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帰って来たヨッパライ [DVDやら映画やら]

フォーク・クルセダーズ の三人、加藤和彦さん、北山修さん、端田宣彦さんが九州の浜辺で海水浴。そんな彼らを殿山泰司さん演じるタバコ屋のおばちゃんは、端田さんが言う「シンセイは日本のどこで買っても40円」に怪しがる。その様子に察してしまったが、朝鮮からの密航者と間違われてしまった様子。銭湯のシーンで警察官も言っていた。銭湯は密航者にとって、かっこうの衣服の取得場所だったのだろうなあ。銭湯から朝鮮語の名前が入った制服を記念に持ち出す北山さん。加藤さんが「けったクソ悪い、捨てろ」と言うのだが、京都弁がなんだか新鮮。朝鮮からの密航者二人はベトナム戦争送りを拒否して日本に密航、北山さんと端田さんの服を奪い、自分たちの衣服と取り替える。そして自分たちの服を着た北山さんと端田さんを殺して、自分たちの存在を失くしてしまおうと考えるが、フォークルの三人は何とか逃げる。しかし警察に捕まり、朝鮮からの密航者であるとして、大村収容所送り、そして日本海から本国に小船で流されて「さよなら日本」。着いたところは釜山港。三人が入れられるのはアメリカと韓国の旗が立った監獄。兵営でちょっと踊り、東支那海を渡って「さよなら韓国」。そしてサイゴン・米軍司令部で偉い人から指令をもらい、最前線で命を落とす・・・これでもしかして天国から帰ってくるという話し? と思えばさにあらず。色々シュールな展開。「帰って来たヨッパライ」はほとんど関係ないような。出だしでフォークルの三人のセリフが「帰って来たヨッパライ」風の声質になるが、それもちょっとだけ。それよりも劇中でも歌っている「イムジン河」の映画っぽい。終わってみると「みんな同じ人間。でも朝鮮の方がしっかりしてるでしょ」と思わされちゃったという印象が残る。公開時の同時上映が、これまた展開が読めない「進め!ジャガーズ 敵前上陸」。なんだか不条理映画特集みたいで面白い。密航者が上陸してくるという映画は、今ではめずらしいものだと思う。訳の分からない配慮や拉致といっしょで認めたがらない人も多いのだろうし。似たような顔をしながら世界が違うのは、ある意味デストピアやユートピアといった SF の世界にも思える。アジアだけではなく、アメリカでもヨーロッパでも人種と世界があること自体が SF っぽい。不思議な映画でした。


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