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複製された男(Enemy) [DVDやら映画やら]

開始早々、ちょっと太めになってしまった、ヒゲをたくわえた顔立ちはイスラムの方に見えなくも無いジェイク・ギレンホールさんとあやしい地下エロなシーン。それでも脱いだ姿は遠目にぼやけて鏡に映すとか、うまく見えません。彼は先生とか教授らしくて、生徒に講義するシーンがあるが、けっこう生徒のMacBook率が高い。先生はため息ばかりで、どっちかというとパッとしないようだが、恋人らしい人もいて、あっちの方も満たされているようです。でも満たされているならどうしてため息なんかつくわけだ? 同僚にすすめられた映画に出ていた自分そっくりの男を見てから、彼は更に不安になり混乱する。高層アパートを上から撮るシーンは彼の不安を表しているようです。それにしても女の人の感は鋭い。服を脱いでと言って、本人か確かめるように男の裸や顔を見回したり見つめたりする表情が実にうまいです。映画を見たとおりに頭に入れると、『地下クラブに入りびたりな男がクモにかまれる。そしたら映画の中にそっくりな自分を見つける。きっとクモのせいでドッペルゲンガーになったんだ。そうすると相手には妊娠した奥さんがいる。不安な毎日を送る中、そっくりさんが、「おれは消えるから服をよこせ」という。彼は自分の彼女とエッチするが、ばれてしまう。そしてケンカのあげく自爆。残った彼が気がつくと妊婦さんの正体は<ピー>だった。だから入れ替わりたかったんだなあと残った彼は思うのでした』・・・って、頭の悪い自分は見た目通り理解してしまったが、そんな単純な話しではないはず。ヒントは妊婦さんの言葉か。単純ですが、おそらく心理のなせることであろう、あるはずのない巨大オブジェの描写とか、カフカ的不条理な世界。それぞれの解釈の仕方で、映画というか、話しの楽しみ方がひとつ増えるような映画でした。先生が言う、「今は前世紀の繰り返しでは」という考えが印象に残ります。二人の女性は実際にいただろう。地下クラブも実在でしょう。しかし映画のビデオを見たと言うのは事実なんでしょうか。わざわざビデオを借りにいってようだから事実か。ウェブ検索は? もう一人の彼がバイクに乗っていることは? もう一人の彼の事務所に行ったことは? もしかしてこの辺りは妄想だったのか。母親が出てくるが、彼女の言い切り方は、彼、つまり息子が昔、同様な状態に陥ったことをあらわしているのかもなあ。電話もかけていたようだし、親としては常に目を離していけなかったのかも。もう一人の彼が「ストーカーからの電話だ」と言ったのは、母親からの電話だったかも。巨大オブジェや妻の最後の姿は、監視する母親のイメージ。そう考えると彼は二重人格で、実際に生活環境や職業を二つ持っていて、普段はそれが交わることがないが、突然他人格の相手を認識してしまったときに起こってしまった悲劇か。そうであれば、二人が実際に対峙する以外は、すべて事実だということになりそう。地下クラブに行っていたのはもう一人の彼。最後、彼はその鍵を見て、もうひとりの人格になる。これは原作小説があるそうですが、逆にこの映画を小説にするのも大変だろうなあ。うかつに手を出すと2回以上見ることになる映画。でもせっかく相手がする気満々そうなのに、仕事をするのはなんともったいないことか。上手だなあと思ったのは、最後に奥さんがシャワーを浴びているとき、湯けむりや泡の後がクモの巣のように見えるところ。ああ面白かった。晴れ・曇り・雨・雷。


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