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サイレント・ウェイ(El callejon / BLIND ALLEY) [DVDやら映画やら]

スペイン語の映画。難しい映画だった。オープニング。「インセクト・ゴッド」の話し。これはエドワード・ゴーリーさんの「蟲の神」のことのようだ。この「蟲」は「虫けら」が近いと思う。そしてタランティーノ監督かオースティン・パワーズ風な女性が踊るタイトルロール。それはローサ。主人公です。上司に小言を言われながらもホテルの清掃員で働きながら何かを目指しているローサ。オープニングのダンスもオーディションの様子。このダンスがローサのニヤニヤ妄想としているときに現れるのが面白い。コインを袋いっぱいに入れた大男は、コインを回収する=あの世へのテラ銭? 「年寄りの何が悪い」はイケメンの正体がアレな証拠。イケメンが洗濯している服に血が付いている=たぶん姉ローラのやつ? 冒頭で既に二人、ローサと姉ローラはたぶん車にひかれていた。ローラは絶命。ガブリエルが「母の携帯」という。この母があとから出てくる女。ランドリーでローサが見る雑誌、Negro Blanco はおそらくすごく古い雑誌。イケメンがトイレの死体におどろくのは、ほんとにおどろいたからで、たぶん母親がやったんではないか。でも後でこの死体はなくなっているのはなんでだ。ローサがわざわざ服をトイレに置いたのはなんでだ。タイトルにもなっているランドリーに続く狭い路地は、「蟲の神」でいえばネバネバの部屋。それともランドリーがそうなのか? 歩くローサの背後に近づく女性は姉ローラかと思ったが、ピンクのユニフォームを着ているのでたぶんローサ自身。重傷を負ったローサ本人があの世に行く前に、路地・ランドリーという死の世界に誘い込まれる自分を止めようとしている。白い車が二人をはねた。ローラはその場で絶命。ただ車の様子からしてかなり前に事故に会っていた? ローサが飲むクスリは「止めた」と言っていた不眠症のクスリだろう。彼女はそれを飲んだかために寝てしまった。それ以降が夢。だからランドリーでの出来事は夢か。そしてふと目を覚ますと別な男がそばにいた。ローサがクスリを飲むときとイケメンの状態はなんだか関係がありそうだと考えたが、これはクスリを服用したローサの血をイケメンが飲んでしまったからかもしれない。イケメンと女は息子と母。長い間生きてきたらしい。噛んだりするからバンパイアかもしれない。だからイケメンは「年寄りの何が悪い?」ようなことを言う。それだからランドリーの雑誌も古かった。イケメンはローサがキューバ人と知っておどろくが、できるなら生粋のスペイン人を望んでいたのかもしれない。冒頭で「蟲の神」の引用がありますが、この映画で神はおそらくイケメンたちのことだろう。名前も天使っぽいガブリエルだし。ガブリエルが受胎告知するのがマリア。すると母親はマリアなんだろうか。でもイケメンと母親がやっていることは、どっちかというと死神っぽい。ダンスのオーディションはイケメンたちの罠。姉からローサに電話があったとき、姉は既に・・・。でももしかしたら不眠症対バンパイアという単純な話しで、他のイメージや回想はすべてローサの夢だったのかもしれない。イケメンのそれっぽい最期もローサの夢。姉ももしかしたらローサの別人格? 等と考えてはいけない映画だったのか。「蟲の神」の引用にとらわれて色々と勘ぐったりするけれど、共通するのは生贄だけなのか? 考えさせらる意味では面白かった。


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コングレス未来学会議(THE CONGRESS) [DVDやら映画やら]

