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パンク:アティテュード(PUNK:ATTITUDE) [DVDやら映画やら]

パンクロックの物語。パンクロックは今も受け継がれているということなんでしょうねえ。タイトルロールでは懐かしいバンド名がたくさん出てきます。オープニングからジム・ジャームッシュ監督とかの話し。話しはチャック・べりーやエルビスの頃から回顧され、おきて破りとかヒッピーとかすべてパンクと主張されます。興味深いのはオルガンがかっこいいサイケデリックなクエスチョン・マーク&ミステリアンズ。モノクロ映像ですがおそらく黒人がおかっぱヘアーにサングラスというのが面白い。その後でキンクス、カウント・ファイブなどのイギリス勢。そしてアメリカのパンクの始まりとしてベルヴェット・アンダーグラウンドが登場。有名なバナナのアルバムが紹介されます。ニコさんの歌う姿も差し込まれます。バンドのイメージはアンディ・ウオホールさんのアイデアによるところが多いようですが、同時にルー・リードさんの文学性の高さについても評されています。次に登場するのがモーターシティの5人組、MC5.アメリカ国旗のストラトが印象的ですが、ジョージ・ハリソン様も使っていたリッケンバッカーも素敵。彼らはタブーである「マザー・ファッカー」を叫ぶことに挑戦した。そこがパンク。そのせいで『キック・アウト・ザ・ジャムズ』はラジオでかからなかった。その次がアン・アーバーのバンド、ストゥージズ。変態な動きのイギーさんが登場します。彼はドアーズのライブを見た後に変わったらしい。その次はニューヨーク・ドールズ。「本物はイギリスで他はニセのロック」という論争が面白い。モンキーズはビートルズの模倣とか。その中でニューヨーク・ドールズは独自なものだととらえられていたよう。確かに全員があんなケバいバンドはなかったか。マルコム・マクラーレンがとった戦略は共産主義カラー。赤と黒。これがドールズが下降してしまう理由のひとつっぽい。とにかく共産主義は受け入れられなかった時代。ディープ・パープルに代表される長いソロ回しが飽きられ、ベトナム戦争が疑われ、人々は色々いやになってくる。そして紹介されるのがディクテイターズ。ボーカルの人がアフロで、見た目はスマートな MC5 という感じ。ナチュラルボディのストラトがかっこいい。次はなんだか暗そうなスーサイド。ドールズのメンバーがむちゃくちゃなコメントをしている。ようやく CBGB が紹介される。そこへの演奏条件は「オリジナルを演奏すること」。テレヴィジョン、そしてパティ・スミス様が登場。彼女のことを悪く言う人は当然いません。次がリチャード・ヘルさん。彼の安全ピンにマルコム・マクラーレンが飛びついてロンドンに持ち帰った。そしてとうとうラモーンズ。デビッド・ヨハンセンさんはジョーイから曲を聴かされた時「働けよ」と思ったらしい。でも成功してしまって予想外。色々あってトーキング・ヘッズ。モノクロ映像だが、ティナ・ウェイマスさんがベースを弾く指の動きが興味深いです。アメリカの次はイギリスの様子。不満だらけの社会情勢。ポール・シムノンさんにスージー・スーさんとかアダム・アンド・ジ・アンツのギタリストたちが振り返る。グレン・マトロックさんが「最高で最悪」のバンドと語るセックス・ピストルズから少しずつ当時のライブ・フィルムが挟まれる。バスコックスのライブでは Gibson のマローダーがかっこいい。パンク詩人がジョニー・サンダースみたい。ダムドの紹介ではキャプテン・センシブルさんが明るく語る。TV番組のビル・グランディ・ショーに出演したピストルズの受け答えが何とも。局には抗議がたくさんやってくる。それで有名にもなる。シドが変わっていったのはナンシーのせいだと言うスージー・スーさん。彼を見てドラッグのひどさを思い知ったと語ります。ようやくクラッシュのライブが挟まれる。アルバム『ロンドン・コーリング』までのことを振り返る。ピストルズは問題を叫んでクラッシュは解決法を叫ぶと話す人もいる。ジム・ジャームッシュ監督が話す「自らの力を身勝手に使わなかった」がかっこいい。イギリスでのラモーンズ人気について触れられ、登場するのがスリッツ。最高のバンドとクリッシー・ハインドさんは言うがなんだかな。泥だらけとはいえ、自分たちのトップレス姿をアルバム・カバーにした女性は彼女たちが初めてだろう。コラかもしれませんけど。しだいにパンクはレゲエを吸収していく。Xレイ・スペックスの演奏シーン。これがいちばんかっこよかったりする。スピードとかヘロインが絶好調になってパンクは終わりを迎える。いきすぎちゃったらダメなのだ。変らないのは昔からのファン。ピストルズのアメリカ・ツアーについてコメントされ、ジョニーさんの次のバンド PIL に話題は移る。パンクから本物の音楽が生まれたとコメントする人がいる。ファンはがっかりするがパンクなんだから身勝手は当たり前ということ。コントーションズのジェイムズ・チャンスさんの熱唱。今考えるとジェイムズ・ブラウンを目指していたのか。ライブの時に殴られたことを振り返る。ヒップホップのビースティー・ボーイズが登場してげんなりする。でも MV だろうか、楽器はなんだと聞かれてレコードを出すシーンは面白い。まさかずっとヒップホップかと思ったらソニック・ユース登場で安心する。そしてパンクはハードコアになってプレイヤーもマッチョでタフな人ばかりになる。デッド・ケネディーズもそのひとつにされていて、ボーカルのビアフラさんが色々話してくれる。ハードコア・パンクと呼ばれるバンドが紹介されるが、レコードを出さなかったスクリーマーズというバンドが良くて影響も受けたらしい。彼らのライブのフィルムがはさまれる。ハードコアの中には見た目はあれでも酒やタバコやエッチがきらいという『自制的』なバンドもあるようでよく分らん。重要なバンドのひとつとしてフガジが登場する。彼らは酒やタバコの広告がある雑誌のインタビューは受けなかった。つまりメディアを選んだ。だからローリング・ストーンの取材も断った。なんとまあ。ライブシーンでは黒いリッケンバッカーがかっこいい。ブラック・フラッグが登場して今度は黒人バンド、バッド・ブレインズ。彼らはハードコアという名は知らず、ポルノのことだと思ったらしい。ボーカルの人の襟が大きくて見た目はソウルだがやっているのはパンク・ロック。そしてニルヴァーナが登場し、ハードコアやパンクは80年代を根強いファンのおかげで生き延びる。みなさんがニルヴァーナをほめたたえるのが面白い。彼らがメジャーの道を開いた。その後でランシドとかグリーンデイとか。そして「バカがバカになるためにお金を払う」とか「今はすべてが体制になりたがっている」「クソくらえの意味が違う」と言い。企業社会を批判し、新しい考えをしようて終わる。見た目といい、声といい、ジム・ジャームッシュ監督がいちばんかっこよかったドキュメンタリー。彼のコメントがいちばん深かった。終わってしまえばパンクロックは反体制であり、政治的な意味を多分に持っていますと知らしめたいタイトルどおりのドキュメンタリーでした。

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