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怪談 [DVDやら映画やら]

出だしの TOHO SCOPE が藍色がかったようなモノクロ。そして墨が踊るなかスクリーンをはみ出る『怪談』のタイトル。そこからモノクロのクレジットに混じって黒や赤や青や紫っぽい墨が踊る。女優さんがきれいな人ばかり。どれもこれも最後は分かっていても見入ってしまう。ロケの撮影はほとんどなさそう。みんなセットっぽいところが、映画でありながら360度な舞台感を感じます。
黒髪:女性は多々登場するが、新珠三千代さんの一人勝ち&その美しさとはかなさ全開の話し。
雪女:岸恵子さんは美人であるが、その笑顔が怖い。夕焼けの空に浮かぶ目玉のような雲が常に仲代達矢さんを監視しているようで怖い。目玉の雲の他、いびつな太陽とか特徴的な舞台美術が面白い。胸があらわになっているシーンがあるが、顔は隠されているし、まさか岸恵子さんではあるまい。ゆきの血を引いた子供三人で後日譚ができそう。すごい能力を持っていたりして。ここで休憩のテロップ。たしかに3時間はちょっと長い。
耳無芳一の話…:わりと登場人物の少なかった前二作と変わって大人数な話し。開始早々の大掛かりな軍船のシーンは俳優さんを含めてミニチュアに見えてしまうところが面白い。けっこう広そうなセット。源氏と平家の最期の合戦。戦いの怒号は一切流れず、琵琶と唄だけが流れる。耳無芳一の話しにすぐに入らず、大掛かりな合戦シーンで死にざまを描くところがぜいたく。船がら身投げする先の海は真っ赤。血の海状態。中村賀津雄さん、丹波哲郎、志村喬、田中邦衛さんとスターぞろい。中村さん演じる芳一のゆっくりと箸を運びながら食事をする姿が印象的。村松英子さんの目の離れ具合が良い雰囲気。頭のでかい少年だった芳一が最期はりりしくなっているのが良いところ。
茶碗の中:結末が無い話し。それはなぜなのか。茶碗の水に映る見知らぬ男。水を入れ替えても映る。水を投げ捨てるが、男は意を決してそれを飲む。それ以来茶碗が気になる男。茶碗を叩き切るとその男が現れる。小林昭二さん、天本英世さんがなつかしい。ラストシーンがけっこうじわじわくる。寝ているときに思い出しそう。

長いが面白かった。

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