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長崎ぶらぶら節 [DVDやら映画やら]

波のマークの東映映画。明治16年夏。家を出されるサダ。大正11年冬。花月楼で行われる万屋の座敷に集まる芸者たち。原田知世さん演じる丸山芸者・梅次と高島礼子さん演じる町芸者・米吉がにらみ合う。そこに吉永小百合さんの丸山芸者・愛八が登場して火花を散らす。愛八はサダが成長した姿。梅次がほぼ極妻。芸者さんたちにも渡世人のような世界があるのだなあ。一触即発のところで登場するのが万屋の旦那・渡哲也さん。最初からごうせいな俳優さんたちが顔を見せます。怪獣映画で先に怪獣を見せるようなものか。万屋の仲裁で芸者のケンカは芸合戦になる。無数の芸者たちに男は万屋一人。この芸合戦シーンも見どころのひとつなんでしょうねえ。最期はおひねりをばらまく万屋に愛八は呆れ顔。この万屋の散財の理由は後々分かる。万屋は代々の成金でどうしようもない奴かと思ったら、実は学者だった。金を使い果たして差押えとなり、金にならない学問の本ばかりで差押え執行官から文句を言わる妻がいしだあゆみさん。やつれた風情に後々おかしくならないかちょっと心配する。あることをきっかけに地元長崎に伝わる歌を探す旅に出る愛八と万屋。そして「ぶらぶら節」を見つける。それはサダが幼い時に聴いた歌だった。そしてサダと万屋の恋路にも終わりが訪れる。これで映画も終わりかと思ったら、まだ半分くらいしか終わっていない。昭和天皇が即位。昭和5年。1時間16分くらいでようやく高橋かおりさんが数十秒登場する。彼女は成長したお喜美役で、借金のかたに店替えさせられてしまう。これで終わりかと思ったら1時間41分くらいでまた登場してほっとするが、今回はあまりに幸薄い役。赤い着物と白粉のせいかそれとも疲れのせいか、顔色が悪い。その姿がとても辛い。色々あったであろうお喜美を暖かく迎えるおでん屋がえらい。妹分の雪千代の入院費の立て替えで苦しい愛八。座敷に出るための紋付を出しに行った質屋の帰り道でばったり会った昔なじみの客と米吉。客は愛八の様子を落ち目だとからかうが、米吉は何も言わない。愛八の事情を知っているからだ。えらい米吉。電気代も払えなくなった愛八だが、ある人の前で地歌を歌ったことで変わっていく。ああ良かった愛八。途中で登場する戦艦土佐の話しは、ワシントン海軍軍縮条約の締結によって標的艦となってしまったことだろう。この頃は軍も大事にされていたのね。内海桂子さん・音丸の末路が悲しい。与三治がとてもアホ。雪千代役の尾上紫さんがかわいい。花月楼の座敷にテーブルと椅子があるところが面白い。見どころは、愛八が今なら不倫といえる自分の想いをいったいどうするのかというところ。それは万屋も同じ。終わってみればこの物語のテーマは身代り天神なのだろう。愛八は全ての人々の身代り天神。出だしのホタルの件はファンタジーのようで無くてもよかったか。幸いなことは家を出されても何とか生きることができた愛八と、万屋の奥さんや花月楼の女主人が良さそうな人だったこと。お喜美が幸せになることを示唆するようなエンドならなお良かった。日本語字幕がうれしい。方言や歌のシーンもあるせいでしょうけど。高橋かおりさんが出ているので見たのだった。

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