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残酷の人獣(TERROR IS A MAN) [DVDやら映画やら]

モノクロ映画。最初に登場する地図と「ブラッド・アイランド」は映画シリーズのタイトルなんでしょうが、そのまま本編につながっているようでオシャレ。原題は『怖いのは人間』という感じですか。最初に「本作にはショッキングな表現が~」なんていう "WARNING" のテロップ登場。「ベルが鳴ったら目を閉じろ」に「?」と思ったが見ていると分かる。最初は電話のリンギングかと思いました。ペルー沖の島。ジラード博士はそこで長年研究している様子。彼の妻フランシスは夜に人の声を聴いたり、彼の研究がよくわからず気味が悪い。その島に漂着したフィッツジェラルドはジラードたちに救われる。そして夜、島の人が何者かに襲われる。人々が島から逃げるときの音楽がすばらしい。中盤前でフィッツジェラルドは博士が秘密裏に研究していることを知る。ただこの時点では怖い顔とかは出てこないので、ちょっとキレてる医学説明で終わってしまう。しかし翌日のすがすがしい朝食の風景から一転、ちょっとショック、フィッツジェラルドは手術の様子を見せられる。しかしこのときも見えるのは一部だけ。顔をさらすのは後半も終わりかけのころ。よくぞじらしてくれました。モノクロのせいかそれなりに怖く見えます。フランシスがなぜ夫のジラード博士や獣人を見捨てられないのかと考えたが、おそらく写真に写っていたペットの犬が関係しているのでは? と思ったが、獣人は豹っぽいので違うか。この獣人のはっきりとした顔は1時間22分くらいで登場する。目の雰囲気は東洋人っぽい豹というか。身体中包帯という姿はまるでミイラ。けっこう良い感じである。凶暴で襲うのではなく、恐れているために襲っているという感じがよく分かる。歩いている姿も痛々しく、恐怖に悲しさを感じさせる動きは名演。最後はたぶん子供のチアゴのおとぼけでほんとはアレしてるんだろうなあ。主人公フィッツジェラルドにとってはまあまあなエンドかも。面白いところはただの怖いホラー映画ではなくて不貞・不倫な映画でもあるところ。やっちゃった翌朝の明るい朝食風景で、ご満悦顔のフィッツジェラルドに罪の意識で沈む人妻フランシス。このシーンはフィッツジェラルドが調子良すぎ。子供も出ていますが大人の映画なのだった。それを考えると映画におけるフランシスの役割はとても重要で、彼女の存在がなければただの変な映画になっていた。フィリピン製作のホラー映画だけどもしっかりアメリカB級映画風にできているところが製作者のすばらしいところ。これでは本場アメリカでも受けるはずです。ボーナスで当時のトレーラーが収録されているが、本編では獣人の完全顔出しをこれでもかじらしているのに、あっけなく登場させてしまうのがご愛敬なのだった。面白かった。

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