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二つの真実、三つの嘘(PROXY) [DVDやら映画やら]

タイトルの感じがダリオ・アルジェントっぽい。アメリカっぽくない。役者さんたちも個性的で「アメリカン」という感じがしないところが面白い。スローモーションも効果的。特に非現実的に飛び散る血とか。エスターの子供の父親が出てこないと思ったら、精子バンクを利用した子供だと言う。これは恋人の登場でちょっとは納得する。それぞれの過去は描かれないので言葉から推測するしかないが、アニカはエスターのために罪を犯して刑務所に入っていた様子。それは何かは分からないが男がらみだと思う。診察の帰り道、エスターは暴漢に襲われ、子供を失い、入院も終わって部屋に戻れば唯一の身近な存在である魚も死んでいた。これは悲しい。そして子供を失くした人たちの支援団体で、子供を誘拐されたというメラニーに会う。ショッピングモールでエスターが見た「息子ペイトンがいなくなった!」と狂乱する母親。外に出た彼女は平然とした態度で息子を見つける。息子は「ママー!」と泣く。そして子供を失った女性たちの支援団体で出会ったメラニーの息子の名前がペイトン。遠目で顔の判別がつかなかったが、見返してみれば狂乱していたのがメラニーだったのか。メラニーの夫、パトリックはなんで猟銃を持っていったんだ?と思ったが、誰か侵入者がいたと考えたのかもしれない。原題は "PROXY"。「代理」とか人なら「代理人」。邦題はまったく違うが、「二つの真実、三つの嘘」とはそれぞれなんだったのか。嘘は「メラニーの息子が誘拐されたことと支援団体での行動」、「アニカの罪状」。もうひとつは「エスターの浮気」だろうか。メラニーが「次はあんたを殺すと言われた」と夫に答えたのもそうか。メラニーは嘘が多いので、彼女自身でひとつの嘘にした方が良いかも。公園でのメラニーは、エスターと会っていたときは嘘だが、息子の件の後は真実。メラニーの嘘が事件のきっかけを作り、その後で真実に気づく。しかし彼女は悲劇を背負った母や妻でありたく、「心配されたい病」だった。リーブストンに来たアニカがパーカーのフードを被る。その姿を見てハッとする。エスターは精子バンクと言っていたが、彼女が一人酒場にいるシーンを見るといつ子供ができてもおかしくない気もする。それを怒るとしたらあの人しかいない。もしかしてエスターが犯人に頼んだ? ベッドでの「頼まれたからやった」はそういうことだったのか。最後はせめて相打ちになってくれることを望むが真実を知るものはいなくなるだろう。メラニーは妄想していただけでそれは悪いことではない。彼女はラジオ番組に嘘の良い話しを投稿するような人。結局エスターの暴走が悪かったのか。警察的に悪いのはアニカくらい? いちばんかわいそうなのは息子のペイトン。シーンによっては台詞が少なくて音楽がじわじわと盛り上げる。一人の時に台詞が多かったら独り言だが、心の声も聞かれない。だから役者さんの行動や目線に注目する。叫び声が聞こえるドアからパトリックが出てくるシーン。これが分からなかった。彼の Tシャツの前が汚れていたように見えたのは影だったのか。エスターが口を大きく開けたときに見える詰め物の無い歯がすばらしい。面白かった。晴れ・雨。


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