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地震列島 [DVDやら映画やら]

日本語字幕とコメンタリー付き。日本語字幕は漢字の名前を知ることができて助かる。出だしの縄ばしごで降りるシーンは本人か吹き替えか? それはコメンタリーで分かる。見事なまでの地震対策と不倫啓発映画。地震映画と大人の恋愛と家庭事情が紛れ込んでいるのが素晴らしい。地震だけでは映画にならないと考えたのだろうか。しかしそれが不倫愛とは大人の世界。チャプター4で登場する多岐川裕美さんがきれいすぎる。ラスト近くの顔が汚れるカットもシャワーシーンに見えてしまう。多岐川さんが登場すると架空の世界に見えてしまう。エッチ無しの心の不倫。一線を越えてませんなんてゲスな言い訳が失礼な純愛。二人で外出するときの多岐川さんの表情が何ともいじらしい。こんな不倫は良い不倫。多岐川さん演じる富子は陽一にライターをプレゼントするが、後々のライターの使い道が悲しい。映画の宣伝のカットも、多岐川さんが崩れた建物にしがみついているのが多かったような。このチャプター4、及び14での陽一のセリフが、この映画の目的のすべてを語っている。このチャプター4での大滝秀治さんの顔のつやがみずみずしい。予知会に進言してもらちがあかない陽一は、防災の一環として色々研究開発を続ける。地震の際の避難経路研究は素晴らしいとしても、「燃えない何とか」は考えつかなかった。学者さんだから研究資金国や寄付なんだろうが、そんな研究をして大丈夫なのか? 二人の不倫の間に入って何とかしようとするのが永島敏行さん演じるルポライター橋詰。幼なじみの富子に対する思いだけではなく、壊れたマンションを彼女の元まで行こうと行動する姿が素晴らしい。必死に助けようとする橋詰に向かってもうろうとした富ちゃんの口からもれる名前がせつなすぎる。橋詰が富ちゃんを奮い立たせようとかける「~のために」もちょっと切ない。ラジオの放送が途切れるのにいら立ってラジオ本体をぶち壊してしまうヒゲの人がひどい。ミニチュア特撮なのは分かってしまうが、炎に水に爆発と迫力いっぱい。上から人が落ちてくるのが怖い。羽田空港で飛行機に問題が無いのに関わらず、滑走路が波を打って飛行機を破壊させる様子は、埋め立てによる液状化?と思ったら、特典の中野監督インタビューでもそう語っていた。古い耐震基準での直下型とというのはほんとうにひどいことになりそう。オーディオコメンタリーに参加しながら、ほとんど忘れている勝野洋さんがお茶目。しかし、さすがに水攻めシーンの水の汚さは覚えていた様子。今日も水の中かと思いながら撮影に出かけたそう。このシーンでは松尾嘉代さんも大変な目にあっていたようだ。実際の地震で流れてくる水はドロや砂どころか、下水とかゴミとか色々混ざっているんだろうし、臭いもひどそう。ワンシーンしか登場しなかったが、気象庁の偉い人役の山崎努さんがかっこよかった。明日の事は考えない官僚たちの唯一の良心。関東大震災を予知した川津宗近さんがナゾ。研究所の壁にはその人らしい写真が飾られている。婿に入った妻の父らしいが、こんな堂々と言い切るんじゃ実在する人?と思ってしまう。純な不倫とはいえ、呼び鈴を鳴らしてドアを開けてもらった後、何も言わずに部屋に入る陽一の態度はいけないなあと思う。色々考え事をしているんだろうとは思いますけど。仕事場だろうか愛人の部屋だろうか、タバコをいきなり吸いだすのもご時世。しかも火は勝手に点けてくれる。陽一の保証人のような予知会丸茂教授に、総理大臣、嫁の母親といった老世代と、若い陽一の世代が対決する映画でもある。嫁の母親にいたっては孫にまで反抗させられるから世代の隔絶は広がるばかり。「仮に地震を予知できても止められない」にはそうだなあと納得する。極限状態の中、陽一に対する妻の感情の変化、それでも間際には富子を思い浮かべる陽一、そして大事な人の最期を感じてしまうなど、極限まで愛を忘れない人間たちでだった。面白かった。冷える。


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