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ピエロがお前を嘲笑う(Who Am I - No System Is Safe) [DVDやら映画やら]

ドイツ映画。指名手配ハッカー、ベンヤミン・エンゲルの自白から始まる。応対するのはユーロポール捜査官ハンナ。"WHO AM I" というネット上のハンドル名を持つベンヤミンは、自分の生い立ちから話し始める。おばあちゃんのこと、周りから相手にされない、まるで透明人間な自分、コンピューターに夢中になるとか色々。この辺りからしてなにやらあやしい。地下鉄車内のようなシーンがよく出てくるが、これはネット空間を表現しているらしい。ディスプレイの文字や実際のチャットの様子を延々と見せられるより見た目が面白いし、何より退屈しない。社会奉仕活動でマックスと出会い、刺青シュテファン、デブのパウルと組むハッキング集団名はクレイ。ネットからの侵入に収まらす、建物に侵入してサーバー自体をハックする。この辺りはとても現実的な気がする。全部がネットから済ませるという設定はちょっと都合よすぎなので。スーパーハッカー MRX がネット界のヒーロー。ベンヤミンのヒーローでもある。誰もが彼に認められたいらしい。それはリーダーのマックスも同じなのだが、それにしても彼らは MRX を気にしすぎではないか? 我が道を進んでやりたいことをやればいいのに。彼らの仕事の最大の見返りはお金よりも賞賛なんだろうか。マックスのチョコドーナツの件は賛成できません。マリの友達が何かやりそうな感じがプンプンする。ベンヤミンは侵入した先でいったい何をしたのか? ロシアの "FR13NDS"と書いて「フレンズ」と読むハッキング集団は、セクデット+トウボート+クリプトン+誰なのか? それから MRX の正体は誰なのか? 証拠隠しにハードウェアを破壊するどころか、薬品で溶かしてしまうところが徹底している。しかし最後はちょっとずるい・・・と思った。人数とか説明が絶対無理そうなシーンもあったしなあ。しかしこれもハンナをだますためだけと考えればいいのか。角砂糖がハンナへの見せる最期のヒント。これで分かればハンナの IQ 高そう。結局ベンヤミンは何をしたかったのか。終わってみると、彼は人生を変えつつ透明人間のままでいたかったのかも。でも助かった理由のひとつが小物だということがちょっと悲しい。ユーロポールたちの目的は MRX なんだからしかたがないか。ベンヤミンの二つのラッキー。それは夜警やハンナに同情されたことだろう。その二つともユーロポールが関係すると思うと、ちょっと甘い組織ではないか。でも色々と緊迫されてくれて面白かった。最初にでかでかと SONY の名前が出るだけあって、ノートPC が VAIO だった。ちょっと暖かいがやっぱり冷える。


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鬼談百景 [DVDやら映画やら]

語りが「残穢」の私、竹内結子さん。所さんの科学の里とはぜんぜん違う。百物語のうちの十作で、「残穢」自体も百の内の一つらしい。「リング」とか「呪怨」とは違うホラー。ホラーというより「怪談」か。面白い。
追い越し:トンネル内駐停車禁止を守るのはえらい。結末は交通事故だったのかも。
影男:タイトルが良い。話しも恐いが、外を見ているだけの根岸季衣さんも恐い。音が異常に恐い。
尾けてくる:天気加減が恐い。あんなのを見てしまったら恐いしトラウマだろう。
一緒に見ていた:学校内。立っていた女性の死に様が恐い。ちゃんと人にぶつかるところが面白い。
赤い女:これも学校内から始まる。ハッピーバースデイは、「ハピバ」と言うのか。駆け引きの話し。音楽に叫び声がまじったら恐い。
空きチャンネル: やっぱり学校。ラジオでテレビを聴くなんて今では懐かしい話し。ラジオから流れる割れ気味の声が恐い。ラジオ版恐怖新聞ともいえるかも。
どこの子:夜の学校。そそくさと帰る先輩先生があやしい。置いてけぼりは恐い。黒い影が残穢っぽい。
続きをしよう:お墓で遊ぶとか、撮影してて祟られなかったんだろうか。「続きを~」と言っているのは誰なのか。集団心理の話しでもありそう。
どろぼう:主人公が安達裕美さんかと思った。「おめでた?」で「太っただけよ」。この会話がなんとも不自然。小橋めぐみさんがよかった。彼女も恐いが、周りの噂話しもまた恐い。
密閉:閉めたはずが・・・という話し。女優さんが部屋でダラッとする演技が普通っぽくて良い。別れた彼氏がバカっぽいせいか、最後の台詞になんだかスカッとしてしまう。
「こんな手紙が届いた」がくせになる。竹内さんの名調子。こんな話しを百も聞くと本当に何かありそう。音が恐い。音を小さくして見たいので字幕があったらうれしい。どれも恐かったが、「影男」がいちばん恐かった。あとは「どろぼう」と「続きをしよう」。これを見てから「残穢」を見ると。もっと面白かったかもしれない。寒い。