映画会社が俳優の演技データをスキャンして、それを基に CG で好きな演技をさせ大衆が望む映画を作る。俳優は二度と演じてはならない。女優ロビンはそんな契約をミラマウント CEO ジェフと結ぶ。そして20年後、ジェフとの新たな契約のため、彼女はアブラハマに向う。最初は「二度と演じさせないため、俳優たちを昏睡させてアニメの世界に放り込んでしまったんじゃない?」と勘違いして見てしまった。「20年後」というテロップを見逃したせい。アニメ世界のアブラハマでは THE CONGRESS - 未来学会議が行われる。ここでミラマウントが発表するものは何か・・・そのせいで世界が完全に二分されてしまう。それは幻覚と真実の世界。それは「自由選択」で、クスリを服用すれば望む自分になれる。たしかに「エゴや嫉妬は生まれない」。複雑そうな映画だったけれど、単純にロビンと病気の息子の物語と考える。娘のサラは強い女性ということだろうか、扱いが希薄かも。スキャンさせる契約を結んだあとの 20年。ロビンは息子アーロンと暮らしていたのだろう。彼女は約束通り契約のためアブラハマに来たが、幻覚から覚めなくなり、治療不可とみなされて凍結保存されてしまう。そして彼女は息子とはぐれてしまう。この凍結された間に「自由選択」の広がりで世界はすっかり変わってしまった。それと同時進行で、 CG やアニメに成り代わられた自分のアイデンティに悩んだり絶望したりする。それを和らげるのがディラン。彼は元ミラマウントのロビン専用のアニメ技師。彼女のスキャンデータを使った映画も作っている。彼は彼女の仕事をしているうちに彼女を愛してしまった。しかしロビンは息子を探したい。そして彼女がすることは・・・。アーロンの主治医であるパーカー医師の存在が重要。彼がいなければロビン、そして映画を見ている人も彼らの世界をはっきりと理解できなかっただろう。CG を多用する実写映画への不安や不満がこの映画を作った理由かもしれない。しかし映画の中で CG 化された役者とアニメ化された役者に違いはあるのか? 監督はアニメのロビンにヌードやエッチもやらせるし、銃で撃ったりもする。アブラハマに入ると、他者に変身する人たちが見受けられる。そうするともう「自由選択」は始まっていたのか。幻覚シーンのせいで複雑な映画だと考えてしまったが、「20年後」のテロップあたりから見直したら、なんとシンプルな話しだったことか。アブラハマ=油浜という勘ぐりの他、ミラマウント・ナガサキという社名とか、アニメやマンガばかりの日本に対する皮肉にも思えてきた。いちばん皮肉なのは、途中でアニメにすることによって、劇中のストーリーのように自由にロビンさんを動かしていること。もしかして実写パートも彼女のスキャンデータによるものだったりして。プレゼンをパーカッションで盛り上げるのは良いアイデアだなあと思った。ミラマウントホテルのロビーにある水槽の魚がポ○チンみたい。サラの「わたしに接客はないわ」に笑う。TOFOO Films というのは豆腐のことかそれとも東風のことか。面白かった。


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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ/レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(Leningrad Cowboys Go America / Leningrad Cowboys Meet Moses) [DVDやら映画やら]

