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黄線地帯 [DVDやら映画やら]

相変わらずなんとも言えない新東宝マーク。エロの血+サイケっぽくも見えてくる。色々あるラインシリーズの中でも、吉田輝雄さんが出ているので見る。殺し屋の天知茂さんが三原葉子さんを人質にとって神戸に向かう話し。三原葉子さんの恋人が吉田さんなんですねえ。吉田さんは新聞記者らしくとりあえず一般人。天知さんが神戸に行くのは殺しを依頼した組織に裏切られたのでその報復のため。警察に追われている立場なので、一人だとばれやすい。そのカムフラージュに三原さんを拉致したんです。列車内や靴屋のシーンとか、自分が拉致されていることをなんとか知らせようとする三原さん。彼女の性格設定もあってか、出だしはちょっとコメディタッチでもある。赤いハイヒールを残すところはけっこうロマンチックだったりする。が、しかし、石井監督がそんな甘っちょろい世界だけで終わるはずはなく、だんだんと絡んでいる犯罪の恐ろしさがあきらかになってくる。三原さんの他に三条魔子さんにも魔の手がかかり、彼女たちの行きつく先をイメージさせるのが、外人娼婦のシーン。彼女たちもああなってしまうのか。外人娼婦の背景とか仕打ちは悲しく、ひどいもので十分インパクトを与えますけど、ちょっとひどすぎかも。しかしこれも時代と片づける。素晴らしいのは舞台ですねえ。セットかロケかは知りませんけど。天地さんと三原さんが入るホテルが "QUARTER MASTER"。調べたら船乗りの『需品係将校』とか『操舵員』という意味らしいが、陸軍の『宿舎割り当て』の意味もあるようです。このホテルとかその周辺が見事。現実かつ非現実、異国なところもあり、そしてタイトルの『黄線』たる雰囲気満々。こうした細かい作りこみが年数を経て『徳川いれずみ師 責め地獄』の長崎の歓楽街やアヘン屈の様子にもつながっていくんでしょうねえ。さすが監督。このホテルから眺める路地の様子が吹き溜まりの象徴。そしてホテルから路地を舞台にした男女のすれ違いもスリリング。今回の吉田さんは新聞社勤めの会社員なので銃をバンバン撃ちませんけど、そこが悲しい殺し屋の天地さんと好対照。甘いマスクの吉田さんと憂いのある天地さんのお顔もあって、見事に希望と絶望を現してくれます。ナイスな配役。コートも黒っぽいのと白っぽいのだし。好対照といえば昼と夜もそう。漆黒の夜の世界があまりに怖い。せっかく良い人に渡ってくれた思ったらああなったりとか、百円札の行く末も面白い。タバコというか洋モク売りなんて時代ならでは職業でしょうねえ。天地さんと三原さんがホテルで話すシーンで映る窓の向こう側では誰かがしっぽりやっている。話していることがシリアスなだけになんだかおかしい。孤児院で三食62円の予算の話しがとってもリアル。悪い先生がマスクを額にあげている姿が、パンティをかぶったおっちゃんみたいでおかしい。さらにマスクをした天地さんもちょっと見た目が変。新東宝の映画はカラー映画だけれど、なぜか記憶は白黒になっているのが不思議。文句を言ったり踊ったりとなんだかんだとうまくやってる三原さんがタフ。クラブの『PRINTEMPS』って『春』って意味なのか。『黄線地帯=イエローライン』とは何か? それは予告編を見るとちょっと分かる。DVDメニューにキャストと役名の一覧があって大変親切。なんか新東宝の映画って面白い。

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女体渦巻島 [DVDやら映画やら]

石井監督+吉田輝雄さんなので見る。血の色にも見えてしまうちょっとエロな新東宝マーク。『女体渦巻島』の題字フォントがなんだか特撮物っぽくてかっこいい。テロップでさらっと流す『東洋のカサブランカ』という対馬の言われっぷりがすごい。さっそく吉田輝雄さん登場。見た目は辰巳よしひろさんの『影男』っぽいような。「おれは人を殺したことはない」と言うが、拳銃使いの役なんだよなあと思ったりする。人を殺したことはないけれどちゅうちょしないで撃つところは、それだけ復讐度がマックスということか。吉田さんは姿を消したた恋人、三原葉子さんが対馬にいるのを知り、本人にその訳を聞きに来たのだが、それだけで終わるわけはなく、色々巻き込んでもう大変という話し。山場の銃撃戦は終盤の手前から始まって、時間もあるし、銃撃だけじゃ終わらないことに期待しかありません。あの人は吉田さんに加勢するだろうなあとは思っていたが、まさかあの人も銃撃に参加するとは。ちゃんと訓練を受けていたんですねえ。銃撃たっぷりで全編に渡って吉田さんの見どころ満載。悪事の主体が日韓貿易所ですが、取引が麻薬しかないので良い取引なわけがない。この取引を仕切っているのがマダムになった三原さん。支配人たちはこのマダムの配下にあるのだが、その腹積もりは自分のことばかり。女性が頭なことも面白くないのでしょうか。吉田さんと三原さんの運命の裏でタイトルにあるの『女体』が『渦巻』く『島』のとおり、多くの女性が登場してひどい目に合わされる。組織はクスリの他にも女性たちも商売品にする考え。借金をかたにして女給として雇い入れ、頃合いを見て他の国に売りとばす。組織の他、キャバレーの支配人は女性を使ってクスリで私腹を肥やそうとする。そして三原さんがなぜマダムになってしまったのかも知る。最初は個人的なことでやってきた吉田さんだったが、だんだんとそれだけでは済まなくなってくる。さすが好い男。ムラムラなシーンは多いですが裸はなかったような。銃は一番、けんかも強いしアブサンのトラップを華麗に回避したり、女には優しいし、誘惑されてもさわやかに断る。すべてがパーフェクトな吉田劇場なのだった。吉田さんと他の連中の違いは、撃たれた仲間を抱き起すところ。義理と人情に熱い好い男です。ロカビリーシーンの三原さんの恍惚さにくらべて吉田さんのぎこちない踊りがナイス。もう関わることはないと言いながら、最後はお前がいなくちゃ生きていけないと口にする吉田さん。そこには生き死にをかけた愛以上のものがあったのでしょうか。最後の赤いスカーフが痛々しい。しかし対馬がこんな島だったとは。ああ対馬怖い。『東宝』よりも面白い『新東宝』映画なのだった。

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