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残穢 -住んではいけない部屋-


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生物彗星 WoO 2 [DVDやら映画やら]

かわいそうにトラウマがたまる一方のアイ。
第3話 ヒーロー?誕生
近づいてくる人たち。こういうときは案外別な場所にいるかと思ったが・・・。綿引勝彦さん演じる源さん登場。ホームレスでもスーツを着ている六角精児さん登場。「俺たちの食いぶちだ」の後で犬の鳴き声がするのは気まずい。アイには学校で友達がイソギンチャク怪獣におそわれたときのことがトラウマになっている。意外なつながりで小太郎と会えた。小太郎が軽く話す源さんの過去がおそろしいほどシリアス。怪獣登場。もしかして WoO が怒ると居場所が分かって怪獣が降ってくるのか。WoO が人間型「アイ吉」になる。人型になったことではしゃぐが、闘い方が分からないのか試行錯誤。源さんはあれが最期だったのか。アイにはショック。回をとおして、少年ジュブナイル物としてはけっこう残酷な描写が多い。わざわざ描写があるということは、こういう表現、作品が作りたかったのだろうなあ。
第4話 WoO、死なないで
3話目と同じ服。喜多嶋舞さん登場。名前はマロウ。喋り方からして外人設定っぽい。服が腹巻に見える。人の好さそうなチンピラ成澤が山崎裕太さん。マロウのオカリナを直す WoO。アイを思いながら街を歩く憔悴した母親。家に戻れば食卓にアイの分まで用意する。アイの目の前で人が撃たれる。アイにはまたショック。クワガタみたいでベロが長い怪獣登場。最後は一人残されるアイ。全部自分のせいなのか。しかしアイ以外はとりあえずハッピーエンド。アイにとっては良いんだか悪いんだか。
ほのぼのとシリアスが混在する円谷作品。冷える・寒い。


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生物彗星 WoO 6
生物彗星 WoO 5
生物彗星 WoO 4
生物彗星 WoO 3
生物彗星 WoO 1


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生物彗星 WoO 1 [DVDやら映画やら]

原案「円谷英二、金城哲夫」にジンとくる。母娘・子供と大人・学校・友人関係・政治・社会等々、色々な問題を一人の少女に背負わせる。大変辛いストーリーではないか・・・谷村さんはよく頑張った。怪獣が登場するが名前が無い。タイトルロールやエンドクレジットを見ても出てこない。この辺りが意図的だとしたら、子供向けジュブナイルのようでありながらけっこう真剣だと思ったりする。
第1話 あいつが宇宙から落ちてきた!
お母さんがとよた真帆さんで娘が谷村美月さんとは美女な母子だが、けっこうなすれ違いで不仲。小太郎がアイにフィギュアを渡す場面で、これはテレビで見たなあと思い出す。葛城シオンこと黒谷友香さんが泣いている。美人は泣いてもなお美人。彼女と行方不明になった権田大尉と雑誌記者秋田の関係が分かる。アイが彗星のかけらを拾う。それをとろうとする男子生徒二人に腹が立つが、イソギンチャクみたいな怪獣が巻き起こす最後の展開はけっこうシリアス。
第2話 わたし殺される!
防衛隊本部の中が分かる。SUN らしいワークステーションを使っている。永倉泰三博士登場。塚本晋也さんが役にはまってます。シオンは元々永倉博士の下で働いていた。生物彗星とアイに何らかの関係があることが分かる。アイがテレビやビデオをハックする。リュックに変身する彗星。大人を信用しなくなるアイ。自分が生きていることを親にも知られてはならなくなったアイ。小太郎がバイトするコンビニを訪ねようとするが、防衛隊が見張っている。上から撮られた、街中をアイが走るシーンがかっこいい。彗星が自分の名前を携帯電話に表示する。その名は WoO = ウーだった。携帯の位置情報で場所が分かってしまう。捕まってしまうのか?・・・で続く。
寒い・冷える。