『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』と『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』の二本立て。なんといっても刺さるようなリーゼント。赤ん坊もリーゼント。おまけに黒毛の犬までリーゼント。靴もリーゼントみたいに尖っている。これは彼らの村の特長かもしれない。最初のシーンで凍っているのは Fender っぽいベースだが、その後の家に運び込まれるシーンだと、フレットレスの Jazz Bass かと思ったら、ラスト近くの映像を見るとフレット有りでピックガード無し、サンバーストだった。メーカーはヘッドの部分に霜がついて分からない。ひどい扱いをされているのでどこかのコピー物か。冒頭のポーリシュカ・ポーレでは全員アコースティック楽器を持っているが、右側に Strat っぽいエレキが見える。アメリカ、ニューヨーク。最初のオーディションでは、ナチュラルの Fender Telecaster Custom と ベースが赤い Gibson Explorer Bass。もう一人のギターの人はマンドリンでコードを弾いている。メキシコ行きを告げられるマネージャーのウラジミール。彼がバンドがヘッポコだからだと分かっているのかあやしいところ。テネシー州メンフィスで演奏するのはシャナナみたいな曲。ギターにペイズリーの Telecaster が加わる。歌にも字幕が入るのでうれしい。彼らの見た目と歌っている内容をくらべると面白い。床屋のおじさんが安そうなギター片手に「恋は盲目~」とか歌う曲が良い。ルイジアナ、ニューオリンズのアールズ・バーでは「テキーラ!」。楽器は前出の2本の Tele に Gibson ベース。ギターソロがかっこいい。テキサス州ガルベストン、クラブ・ジバゴ。ここではカントリー。カントリーなので農夫の歌だが、これが「人民委員」とかの言葉がでてきて、まさにソ連の農家の歌。けっこうブルースなカントリー。お客さんは下手だとか言っていますか、にやけた顔は気に入っている風にも見えそうなんだが。ヒューストン、ジョーズ・パレス。ここが音楽的には盛り上がるところ。相手はハーレーを乗り回す強面もバイカーたち。ドラマーは怖くて泣きながら叩いている。古いドゥワップみたいなロックンロールをやってもブーイングでますますびびる。アメリカ育ちの従兄弟の登場。ペイズリーの Tele が奏でる誰でも知っているイントロリフ。「ボーン・トゥー・ビー・ワイルド」。字幕を見るとあらためてよく出来た歌詞だなあと思う。Telecaster Custom の熱いソロが聴けます。一瞬ライトハンドを見せてくれる。もう1曲、従兄弟のボーカルでのどかな歌。そして最後はようやくメキシコ。湯水のごとくふるまわれるコロナビールがおいしそう。構成は、4 コママンガみたいなツアーの日常とライブの繰り返し。それでも双六のように浮き沈みがあるので飽きない。車を買ったときに靴のつま先を釘で打つのは、ペダルが踏めないからなのかと後で気が付く。ウラジミールが一時拘束されて復活するが、それを「民主主義の復活」とするのは皮肉というかブラック。ギター好きとしては Fender Telecaster Custom を堪能できる貴重な映画。サイドギターがマンドリンというのも良いなあと思った。見た DVD はビデオをダビングしたような画質だったが、同じ二本立てで HDニューマスター版 があるらしく、とうぜんそっちの方がきれいな画質なんだろうなあ。『レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う』はメキシコからシベリアに帰る話し。「テキーラにやられた」というのは普通に飲んでいただろうウォッカに比べて悪魔な酒ということか。登場するモーゼはどうみても消えたあの人。モーゼというかウラジミールは、ソ連における民主主義の象徴なんだろうなあ。すぐに怒鳴る・怒る・さく取。ギター・ボーカルの人は恐いので逆らわない。みなさん前作のようなテディスーツにサングラスといスタイルではなくて、おまけに人数が減っている!ちょっと残念・・・と思ったら、今度は別な何かが現れる。考えることは誰もが同じということか。モーゼと翼と乗客のカットが映画版「トワイライト・ゾーン」のエピソードのカットに似ている。フランス、ブルターニュ地方。ビンゴ会場での演奏。でかいバラライカを見られる。結婚式のシーンでは不明な 3PU で形は Fender 似のセミアコっぽいギター。ヘッドが映るがロゴまではっきり見えない。もう一人のギターは、青いアコギの他に Fender Jaguar 使っていた。でもギターの人は前の方がかっこよかった。あやしい白人プロデューサー、ラザールがまざって、ドイツ、フランクフルト。郊外のジプシーか難民の人たちだろうか、その前で演奏する「ロンリー・ムーン」がかっこいい。ライプチヒ。「階級闘争の歴史である~」という共産党宣言を読みあうモーゼとレーニン。女性が歌う「バビロン~」の歌も良かった。ラザールだろう預言者エリヤが歌う、内容がほとんどパンクな「ギニワッチ~」シーンが音楽的にはハイライトっぽい。なぜかワルシャワ駅で「地獄の番犬~」とブルースを歌う。前回の始まりとはうってかわって緑の大地。雪が無いのが印象的。前作の段階で考えられていた続編かもしれない。モーゼというかウラジミールの独裁的手腕の比重が高い続編だった。面白かった。晴れ・曇り。


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ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ(Wyrmwood: Road of the Dead) [DVDやら映画やら]

映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」風の邦題。原題は「苦悩」とか「屈辱」で、映画に出てくるバリーそのものズバリ。直球なタイトル。奥さん、娘を失くし、妹まで何か変?になっちゃったりして八方ふさがり。恋人や娘がゾンビになって苦悩する映画は多いが、これはまたちょっと違う。燃料の件とかコントロールの件とか、今までのゾンビ映画では見なかったような設定。初期のゾンビの頃でも、捕らえて調教しようなんていうのがあったが、それとは違ってもっとマッド。そしてゾンビになるのもウィルスの空気感染設定。だから常時マスクが必要で、外すとゾンビウィルスにかかってしまう率がかなり高くなるようだ。オープニングでベニーが話していることによれば、ある夜、たくさんの流れ星をみたらしい。ウィルスはそれが原因かも。このベニーがちっちゃいアンドレ・ザ・ジャイアントみたいな雰囲気。燃料となるガスの設定なんかは、世紀末には石油は手に入らないだろうと考えて作られた設定かもしれない。終末ゾンビ映画もリアリティを考えているのだと思う。マッドな科学者はいったい何をしたかったのか。ゾンビをもっと強力なものにしようとか考えていたかもしれないが、はっきりと「こうするのだ!」っていう説明がなかったような。登場人物それぞれの態度が、もっともで憎めない。やっぱり主役のバリーのとまどいっぱなしの演技が良かった。彼が妹を見るときの表情が秀逸。ラストカット。兄妹の開き直りかげんがすばらしい。この兄妹には未来がある。晴れ。


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