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エリック・クラプトン~12小節の人生~ (ERIC CLAPTON:LIFE IN 12 BARS) [DVDやら映画やら]

B.B.キングに捧げる言葉から始まる。エリック・クラプトン様の半生をつづるドキュメンタリー。土曜の朝のラジオ "UNCLE MAC マックおじさん" で聴いた黒人音楽。そのシーンではマディ・ウォーターズの "My Life Is Ruined" がかかるが、子供向けの番組でほんとにかかっていたのだろうか。すごいもんです。今だと ピーター・バラカンさんが子供向け番組をやるようなものか。マディさんの "I Got Mojo Working" のライブフィルムが挿入されますが、その足つき、腰つき、歌いっぷりがかっこいい。バックには "Newport Jazz Festival" の名前がみえます。インタビューではおばさんらしき人が「エリックはビッグ・ビル・ブルージーを聴いていたわ」なんて話すが、そんな名前を知っているだけも「おばさんすごい」と思う。1963年のルースターズでは Kay のセミアコ。もう一人のギターはジョージ・ハリスンも使っていたフォーチュラマ。そしてザ・ヤードバーズの "I Wish You Would"。テレビ番組のライブでしょうか。手にしているのは赤みたいな色のテレキャスター。あとグレッチも使ってます。路線がポップスになって脱退するのはおなじみのお話し。それからはジョン・メイオールさんやクリームなどと続きます。エリック・クラプトンがブルースではなく、ロック・ギタリストとして認知されるのはクリームあってのことだと思います。なんたってサイケデリック・ロックだし。サイケの SG を持って弾き方を説明するシーンはクリームのライブDVDで見たことあるやつ。ジョン・メイオールの "Crocodile Walk" のTVシーンでは、その TV 放送をボブ・ディランが見ている。サービスカット?と思ったら彼の「新しいギタリストが面白い」と話すところを聞かせたかったのだろう。クラプトンさんはテレキャスターを使っている。色はナチュラルっぽくなっていて、もしかして色をはがしたのかもなあ。ギターの音はリトル・ウォルターのハーモニカの影響もあったらしい。それはアンプを通じた分厚くて濃厚でメロディな音。そして選ばれた組み合わせがレスポールとマーシャルアンプ。レコーディングではライブで聴いているようにするため、アンプからマイクを離して録音。"All Your Love" が流れるが、ライブ風景写真をずらしながら映して演奏している感じを出しているのがさみしい。「白人に俺の声は出せない、ソウルも無いし、苦労もしてない」というマディさん。クラプトンさんはいきなり新しいバンドで練習を始めてジョン・メイオールが怒りますが、マディさんの言葉に触発されたのかなあ。ブルースだけやっても黒人のようにはやれないと思ったのでしょうか。結局ジョン・メイオールさんのバンドから脱退。新しいバンドがクリーム。ニューヨークでレコーディング。黒いレスポール・カスタムを手にしている。アトランティック・レコードのシーンではアレサ・フランクリンさんがけっこう長く登場。そしてこのあたりからエピソードに女性がはさまってくる。レイラのレコーディングの話しではデュアン・オールマン様が登場。その時のことを語る音声も流れる。「クラプトンはフェンダーで俺はギブソン。その音を聴き分けるのも良い」なんてギター好きにはうれしい言葉。この頃のクラプトンさんはサンバーストのストラトキャスター。レイラのアルバムの裏に写っているやつでしょうか。パティへの愛とか未練がたっぷり詰まったこの曲をパティさんに聴かせる。相手にはジョージ・ハリスンという旦那さんがいるというのに。面白かったのは意外に売れないアルバムを宣伝するプロモ映像。お父さんの件のシーンでサンバーストのストラトをノリノリで弾いている映像が流れるが音が無いところがさみしい。そして精神的に不安定になり、隠遁してヘロインにのめりこむ。「ドミノスは始まりではなく、終わりだった」というのが意味深。ヘロインから抜けたら今度はアルコール依存。このときのステージでは黒いストラトも使っていた様子。心がおかしくなったのか、黒人ブルースを愛し続けたのにファシストになってしまうクラプトン。せっかくパティさんも来てくれたのに生活はダメダメ。しかしこのアルコール依存はかなり続いたのだなあ。最初に日本に来た時もヘロヘロだったのか? 息子ができても続いていたのだから。その後の悲劇をアルコールではなく音楽で乗り越えようとしたところがすばらしい。What if ではないが、息子が今も生き続けていたらと思うとどんな音楽をやっていたのだろうなんて思ったりする。このドキュメンタリーは音楽というよりも女性関係や生い立ちと依存症がクローズアップされていて、ギター本体のことをあまり語ってくれないことがさみしい。いろいろなギターを手にしていますが、似合うのものはやはりストラトキャスターなのだった。ジミ・ヘンドリックス様とクラプトンさんのカットも映されますが、やっぱり二人が動いているところが見たかった。アフロヘア=エレクトリックヘア同士で仲も良さそう。見終わってみると音楽的にはアルバム『愛しのレイラ』あたりのエピソードが山で、人生としては息子さんのことだと思いました。衝撃なのはステージに立つボロボロのクラプトンさんがヤジを受けているところ。しかしなんだかんだと偉かったのはジョージ・ハリスン様だった。心の内に秘めるものはあるんでしょうけどいちばん大人。ジョージ様で無ければ、命とか腕の一本とかいわずとも指一本くらい折られていたかも。でもレインボー・コンサートで助けてあげたピート・タウンゼント様の一言があっても良かったのでは。うーん。

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