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生物彗星 WoO 6
生物彗星 WoO 5
生物彗星 WoO 4
生物彗星 WoO 3
生物彗星 WoO 2


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フリーキッチン [DVDやら映画やら]

幼少時の主人公ミツオが冷蔵庫の下を見て驚く様子を映しておいて、何も映さず、安心したと思ったら見せられてビビる。それ以来、冷蔵庫を開けるのがトラウマっぽい。初見の役者さんたちのせいか、普通の出来事に見えるのが怖い。ミツオのうつむき加減がすばらしい。お母さんの静かなサイコっぷり演技に感心する。ゲスな夫が連れてくる女性がけっこうきれい。ラスト近く、お母さんの倒れっぷりがすばらしい。前半、訪問販売の女性を部屋に入れたときのキッチンの壁の模様か油汚れが、血で汚れているように見えるのが普通の中の非常識という感じ。洗面所の鏡に映るカットもそう。ゲスな人たちがやられるところはそう快。なんといってもお母さん役の延増静美さんがすごい。コップの飲み物が非常に気になる。食事中だけでなくお風呂タイムでも口にする。あれはお母さんが何かを飲ませてるんだろうか。「タジン鍋にして正解ね」のシーンは、国によっては削除されたりして。味の分かるミツオがおそろしいが、普通に牛肉・豚肉・鶏肉を食べ分けている生活と紙一重。動物にもオカマさんがいるかもしれないし。倫理的には許されないことだが、食糧難の未来では必要な能力になりそう。人を云々で有名なのは「ソイレント・グリーン」ですが、違いはそれに至る過程だけで結果は同じ。知りたいのはお母さんが調理しようと至った経緯。後処理に困ったためかもしれないが、調理に至ってしまったスイッチは何だ。しかも息子に出すなんて。何かそそられる部位でもあったのか。そしてラストのカナとミツオの食卓。ミツオは満足しているんだろうか。カナとお母さんの共通点はやさしいことと絵をほめること。けっこうカナはお母さんに似ている気がする。料理も下手そうだし。繰り返しは続くんだろうか。あとからじんわりくる映画。冷える。


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嗤う分身(The Double) [DVDやら映画やら]

