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イエスタデイ(Beatles) [DVDやら映画やら]

タイトルが最後に出るタイプ。原題がずばり "Beatles"。少年たちがバンドを組んでビートルズを目指す映画かと思ったが、音楽よりも青春メインの映画。登場する少年四人それぞれをビートルズのメンバーに当てはめていて、キムはポール、色男のグンナーはジョン、メガネのオラはリンゴ、父親のお土産がレコードのセブはジョージ。主人公キムの話しはニーナやアリシアとの恋のことがほとんどだが、それよりも他の三人の境遇がシリアスで興味深い。5時の夕食に遅れてセブを殴る父親がクレージー。女好きというより楽器が欲しいためだと思いたいグンナーのバイトは今では立派なセクハラ。時代はベトナム戦争。ノルウェーではアメリカの行為に対して抗議する若者が増えている。四人の兄貴分スティーグもその一人。ラストはその抗議の集大成。キムがブルースをやりたいと言ったとき、スティーグは「アメリカは500万人のベトナム人を~」と非難する。ただアメリカばかり悪く言うのもなんとも。いっしょに戦った国や相手の戦い方にてこずったことについても触れたらいいのに。グンナーが相手からプレゼントされるギターが Fender Mustang というのがなんだかリアル。Stratcaster や Telecaster は高価だろうし。劇中で登場するバンド「スノーフレークス」が手にしていたのが Fender Jazzmaster と Gretsch と Fender Precision Bass なのはさすがプロ。キムが手にしていたブルーのホローベースは Hofner だろうか。前半の少年・少女の恋の行き違いはよくありそうな話しだが、ライブをすることが決まってからは展開が早くなって面白い。ファーストライブでのトラブルとその原因が良い。これが上手にプレイできれば調子に乗るだろうし、悲惨な演奏ならそこで話しは終了しそう。同じ音楽でもキムが自分の思いを伝えるために選んだ音楽がビートルズではないところも面白い。原題は "Beatles" で、ビートルズにあこがれてビートルズ抜きの生活が考えられなかった少年が行きついた自己表現の音楽。そのシーンはファーストライブを十分に挽回するもの。抗議デモが重なるところも時代的で印象的。ラストでキムの座る机の隅に置いてあるかじったリンゴがまさにアップルレコード。最初と最後の作文シーンでのキムのモノローグから、もしかして全部夢とか彼の創作小説? もしかして映画「ザ・コミットメンツ(The Commitments)」パターン? と思ってしまったが、それはなさそう。セシリアの彼氏はおそらくあっちの方で、なかなかカミングアウトしずらい時代だったのだろう。屋根の上のシーンは映画「あの頃ペニー・レーンと」の雰囲気。時代的にはこっちが古そう。映画「さらば青春の光」でも高いところから飛び降りるシーンがあったし、みなさんそういうのが好きなのか? グンナーの若い方の彼女がかわいい。セブの相手がよくみるとけっこうかわいい。ノルウェー・オスロの青春映画。もうちょっとバンド風景が見たかったと思ったりする。


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