直してハッピーエンド」な物語。でも実際は何か別な意味が隠されているんだろうなあと思う。だってリンチさんですから。家出・冒険・出会い・悔悛・復活と、何かの昔話しをなぞったようなストーリーの下にあるものはなんだろう? 考えても分からないので、視覚で入った話しを適当に深読みしてしまう。ルーラを追っていた母親とルーラは同じで、母親はセイラーの不安定さが産んだ妄想だったのかもしれない。ルーラーは自分を解放するために旅に出た。それをサポートするのはワルな男セイラー。彼は彼女を自分から絶対裏切らないし見捨てない。理想的な男。彼女がどうなろうとセイラーは優しく接する。この辺りでもう出来すぎな感じ。ワルい奴だが、女性から見たら自分を捨てない・やさしい理想像ではないだろうか。ちょっと暴力的ですけど・・・だからこの男も妄想かと考えてしまうが、妄想にしてしまったら話しは破綻します。でもやっぱりセイラーって、ルーラの妄想が産んだボディガードみたいなものかも。刑務所に入っていたのはルーラ自身。冒頭から人をやってしまったのもルーラ自身。セイラーはルーラの心の中にあった野生の象徴・・・つまり「ワイルド・アット・ハート」。ルーラ自身の悲惨な過去が実際にあったとすると、その過去が産み出した自分の保護者でありボディガードであるのがセイラー。そう考えてつじつまが合うわけはないですが、とにかくセイラーが理想的な男過ぎる。そして『ワイルド』の正体に思えてならないんです。そうするとルーラー・セイラー・母親の三人が彼女の内にいる? どうなんでしょうねえ。なんてのはありがちな素人考えか。タイトルの『ワイルド』は人が倒れるまで殴り続けたり、血がドバーだったりしますが、その表現マックスが、ウィレム・デフォーさんのグロな最期。これにも何か意味があるような気がします。ルーラとセイラーがベッドの対角線上に寝るところもなんか不思議。エッチしやすいようにと言われたらそれまでですが。それと考えたのが、セイラーは冒頭の暴力沙汰で既に刑務所に入っていて、劇中のすべてが夢とか想像。ラストで刑務所から出てきたのをルーラが子連れで迎えにきたというのもありかなあ。ルーラというかローラ・ダーンさんの四角顔が気になる映画。これを見た後、彼女を再び見たのは、映画「ジュラシック・パーク」だったような。本当は単純な映画なんだろうなあ。映画「マルホランド・ドライブ」の方がまだ分かりやすい気がしました。晴れ。


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フランケンシュタイン対地底怪獣 [DVDやら映画やら]

女性一人と二人の男性博士、しかも男性はアメリカ人と日本人。この人物設定が素晴らしい。どっちかというと日本人、つまり高島忠夫博士がちょっと野心的で冷酷型。しかし、フランケンシュタインを「め○ら」にしようとか、今では言えないこと口にするわりに、爆弾を投げるフォームがあまりにつたなくてへっぴり腰なので許しましょう。終戦間近、「死なない心臓」がドイツから運ばれてくる。そして原爆投下から15年後に何かが現れた。初めて映画を見たときは、研究所にいるフランケンシュタインの黒目が怖かった。今で言う「カラコン」と言うものか。戦時中の土屋嘉男さんが電力会社の人として社会復帰している姿が感慨深い。彼は博士たちに「死なない心臓」の情報を知らせる重要な役どころ。彼は地底怪獣に関係した情報も与えてくれます。土屋さん無くして話しはすすみません。ガス人間は人気者です。なんと誇らしい方でしょう。フランケンシュタインが突然暴れだしたというニュースには憤慨します。暴れる原因を作ったのはゲスな記者だというのに。今も昔もマスコミはしょうもない。フランケンシュタインの身長設定を考えると、住宅街や船、山や田舎のミニチュアはサイズがけっこう大きそう。地底怪獣が田舎を破壊するときのミニチュアも精巧。石切り場内のシーンは暗さも手伝ってかとてもリアル。最後の燃える山林。特撮映画において怪獣の設定や戦いの展開は、労力や予算とかに大きな影響を与えるんでしょうねえ。切り落とされた手が成長することから、警察はうかつにバラバラにできないことを知る。この辺りはフランケンシュタインというか細胞増殖物では重要な考慮事項でしょう。フランケンシュタインが山中でイノシシの罠をしかける姿がほほえましい。やっていることは子供なのに、大きさや容姿で偏見を持たれてしまう好例。なんだかんだと高島忠夫博士まで助けてくれるその優しさに泣けます。人間ってバカ、といいながらフランケンシュタインも人間みたいなもんか。この映画の魅力のひとつはフランケンシュタインのスピード感。走る、飛ぶ、投げる、蹴る、どれをとってもスピーディ。地底怪獣が殺人光線を吐くので、逃げ足が早くないと不利なんでしょう。でも地底怪獣も負けてません。土中にもぐるスピードといったらまあ。東宝スコープの幅いっぱいに燃える林を前にして戦うシーンは、劇場で見たら圧巻の迫力だった。借りたDVDには海外版も入っていて、ある日曜の午後、テレビで初見したときは地底怪獣を持ち上げた記憶があるので、おそらく海外版だったのかも。浅草東宝を思い出します。晴れ。