不条理物だろうか。ドストエフスキーの小説が原作らしいが、読んだことがない。通勤中に変な目に会う主人公サイモン・ジェームズ。通勤だが昼ではなさそう。そもそもが昼のシーンが無かったような。会社の中でも電車っぽい音がする。おそらく電車を降りたらすぐ会社。ハナが残したリクエストしたのがスキヤキソング。この他にもブルー・コメッツの曲もかかる。「大佐の会」でバンドが演奏する曲が英語ですけど日本のムード歌謡風味、というか日本が真似したのか。バンドのギターがGretsch、Burns、ベースは Framus っぽい。サイモンの会社に配属された新人はサイモンそっくりの男。でも性格はかなりちがう。分身というとたいがい本人のアレなんだろうなあと思う。その証拠を探すように注意深く見るが、バンソウコウを貼っていたくらい。シーンにいちいち意味があって、後に関係するのかなあと勘ぐったりする。気になったのはコピー。ダイヤルでコピー部数を選んで、ハナのコピーセンターで注文する。ハナの女上司は「一部コピーは受け付けない」と言う。普通は自分のデスクのプリンターで出力するらしい。新人が登場するのはこれが関係しているのか。この会社を経営する大佐は「仕事は人、人は仕事、働くのはただの人」と言う。もしかして会社の人々は大佐によってコピーされた者たちだったりして。受付にでサイモンに入館カードを持たせる黒人の受付も不思議。受付であり彼を追い出す警備員であり、病院では医者になっている。そこから考えると、もしかしてみんな分身を持っているのかもしれない。ハナにしても急にしゃべりだしたり、静かになったり。それは付き合っている人のせいに見えるが、本当は二人以上いる。メラニーもそう。ただお互いが顔を合わせるか否か。妄想というよりドッペルゲンガーが普通の世界。妄想ではつじつまが合わない。つじつまを求めることが意味のないことかもしれないが。それとも「他にもハナを思うがあまりに」とか「会社でのプレッシャーの強さに」現れた分身と考えるのが妥当か。坂本九さんやブルーコメッツの音楽がそのまま使われている。クレジットでは、永六輔さんが ROKOSUKE EI(ロコスケ エイ)になっていた。エンディングは英語でもないし何かなあと思ったら、おそらくコリアの歌。コリア語にもあまり聴こえない。英語曲を使わないのは、無国籍というか映画の舞台を特定させないためなんだろう。クレジットによると、「雨の赤坂」「スキヤキ(上を向いて歩こう)」「草原の輝き」「さよならのあとで」「ブルーシャトー」が使われていた。切羽詰ったサイモンの様子がすばらしかった。大佐が「ただの人」と言えば、サイモンは「特長があるのが良い」とか言う。モヤモヤするがあれこれ考えると楽しい映画。雪・寒い。


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地球でたったふたり(Two girls on the earth) [DVDやら映画やら]

悪い人たちに追われるというよくありそうな話し。どんな風に終わらせてくれるのか楽しみなところだが、けっこう意外な展開だった。親の再婚で姉妹になった妹ユイと姉アイ。二人は血のつながらない姉妹。ユイの母親もアレだが、アイの父親がまずかった。中学生になった二人は家を出る。そして色々と危ない目にあってしまう話し。なんだかんだと暴れる人たちに追われる姉妹。女学生3人にからまれたアイがやり返すシーンはかなりそう快。地下歩道でバーンやっちゃっても応援したくなる。菅田俊さんが良い男。人情第一のヤクザらしい。菜葉菜さんのダメ親ぶりが良い。ダメな母親なのででしょうが、なんだか魅力的。同じくダメな夫とは別れようとするし、実の娘ユイには一応やさしいので困る。忍成修吾さんがテレビでの悪役以上の悪役ぶり。菅田さんの弟分だが、ほとんど兄貴的な弓削智久さんが怖い。メイクなんでしょうが、ユイの頬のキズが痛々しい。実は本当の役者姉妹だったことにおどろく。どうりで苗字がどちらも寉岡。やられてしまう人たちが大事な人以外はそれなりに悪い奴らばかりなので、けっこうスカッとする。ユイはお嬢さんなので分かりますが、アイが言葉やガラは悪いけれど、注射とか売りとか、悪いことを知らないことに好感が持てる。いちばん描きたかったシーンは、後半、ビルに逃げ込む二人と周囲の人々の静けさではなかろうか。ここで二人は大事な決断をする。それは今まで一度もしてこなかったこと。最後に出ていたのはやっぱり菅原文太さんだったのか。面白かった。冷える・曇り・雪。


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獄門島 [DVDやら映画やら]

