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ヴィタール [DVDやら映画やら]

記憶を失くした高木が解剖実習で扱ったご遺体が実は・・・という恐ろしい体験を軸に、高木と彼を取り巻く女性やら人々の話し。なんといっても二人の女優さん、涼子役の柄本奈美さんに郁美役の KIKI さんがすばらしい。特に郁美が警察署で待っているシーンが見事。怖い。涼子は踊ったりしてるだけでも良いです。高木本人の設定が、記憶を失くしてしまうというちょっと特殊といえる役。それに比べて、郁美の場合は、実在する人物に対しての裏切りや愛情、嫉妬という、そこらへんにあるような役であり、そのかっとうがとても身近に思え、感情移入しやすい。机上では自信満々な彼女でも、実習になると怖がってしまうというのもよくわかります。彼女の存在がなければ、ファンタジーな話しに終わってしまったかもしれない。涼子の父親、國村準さんの心変わりも注目すべき。主人公含め、振り回される学生たちをまとめる教授、岸部一徳さんの存在も大きい。こんなときに特に目立ったことができていないのが実の両親というのも面白い。音響や 4 本煙突とかが出てくるイメージシーンが素晴らしい。「海獣シアター」の「海獣」はクジラとか海の獣のことでしょうけど、水木しげるさんの「大海獣」も連想します。最初はホラー映画かと思って見て、二人の女優さんだけが頭に残り、結局訳が分からんかった。今見ても圧倒されるだけ。ふと思ったのは、記憶が失くしてしまった状態って、現実と幻想の区別がつかないのかということ。四六時中夢でも見ているような。なぜなら事実が分からないんでしょうから。だから高木は涼子を見たり会ったりするんではないかと思う。そんな脳ミソに現実が刻み込まれていくっていうのは、もしかしてけっこう痛いことではないんだろうか。晴れ。


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