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

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KRISTY クリスティ(KRISTY) [DVDやら映画やら]

なぜ女性は狙われるか? に惹かれて借りました。その「なぜ」を知りたくなったので。冒頭から繰り返されるフラッシュバック。倒れた女性にネットワークとダウンロードされる画像や動画、そして誰かのささやき「クリスティを~」。「クリスティ(KRISTY)」にはあの意味がひっかかっているんですね。なるほどなあ。もしかして今では伝統となった「全国の○○さんを~」みたいな映画と似たようなものなのか? 主人公のジャスティン、彼女は飛行機代が高いので帰省しなかったり、皿洗いのバイトをしたり、それでも良い成績をとらなきゃと勉強をがんばる努力家のようです。彼女の疲れた顔が良いですね。顔の雰囲気はケイト・ブランシェットさんの遠い親戚のよう。でも横から見ると胸が大きいのでたいへん。さすがヒロインです。それにくらべて恋人はなんだかボンボンです。でもこんな奴がいちばん怪しかったりする。あと急に予定が入る友人とか。ああ感謝祭に一人ぼっちになってしまったジャスティン。でも、誰もいない寮も楽しそうです。洗濯のときの友人が言う「リコリスを忘れないで」って、洗剤かと思ったらお菓子みたいですね。逃げてばかりいたジャスティンは、あることをきっかけに怒りマックス。ここから少しずつ胸のつかえがとれてくる。定番ですが、理不尽な仕打ちに耐えてきた甲斐があるというものです。プールのシーンはかっこいい。あと釘バットや過激な薬品の作り方もよく分かる。クリスティが追われるのはしょうがないとして、ジャスティンはジャスティンなのになぜクリスティとして狙われるのか。カルト的なものを感じずにいれませんが、その辺の理由はしょうもないとしても、ジャスティン対ゲス達の戦いに手に汗握る映画です。でも勉強って、いざというとき役に立つもんだ。ジャスティン役のヘイリー・ベネットさんが良かったです。メンテナンスマン・スコットの部屋にプレジション・ベースっぽいのがあった。ジャスティンがんばって。晴れ


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サベージ・キラー(Savaged) [DVDやら映画やら]

手話のような手振りなので、主人公の女性、ゾーイは耳が不自由なようです。メールを送った相手は恋人でしょうか。ワンピースとブーツが似合う素敵な女性です。車に乗って恋人に会いにいくんでしょうか。最初から上手いように行かないだろうことは分かっているので、笑顔に切なくなります。道路で倒れた男を見たとき、彼女は彼がひき逃げされたイメージを感じる。そして彼女の運命の瀬戸際でまた何かを感じる。たぶんそれはみやげ物屋で手に取った何かのせいか、それとも強い感性の持ち主だったのか。彼女が復活するシーンはシンプルなんですがインパクト大。彼女を襲った男の家系の過去の所業が、彼女を復活させたものに対して強い力を与えたんでしょう。長髪のウエストという男は、何か邪悪なことを感じているようだが、悪いことしといて冷静で「オレはわかってるもんね」的な悪役がいちばんいや。指輪を抜いたり包帯をとるシーンは悲しい。彼女は生きているようだがおそらくもう・・・。復活しても肉体だけは朽ちるだけ。ダクトテープで補修しながら戦う姿はとても悲しい。理由はどうあれゲスな人たちがやられていく様は爽快。がまんしたかいがあるというもんです。ラストはものすごく切ない。手話の設定が生きてます。名作。エンドロールの曲も良かった。劇中、テレビとかで映画のシーンが映りますが、クレジットによるとソニー千葉さんの「The Street Fighter」のシーンが使われてるようですがどこだったかしら。後で思い直すと、冒頭、道路でフラフラしていたのは先住民の血を引く方だったんでしょうね。アメリカ先住民の歴史に人種問題、オカルトにゾンビにハンディキャップ等々を絡めた勧善懲悪な物語。悪人もひどければ、親や先祖はもっとひどかった。主人公ゾーイを完全無欠にしなかったところも良いです。太目の保安官が少しだけ救いだった。やっぱり映画は脚本か。面白かった。ホラー#1。晴れ。


