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スパルタの海 [DVDやら映画やら]

家にやってきた男たちに松本俊平が「お前らヨットだな」と言う。このスクールがすでに知れ渡っている時代。しかし本物のヨットがちょっとかわいそう。登場人物名のテロップで、いちいち「○○卒」とか学歴が含まれているのが面白い。テロップが本当なら、ヨットスクールには教育大学卒の人もいた。話しの軸になる生徒は、アッコこと沢明子とウルフと呼ばれる松本俊平。家庭内暴力でお札を燃やすアッコ。親が稼いだお金が汚いということでしょうか。店の酒瓶を割るのは商売の否定? 商売というシステムがきらいなのか、それとも酒屋がきらいですか。家庭で母親をびしばしひっぱたく松本俊平。ヨットに連れていかれるときに「バアちゃん!」と泣きつく。親に助けを求めないところが何とも。看護婦の水谷コーチはアメとムチでいえばアメ。殺伐としたスクールの物語にとって重要な存在。新しい生徒の登場で、新たな非行原因が浮き上がる。岡村の場合は、評論家とかメディアの情報量過多。高松の場合は引きこもり。しかし彼の両親の様子や川西と水谷の話しどおりなら、校長ははめられたのかも。情緒障害の面倒を見きれなくて、戸塚に預ける。何度も触れられる「情緒障害」に「知恵遅れ」に「分裂病」等々の心の病。そうしたことが暴力の原因となったことが多々あったんだろうか。関係者も気にするように、確かに訓練で治されるような分野ではない。しかし心臓が止まって復活した俊平を、酸素と毛布を用意してさらにしごくというのはなんとも。単純に「ヨットを学ぶ」という意味では最高の学校かもなあ。履歴書に「~スクール卒」と書いてあると、見た人はどう思ったんだろう。生徒の父親である牟田悌三さんの目がすごい。校長の奥さんが苦情電話でまいってしまったとき、校長が迷うのを見て逆に励ますという展開が、まさにキツネにダマされたようで見事。実際にあったスクールの話しであり、良くない事件が起こったことも確かだが、それにしか頼れなかった人たちがいたことも事実だろう。支援者もいたようだし、DVD 特典の解説によると、スクール自体は、最初はスパルタでもなんでもなく、週末にヨットを教える程度だったらしい。生徒の中にいた問題児を更生させたのかきっかけで、だんだんそれ専門みたいになったようだ。映画としてじゅうぶん面白いが、事件によって上映禁止運動が起こるなら、いっそフィクションまじりではなくて、真実になぞったドキュメンタリー映画としたほうがよかったかも。でも伊東四朗さん他、みなさんの熱演が素晴らしい映画だった。おそらく撮影中は色々と悩まれたかもしれず、そうしたことが反映された結果なのか。雨、晴れ。


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