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日本の悲劇 (2012年) [DVDやら映画やら]

白黒画面が続きますが 何十年前の「日本の悲劇」ではない。会社をリストラされ離婚して独り者で再就職できない息子。末期的な病気の父親。その父親が突然部屋に閉じこもる。引き戸に釘を打って(実際に釘を打っている場面はないが、音から想像する)開かないようにして部屋にこもり、「開けるな・声かけは朝だけ・返事をしなくなっても~」などと言う。食事もとらず、あきらかに死ぬ気です。亡くなった妻の遺影を見ながら、ただ過去を振り返る。おそらくは新しい職に就けない息子のために自分の年金だけでも与えられるようにと考えていただのだろう。ときおりかかってくる電話は役所の不在確認だろうか。息子でも出れば安心するのかもしれない。閉じこもってからの父親と息子のほんの少しの会話、それと並行して回想される過去が描かれる。特に3月11日のシーンは何とも言えない。こうした体験をした方がいたからこそのシーンだと思った。見ていてすぐに気が付くことは固定カメラのシーンが多いこと。部屋から食卓を映すカット、食卓から部屋を、部屋の中、そして廊下。それだから彼らの家に入って彼らのやりとりを直接見ているのか、それとも盗撮カメラ映像でも見させられているのか・・・なんだか現実感が強い。映画のコピーとかによれば「年金の不正受給にいたった経緯」について描いた映画です。息子さんももうちょっと何かをしたらなあ。タバコもがまんしたらと思うが嗜好品なのでしかたがない。心の病なのかもしれないなあ。酒好きで亭主関白な父の性格も好きにはなれない。すべては後の祭り感が強すぎ。いちばんの犠牲者はだれだったかといえば、母親と奥さん、そして子供。面接云々という息子のレジ袋はいったいなんだ? なんだか面接に行くという行為に満足している気がする。もしかしてパチンコにでも行くの? 辛い内容ですが、こうはなるまいと考えさせられる映画。戦争映画よりよほど現実で辛い世界。製作する側、参加する方たちの決意もすばらしい。ああ辛かった。晴れ・曇り・雪。


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