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ダークレイン(Los Parecidos/The Similars) [DVDやら映画やら]

メキシコ映画だったのがうれしい。タイトルロールの自体とかの雰囲気、音楽が古めの映画っぽくて良い感じ。設定が 1968年だからだろう。ラジオが "NATIONAL" ブランドなのも素敵。最初はモノクロかと思ったが、モノクロにカラー着色したような風合いになる。正気になりかけたところでモノクロに、おかしい時は色付きなのかもしれない・・・と思ったがそうではなさそう。原題が「似ている者たち」とか「類似」といった意味。それに対して邦題は「ダークレイン」。まあ雨が関係しているようなのでまあ良いですけど。ただ DVD ジャケットの絵と映像がちょっと合わない。最初の内は大雨でバスが出発できないことで客たちが焦り気味になるのだが、だんだんウィルスか何かによる病気の発症でパニックとなる。しかし実際は何が起こっているのか? 深刻な様子なのだが、病気の症状を見ると絶対に笑ってしまうだろう。イグナシオが爆笑するのもしかたがない。意表を突かれた展開。チャプター7のあたりで不可解な現象のナゾがちょっと分かる。高いところから見ればみんな同じ。大魔神から見た人間みたいなものか。木を見て森を見ず。森を見ながら木を見ない。トワイライト・ゾーンやアウター・リミッツが好きな人には最高の映画。みんな顔は特殊メイクなんだろうか。まるっきり同じではなくて、タイトル通りあくまで「類似」。元の特徴が残っているところが面白い。「ボディ・スナッチャーズ」を思い出させるアレも登場する。ユリシスの件から考えると事件はずっと前から始まっていたのか。冒頭、シャーマンのおばあさんはユリシスに何かを感じ取っていたのか? ユリシスの電話をじゃまするように流れる音楽がグラインドハウス映画っぽい。イグナシオがバスの中で選ぶ本のタイトルが今後の不安をあおる。変な風になって不安を感じることがまだ正しいこと。治ってしまったことが普通になると、それは個性を失ったことになる。説明するシャーマンに「分かっているわ」と応えるイグナシオの母親の様子が面白い。「そのくらいとっくに分かっているわよ」という感じ。劇中で話されるトラテロルコは1968年のメキシコオリンピック前に警察・軍と学生たちが衝突した場所だった。不穏な空気の流れていた時代だったのかもしれない。イグナシオはトラテロルコにあるのだろうクリニックからの手紙を見て微笑む。そんなシーンが何回かある。最後にその手紙が大写しされるが、その訳文が出ていないのが残念。達筆すぎて "case nesesario" 「必要な場合は」しか分からない・・・。シャーマンはその病院を恐れていたようだし、その手紙にいちばん肝心なことが書かれているような気がする。そしてイグナシオが持っている本のタイトルに、この後の世界が悲惨になるだろうことが予想される。イグナシオのドヤ顔にちょっと腹が立つ。面白かった。晴れ。


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