日本語字幕が付いているのがうれしい。東宝映画なので金田一は石坂浩二さん。相変わらず殺人を止めることができない金田一。彼は推理というより名解説者なのかも。別れのシーンで坂口良子さん演じるお七を見る金田一の顔が、なんだかホの字。坂口さんのよく動く顔演技は、最近だと清水富美加さんが近そう。「よし!分かった」でおなじみの加藤武さん演じる警部の間違いの認め方が潔い。妹たちが殺されるのはなぜなのか? それを金田一が明かしていくストーリー。「推理」というよりは怪奇話し。謎解きというよりは、ファミリーヒストリー怪奇版。田舎や貧富によるドロドロしたホラー的人間関係。それに見合った名女優さん。太地さんなんかも犯人なのかどうなのか、ミスリードさせる天才。司葉子さんが岸恵子さんに見えてしまった。力仕事は小林昭二さんが演じる竹蔵が担当する。東野英治郎さんの表情が大魔神。「自慰の楼閣~」という台詞がかっこいい。助清の「犬神家の一族」の水辺から出された二本足以来、ショックなシーンがつきものになってしまったようだが、この「獄門島」でももちろんありました。面白いのはナレーションではなく、楷書体の特大のテロップがその代わりをしているところ。今見ると庵野監督の演出っぽい。タイトルロールの大きな文字もそんな風で、古いながらも現代に近い感じがする。怖い話しなのに安心できるのはなぜだろう。変わらない空気の中で淡々と話しが進むせいかもしれない。時間も短く感じる。金田一の様式美。金田一シリーズはホラー版太宰治。没落していく一族の斜陽を楽しむ映画だった。晴れ・寒い。


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女王蜂
病院坂の首縊りの家
悪魔の手毬唄
八つ墓村
犬神の悪霊
金田一耕助の冒険


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赤々煉恋 [DVDやら映画やら]

団地とかマンションとか、高い建物が映ると、みんな自殺の名所に見える。見始めて土屋太鳳さん演じる主人公が「この人アレなんだなあ」と気づく。死後の世界は分からない。分からないからファンタジー。樹里がさまよい続けるのは神様の仕業か。虫男が見えることも彼女を苦しめる。なぜ自分のような人に出会わないのか。少し希望も見るが、その結果は無残なもので、罰は永遠に続くのか。そこから抜け出す方法はあるのか。しかし解決させるにはあまりにも残酷。本人はそのままだが、ミドリが清水富美加さんから吉田羊さんに代わってしまうことで、ずいぶんと年月が流れてしまったことが分かる。ミドリには子供もいる。樹里の母親を含め、残されたミドリに潤也はたしかに訳が分からないだろうなあ。樹里本人も分からなくなっている。自分が間違っていることすら分かっていない様子。そこから抜け出すのが物語。子役のリンゴちゃんの存在が大きい。この子だけは助かってほしいものです。このリンゴちゃんを見るための映画でもある。樹里の母親役の秋本奈緒美さんだが、ハッピバースデイを歌うときに、プロの片りんが見えてしまってうれしい。ちょうど中ほど、樹里が罪や神などについてモノローグするシーンが、バッハの曲のプロモーションビデオのよう。それに相反するのが、主題歌をバックにした言葉のないシーン。どちらも樹里の感情。それは「承」や「転」かもしれない。夕日のフェイドアウトがとてもきれいなラスト。でも見届けることしかできないという残酷さ。今とは違った清水さんを見られる映画。若いのだから当たり前ですけど。みなさん、土屋さんに呼ばれても知らないふりをする演技は難しいだろうなあ。見終わってから思ったが、行きついてしまう前にどこか退避できる場所があればいいんだろうなあ。頭を冷やすために。日本語字幕の他、英語歌詞の曲にも字幕が付くのが親切。エンドロールにも役名が載っている。監督自ら一部楽曲の訳詞をしているところも、音楽への熱意をうかがわせます。タイトルは「せきせきれんれん」と読む。赤々となりながら恋がれるものを煉る? 子供が夜泣きするのは、この映画のような理由だっりして。振り返ると父親の存在が希薄、というか無いところがまた面白い。冷える。晴れ。


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スティーブ・ジョブズ(STEVE JOBS) [DVDやら映画やら]

