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東京原発 TOKYO: LEVEL ONE [DVDやら映画やら]

現在の状況を的確に想定していた快作。東京に原発を建てるという都知事の決心は補助金以外に何かあるのか。いったい真意は何なのか。原発は石油や石炭とくらべて電気しか生み出さないというあたりまえの事実。普通なら真意が分かって感動のラストとなるところがまだまだ続く。「世間は忘れてしまう~」に説得力を持たせるための展開なのだろう。塩見三省さん演じるトラックドライバーや若い犯人のバッググラウンドは察してくれという感じで、深い説明がされていないが問題無し。おそらく当時の世相を知れば分かることだろう。原発を進める国側の人間が、益岡徹さん演じる松岡原子力安全委員しか登場しないところも面白い。松岡そのものが国。東京大学榎本教授の存在がこの映画の柱。彼が何も考えていなさそうな都庁の人々の質問に淡々と答えていく。段田さん演じる副知事以外、どうにも頼りない人々たちが核心を理解していくやり取りが痛快。説明する東大教授の目線もなんだか面白い。ほとんどが前、つまり映画を観ている側にむけられている。絶対安全ならなぜ東京に建てないのか。その裏は「絶対に安全ではないから」とか「万が一の際の被害の大きさ」があるのは明白。「絶対安全」なのになぜ? 「もんじゅ」の実体についても語られる。核のゴミはどうなるのか。Web ページを見るために「パソコンが遅い」というのが時代。最後の「この世に~」のセリフがかっこいい。ラストの雨が効果的。その中でジャンケンしている人たちは都知事の危惧そのものだろう。原発だけではなく、岸部さんの「関東大震災の~あるのかよ」というセリフも今となってはリアル。公開当時は炭鉱のカナリア的映画だったかもしれない。豪華な俳優陣。明瞭なセリフ。環境局長がかわいかった。面白かった。


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