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譜めくりの女(LA TOURNEUSE DE PAGES) [DVDやら映画やら]

ピアノの練習をする女の子、そうかと思ったら肉屋さん。また女の子で肉屋さん。そして親子らしい三人の食卓。女の子はメラニー。彼女の言う「メルシーパパ」が可愛い。ピアノでも何でも試験の前の日というのは緊張するもんです。そして試験場で審査員である女流ピアニスト・アリアーヌに会う。俗に言う「つかみ」というんでしょうか、この女の子メラニーがわしづかみにしてくれます。この話しの原点。大きくなった彼女は弁護士事務所で実習。そして実習先の先生の家で子守をすることになる。その先生の奥さんがなんとまあアリアーヌ。たぶん彼女が先生の奥さんだと知っていてメラニーは実習に来たんでしょうねえ。いつかアリアーヌに近づけると思って。メラニーは大きくなっても子役が演じた子供のころそのままの目と口元をしてます。「目は口ほどにものを言う」と言いますが、その口も喋らないのにものを言っている感じ。セロの人、足の甲痛そう。メラニーが譜めくり中は胸元が気になります。実習生になった彼女の机の上の、幼い頃に一度しまったミニチュア半身像。息子のメトロノームを早くする、とか気になることが満載。面白かった。もったいぶらせながら、ぶれることのないストレートな復讐劇でした。時間が経つのが早かった。物言わぬメラニーに引き込まれてしまったせいか。サスペンスというジャンルかもしれないけれど、ホラー映画ともいえる。アリアーヌがメラニーに対して特別な想いを抱くようになる過程をもうちょっとだけ見せて欲しかったかも。冒頭の肉屋さんが印象に残る。父親の仕事かもしれない。女の子から実習生になるまでにあった出来事とかが省かれているのが良い。メラニーに、人間が持つだろう辛いとか悲しいとか一般的感情をさらけださせることは不要だと思うので。悲哀が入ると、普通の映画になってしまった。彼女の悲しみと怒りは試験場での涙で終わったのだろう。ラストに絡むサインの件りが秀逸。アリアーヌちょっとおバカさん。「眼には眼を」的な映画。晴れ。


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未来世界(FUTUREWORLD) [DVDやら映画やら]

