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ギター弾きの恋(Sweet and Lowdown) [DVDやら映画やら]

ジャンゴ・ライハルト本人ではなく、彼の後継者と呼ばれたアメリカのギタリスト、エメット・レイを描いた映画。しかしそんな人はいない。架空の人。その人のドキュメンタリー風映画。エメットはジャンゴを崇拝する設定。常に二番手。もちろん一番はフランスのジャンゴ。ほんとうはジャンゴ本人を主人公に描いても良いんでしょうが、それでは恋とか愛とか、話しをふくらませるのが難しそう。冒頭から「Limehouse Blues」で軽快なギターを聴かせてくれます。エメット役のショーン・ペンのギターがすごい。彼が弾いているわけではないでしょうが、指の動き、特にピッキングが音楽にけっこう合ってるように見えます。かなり練習されたんではないかなあ。その後、一軒家の部屋にあつまってセッションするシーンは楽しそう。アパートでやろうもんなら「出てけ!」と一喝されます。前半直ぐにエメット自身が恋愛について語るが、そうとうひねくれていて自分勝手さがよくわかります。そんな彼にナンパされたハッティが、彼の部屋でギターを聴いたときの表情が良い。あんな顔をされたら弾いているほうもうれしくなります。彼女は彼のギターを聴いたり、演奏する姿を見るのが好きなようだ。そんな彼女に「オレは両手が命だ」と言って、ギターを持たせるのはあたりまえで、タイヤ交換までさせるエメットは鬼。そんな男の誕生日に手を守るための手袋をプレゼントするハッティは天使。町の素人芸大会で聴かせるノコギリ演奏がテルミンみたい。エメットはプロなのを隠してギター一本で出場、ギターでソロ演奏というと、なんとかコータローとかジョー・パスみたいにキレイなコードを弾きそうなものですが、彼は見事に単音ソロ。止まることなく弾ききって、見事に客を聴き入らせます。劇中の「All of me」の歌詞が良い。「I'll see you in my dreams」のギターといえばジャンゴの演奏で有名ですけど、エメットが弾くのも都会的でいかしてます。よく考えるとハッティ役のサマンサ・モートンは映画の中で一言も話していない。話せない役なので当たり前ですが、それを感じさせなかったのは、彼女の演技・表情のたま物ではなかろーか。ハリウッドの撮影で30回キスのときの表情がかわいい。あと、彼女のかぶるおとなしいラスタな帽子もかわいい。ハメットがいながら、なぜブランチと結婚したのか? それが運命の分かれ目であることは明白だけれども、エメットの性格を考えるうえで、相手が誰であろうが、「なぜ結婚したのか」がポイントな気がします。性格不良な男と言ってしまえばそれまでですけど。ギターが聴けてうれしい映画。邦題が照れくさすぎ。晴れ。


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