スティーブ・ジョブズさんの人間関係の話し。柱は娘との関係だろうか。そこに養子だったジョブズさんの心情と会社との関係。特にもう一人のスティーブであるスティーブ・ウォズニアック、アンディ・ハーツフィールドさん、元CEO のジョン・スカリー、そして彼らの間に入るように常にジョブズをサポートするジョアンナ・ホフマンさん。この映画のタイトルは「スティーブ・ジョブズ(STEVE JOBS)」だが、副題で「ジョアンナ・ホフマン(Joanna Hoffman)」と付けた方が良いほど、映画の中で彼女の存在が大きい。映画のストーリーだけを追っていっても、ホフマンさんがいなければ映画は10分で終わりそう。娘リサや社員たちと関係する場所にいつも彼女がいる。ラスト近くの彼女がジョブズさんにホの字だったとするような表現はどんなものか。それは彼の仕事ぶりに対してだろうが、ちょっとカン違いしてしまう。ジョブズさんに信念があったことは認めざるおえないとしても、彼はただ謝ることが嫌そうにも見える。とにかく言い負かす。人の意見に従うことが嫌い。彼にとって重要なのは歴史ではなくて、1時間前の事実。ウォズさんとの対話が好例。この映画は、1984年 の Macintosh 発表、1988年の Next Computer、最後は カラフルな iMac の 1998年。この大きな三つのイベントを中心に話しが進む。この中で彼が商業面も含む総合的な成功を収めたのは iMac だけ。「何事三度」。彼は毎回成功していたわけではなかった。しかしその間に培った "~ Rest of Us″というポリシーや、Next Step という OS の根幹が、新しい Apple で開花した。物語で言えば伏線みたいなものか。しかしジョブズさん本人は、Mac や Next が失敗作だと考えていたのだろうか。映画を見る限り、ホフマンさんや経営陣、批評家が話すのはほぼ一点。「価格が高い」ということ。ジョブズさんの偉いところは安売りしないところかも。スカリー CEO との回想シーンで「値段を下げれば・・・」なんて弱音っぽい言葉も出てきますけど。それでも安売りしないから高いブランド意識が保たれる。Apple にとってというより、会社が会社であるためには適正な値付けが必要なのは当たり前。Apple Store とか量販店とかで値引きをしないのもその表れ。Apple の業績は良くなったというが、それは高いものでも売れるから。Apple だけインフレ状態。デフレによる値下げの泥沼を遠くから見ている。ようやくジョブズさんの考えに評論家や消費者がついてきた。ジョブズさんは、値段は高いがそれ以上に素晴らしいというブランドイメージを与える天才だったのかも。そして罵倒してでもとにかく人にやらせる。だから常にリーダーでないといけない。上に立たないとやらせられないから。ウォズさんとは全く違うことがよく分かる。元 CEO のスカリーさんとの関係や、最初の Mac に "Hello" と言わせるトリックが面白かった。リサが腰に付けたカセットテープの Walkman。これを iPod がとって変わるのかと思うと、SONY がもうちょっと早く MP3 とかに着目していればなあと残念に思う。頭の固い人たちには、堂々と CD をリッピングする行為を宣言できなかったし、それが犯罪に思えたのかもしれない。一個人の映画を作るのにも、色々切り口があるのだなあと思った。晴れ。かなり冷える。


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バトル・オブ・シリコンバレー(Pirates of Silicon Valley)
Welcome to Macintosh(Welcome to Macintosh: The Documentary for the Rest of Us)


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パプーシャの黒い瞳(Papusza) [DVDやら映画やら]

