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この子の七つのお祝いに [DVDやら映画やら]

松竹映画と角川事務所の提携作品。人形のような女の子。留守番しているのか。そこにやってくるのは岸田今日子さん。岸田さんが出るだけでミステリーの香りが漂ってくる。彼女は、バナナにハーシーチョコに森永キャラメルと、子供の好きそうなものばかり持ってくる。でもあまり幸せそうではない様子。そして年月が経ち、現在。殺人事件が起きる。それをさっそうと取材するのが根津甚八さん演じる若いルポライターかと思いきや、アクティブなのはベテランの杉浦直樹さん。でもちゃんと根津さんがメインになる。中原ひとみさんが見せる写真にぼうぜんとする根津さんだが、これは別な意味でぼうぜんとしたのかも。昔は年は若くても大人っぽく見えたものだが、この写真はちょっと辛いかも。雰囲気的に怪しい人はすぐピンとくるし、ひどいことをするに至ってしまった理由もすぐ分かる。それではあっさり過ぎると思ったら、もう一手間ありました。でも子供時分では分かるはずの無い事実。こうした場合、計画犯はあの人で、実行犯はこの人ということになるんだろうか。杉浦さんの展開も少し意外。アパートの雨戸の隙間から外を覗く岩下志麻さんの顔が怖い。これが冒頭の子供が覗いている姿と重なるわけだ。あとは人形も怖かった。金田一シリーズの横溝正史さん風な香りがすると思ったら、原作が横溝正史賞を受賞作でカドカワノベルスの本らしい。トリックは二つある。一つは凶器。最初の事件で使われたものはなんだったのか。残るは手型、指紋にしょうもん。しょうもんについて具体的な説明もある。岩下さんの店で杉浦さん、根津さんの三人が手形や指紋について話すところも、あとから考えるとなるほどなあと思ったりする。そうなると鑑識でもからんでくるのかと思いきや、警察はほとんど活躍しない。そうかといって探偵が出てくるわけでもない。探偵の代わりをしているのがルポライターたち。そのせいかちょっと地味な感じがする。カギを握るあの人による回想がいちばん盛り上がる。会津から戻ってきた杉浦さんがハードボイルド。彼の横分けスタイルが最高にかっこいい。今だと志賀廣太郎さんか。すべてを知ってしまった杉浦さんが求めたものはなんだったのか。根津さんに仕事を手伝わせなければ、すべては迷宮入りだったかもしれない。冒頭でやられてしまうのは、畑中葉子さん。そのやられ方からみてあきらかにエロス要員。恨みと愛と血の物語。若い小林稔侍さんやベテラン戸浦六宏さん、そしてなんといっても坂上二郎さんも見られる映画。けっこう重要な役だった。なにより怖い岩下さんと岸田さんを見る映画。特報の映像が映画の映像とはぜんぜん違った。晴れ。


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