いつか見た日曜の昼どき映画。オープニングの音楽が良い。タレコミ屋が言う字幕の「西の世界」とは「西部の世界」、つまり「ウエスト・ワールド」の直訳でしょうねえ。あのデロス再び。冒頭の会議シーンでの話しからすると前作の続き。会議のモニターというかテレビ画面では、前作で起きたデロスの事故が映ってます。もちろんガン・スリンガーことユル・ブリンナーさんも。オペレータルームも前回とくらべて端末が多くなってます。ついでにオペレーターや従業員のロボット比率も多くしますが、ロボットは濡れるとショートするので、噴水とか下水とか、水気のある場所は人間が整備するんですね。3K仕事は人間よというわけです。ああ辛い。プログラムを作り直して再開したデロスワールドに、ピーター・フォンダ演じるチャックと女記者トレーシーが独占取材のため入場します。この女性記者が好きです。雰囲気がマッサンの人に似てます。ナンパに失敗して舌を出すしぐさがかわいい。赤いつなぎ姿は、The Runaways の シュリー・カーリーっぽい。デロスといえばロボットとエッチできることで有名ですが、行きの乗り物内でスケベな乗客がいきなり女記者トレーシーにセクハラな言葉を投げてくれます。たしかに、女ロボットの場合は前作で見たが、男ロボットの場合も気になりますねえ。調整次第じゃ絶倫でしょう。今度のデロスは、中世や西部世界の他に「未来世界」が増えてます。何か宇宙船みたいのに乗って、宇宙旅行を体験する世界。火星スキーというアトラクションがあって、これは雪山に赤いフィルタをかけただけだろうなあ。お客さんたちが入場するときにデロスは四人の入場者をマーク。何かたくらみがありそうです。ただのデロスツアーでは終わらせません。駒が人間や動物そっくりに動く立体チェスが面白い。支配人によればホログラムらしい。駒が駒を弓で撃つのがシュール。それからボクシングゲームも。ガン・スリンガーがどの辺りで出てくるかと思ったら、意外な役で現れます。ちょんまげカツラの侍たちの服装がナイス。夢をビデオに撮って精神分析する装置に X-MEN のエグゼビアが使ってたセレブロを思い出しました。「Hey, Iron Man!」とロボットを呼ぶところは、今見るとアヴェンジャーズを想像させておかしい。作業員とクラークの別れにしんみりする。顔の複製シーンは、3DCG か、ただのアニメーションかわかりませんがけっこうかっこいい。結局デロスがやろうとしている・やっていることは、けっこう恐ろしいことだった。特定の人をマークするのはこのためだったのか。最後のシーンは劇場で拍手喝采だったかも。普通なら「DELOSWORLD」なんてタイトルになりそうなのを、前作だと「WESTWORLD」、で今回は「FUTUREWORLD」とするのが上手いなあと思う。その代わり邦題は「未来世界」と言いつつ「DELOSWORLD」の副題なので、考え方がちょっと普通。タカグチさんは John Fujioka、お供は Dana Lee という方だった。冒頭で持ち込めなかったタカグチさんの日本刀、それからタカグチさんのお供が持っていったものは、きっと後で何かになるんだろうなあと勘ぐったのだが・・・。面白かった。晴れ。


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ファイナル・アワーズ(THESE FINAL HOURS) [DVDやら映画やら]

世の中終わりだ、終末だ、パーッと騒ごうぜ!ヒャッハー!・・・でもそれでいいんか?という映画。「THESE」「FINAL」「HOURS」と、タイトルの出方がカッコいい。映画が始まった途端、空から隕石らしいものが墜ちてくる、とおもいきや次は男女がしっぽり。ラジオから声が聞こえます。それによるとヨーロッパ、アジアと壊滅し、最後に残ったのはオーストラリア。オーストラリアといえば「渚にて」? この世の終わりにみなさん自暴自棄しまくり。最後には好き勝手なことをしてやるぜ、とジェームズは妊娠した彼女のもとから出て行く。ああひどい奴。なんかわきの下というか二の腕の下が汚れているなあと思ったらタトゥーみたいです。なんだかタイヤにひかれた模様みたいです。彼は変態二人組みにさらわれた少女ローズを救い出す。悪そうで優しいジェームズ。姉ステイスの家にいけばお墓が三つに子供が三人写った写真。がっかりします。ジェームズが警官と家族のもとを去ったあと、遠くで銃声でもなるかと思ったら鳴らんかった。鳴らんくて良いです。行く先々で嫌なことばかり。そりゃそうです、世の中もうすぐ終わりですから。ジェームズの友人が主催する乱交パーティに顔を出す。終末を前に乱痴気騒ぎ。友人の妹ヴィッキーとは浮気の関係らしいが、少女ローズという守るべきものを持ったジェームズには、自暴自棄で自分の話しを聞いてくれないヴィッキーを避ける。ほんとならジェームズもひと騒ぎするところですが、人間ドラマです。このパーティ場面では、少女ローズにせまってくるおばさんが怖い。そいでもってそのやられかたもけっこうショック。ごぶさたであった母親と対面して和解し、段々良い男になっていくジェームズがうれしい映画。出会いには別れがあり、少女ローズとも色々あるんですが、ローズには、そこまでパパの言うこときかんくてもいいじゃない?と思ってしまう。まあ最後のあり方は色々です。同じオーストラリアが舞台なので勘ぐるわけではないですが、ビーチとか刹那さとか、映画「渚にて」へのオマージュが多少あるかも。でもみんな映画の中で「終わりだ!終わりだ!」と言ってますが、どんな終わりが襲ってくるのかは最後までわかりません。この辺の気の持たせ方がうまいですねえ。案外、見所はそこかも。ジェームズ、ゾーイ、そしてローズの役者さんが良かった。終末映画も、その経過に重きを置いたり、友情だったり、家族愛とか恋人への愛、人間の欲望とか、主題色々です。この映画では愛です。曇り・晴れ。