1910年から始まる。モノクロ画面が印象的。コントラストの強いときはアニメーションにも見える。1971年。ある場所でブロニスワヴァ・ヴァイスと呼ばれた老女性。彼女はセレブっぽい女性によりそこから連れ出される。そしてなぜかヒゲもじゃの老人に怒鳴られる。なんだか怒られっぱなしで幸薄そう。そして始まる演奏は「パプーシャの歌」。パプーシャとは老女性の愛称のようだ。そして1949年、1925年などなど、時代を行き来しながら産まれてから老年までのパプーシャの人生が描かれる。書き文字を持たなかったジプシーの中で、パブーシャはあるきっかけから読み書きを覚える。彼女はたまたま目にした文字の何に惹かれたのだろうか。しかしジプシーの中でこの読み書きはご法度。文字のことをガジョと悪魔の呪文と言う母親。夫にも怒られる。後半でジプシー長老によっても語られる。差別されるジプシー、そのジプシーの中でも、はみ出てしまった人は遠慮なく叩かれる。息子タジャンにまで「いかれ女」とののしられるのは悲しいシーン。意外なのはディオニズが彼女をかばうところ。悲しいといえば、パプーシャが結婚にいたるシーンも辛い。しかし文字を知っているパプーシャだからこそ、戦争が始まったという新聞記事を読むことができたし、生き延びれた理由でもあったのではなかろうか。一時はパプーシャによって息子や夫、周りの人々に光がもたらせられるのだが、その後は目も当てられない。そんな詩人パプーシャの人生についての映画なのだが、ジプシーたちの生活する姿も見どころ。川辺での集団生活、フェスティバル、音楽にダンス。生計はジプシー・オーケストラ。政治とのかかわりを避け、自由に過ごし温暖な土地を目指して。しかし移動して勝手に土地に入ってくるせいか、その土地の人々からはいつもヤジを浴びせられる。「働け!」とヤジを飛ばされたり、市場でも罵倒される。店に入れば何かを盗むつもりかと言われ、酒場ではブタとか悪臭がするからと追い出される。警官たちからは許可の無い野営とか消火設備が無いとか散々文句をつけられる。そして「演奏にも許可がいるのか!」と嘆く。政治による「ジプシー定住化政策」など家は不要な彼らに受け入れられるはずがない。土地の人々から見ればジプシーはただじゃまな人々なのだるか。面白いのは、セレブなパーティの演奏に呼ばれたりするところ。富める者とそうでない者によっては、彼らに対する見方がちがうのかも。ジプシーにあこがれる者はどちらに属されるのか。上から目線のようで何だか複雑。ギターが何本か登場するが、主にフォークギターとかガットギタースタイルだが、遠目に左右に f ホールのついたセルマースタイルのギターが見えるシーンもあった。セルマーを真似たディマウロのギターといったところか。ジプシーの生き方にはあこがれるが、とても厳しい歴史があったのだなあと思わされる映画。パプーシャだけではなく、ポーランドのジプシーを描いた映画。「1971」とかテロップを見忘れると時系列がちょっと混乱してしまう。ジプシーの歌に字幕があるのでうれしい。イェジには最後まで面倒見ろよと言いたい。実話でなかったとしても面白い。晴れ・寒い。


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デトロイト・ロック・シティ(Detroit Rock City) [DVDやら映画やら]

1978年。アルバム Love Gun が出た頃の KISS。映画「抱きしめたい(I Wanna Hold Your Hand)」と似た感じ。彼らのコミックが出版されたりフィギュアが作られたり、レコードやライブを超えて、キャラクタービジネスも好調だった KISS。ついに映画もプロデュース。本人たちが登場するかどうかが楽しみなところですが、ラストはけっこう大満足。Lights Out や Iron Man とか70年代ロックがかかる。曲によっては権利の関係か歌はないけど。KISS ファンならずとも 70年代好きなら見て損なし。逃げるシーンでは Fox on the run とかがかかったりして面白い。ホークがもどすシーンが世界一。特典が色々あって楽しい。メイキングも面白いが、なんといってもミュージックビデオ。The Donas が ストラッターをやっているビデオも入っていた。Web の動画サイトで見たのはこれだったのか。女の子の名前が「ベス」なのは、もちろん KISS の曲のタイトルからだろう。ホークたちのバンドの名前は「ミステリー」。KISS とは関係なさそうだが、バンド名の S が、しっかり KISS の S の字体になっている。練習風景で使っている楽器は、トリップはブリッジ辺りがよく見えないが、MusicMaster か Fender Mustang、ホークは Les Paul Special 風なギターで、レックスは Fender Precision Bass。今考えると、チケットのために未成年があの仕事や売りをするとか、子供をおどすとか、あんまりな内容。その上、カーチェイスに恋に家族の確執に学校に教会に動物にギャングにエッチに葉っぱにロックンロールと全部ありな映画。キャスティング良し。ジャムと彼のママがよく似てる。プロデュースが KISS 本人たちなら、当然選曲にも関わっているだろう。後半の VAN HALEN は、ジーン・シモンズが発掘したつながりかも。Thin Lizzy の曲が他の方のカバーになっているのはなぜだろう。ラストのステージ、巨大なナマコかと思ったら、ジーン・シモンズの口の中から撮ったカットだった。面白かった。晴れ。


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