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HINOKIO ヒノキオ [DVDやら映画やら]

松竹映画。出だしがSF超大作的世界の雰囲気。その次には今をときめくアルミン、でなくて本郷奏多さん。今度は小学校の教室。デカワンコじゃなくて、ドS刑事でなくて、悪ガキな多部未華子さん。男子二人を従えるガキ大将な役でした。男と言われても90%信じます。教室を見ると、今ではすっかり大人になった方がたくさん出てます。女先生がでっかい酒井美紀さんに見えましたが、原沙知絵さんでした。ケンタ役の加藤諒さんは子役のころから今の顔だったんですねえ。しかしみなさん、いくら若かったとはいえ小学生役です。堀北真希さんも出てるんですがやっぱり小学生役です。小林涼子さんも小学生。小学6年生と中学1年生はあまり変わらんかもしれませんが、みなさん子供らしくするのも大変だったんではないでしょうか。もしかして小学生の小ささを強調するために先生役をでかい人にしたんですかねえ。遠隔操作ロボットのヒノキオがどこまで操演でどれがCGか分からんですが、どのシーンもすごく自然。もしかして全部操演か。猫背気味に歩くところが人間臭い。若い堀北さん演じるエリコをジーっと見るときの、目というかレンズがズームするのも面白い。あきらかに惚れ目線とわかります。デザインもけっこう面白くて、肩とか首元とかのジャージっぽいカバーがやわらかい感じで良いです。かわいいかと思えば、後頭部はエイリアンっぽくも見えるし、オレンジ色は筋肉に見えたりしてちょっとグロっぽくもある。表情はないが、レンズ目と首の動きで工夫していて表現力も多彩。けっこう日本SFを代表できるデザインだなあと思います。中村雅俊さんの部下、牧瀬里穂さんが研究室で白衣を脱ぐだけなんですが、ちょっとドキドキしてしまう。雰囲気的に上司にホの字なんでしょう。奥さんいないんだからガンガンいってください。引きこもった本郷さん演じるサトルが、多部さんのジュンに対して心を開いていくという大筋は王道で完璧なんですが、レンゴクというゲームのパートがちょっと不自然なような。なんだかゲームパートは別な筋の作品なる話しな感じもします。サトルへの呼びかけ方法の解決として必要だったかもしれませんが、ケンタのてん末や、ヒノキオたちへの関わり方が少し雑かなあと思いました。その上、レンゴクゲームは、ある意味、ヒノキオのテクノロジーよりすごい。だって、ゲームと現実をリンクさせて、おまけに行ったり来たりできるなんて・・・中村さんや牧瀬さんの研究より高度な感じで、ヒノキオをより目立つ。そのレンゴク世界が、オープニングとラストの宇宙につながっている気がしてしまいます。それにしてもゲームに出てくるお姉さんのモデルは誰なんでしょうか。あとは小林さんのスミレが、かなり禁断な想いを持っている設定のようで、サトルやジュンにちょっかいを出すところを含め、もうちょっと説明してほしかった。ヒノキオには機能プログラムをインストールできて、「感覚」を感じるプログラムもそのひとつ。激しい痛みも感じてしまうので、普段はインストールしないんでしょう。その辺の設定が良かったです。ただそれによって人が触れる感覚も得ることができて、このテクノロジーは使い方を間違えれば、エッチ産業にもつながる世界。しかし「おばけ煙突」ってほんとにでかいです。いったい何の設備だ? 産廃処理場でしょうか。サトル-ヒノキオ-ジュンの関係や成長が定番ですけど面白かった。曇りとか雨。


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