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飢餓海峡 [DVDやら映画やら]

東映W一〇六方式とはなんでしょう。音楽が富田勲さん。オープニングで津軽海峡と青函連絡船が映ります。青函連絡船が無くなって久しいですけど、津軽海峡フェリーはまだまだ走ってます。青函トンネルができて、新幹線も走るようになって便利になりますけど、やっぱり車も楽しいです。話しの重要なきっかけが台風による連絡船事故ですが、これは実際にあった青函連絡船洞爺丸の事故が参考になっているんでしょうねえ。消防車が走るときの砂ぼこりがすごい。舗装されてない道路ですから仕方ないですけど、今見ると災害レベルのほこり。犯人を追い続ける函館警察の老刑事の執念。映画の最初の段階で、怪しそうな人は直ぐに分かってしまう。それだから、どうやってその男にたどり着くのか、そして怪しい奴が犯してしまった自分の罪に対する苦悩するところが見どころ。イタコシーンが怖い。イタコを見て怖がる怪しい奴は、怖がる分だけ普通の人なんだろうと思ってしまう。その怖さのあまり、ついつい女性としっぽりしてしまうのは、何だか分かる気もします。その老刑事と怪しい奴の話しの間をくっつけるのが左幸子さん演じるヤエ。左さんは、名が「幸」でも幸薄感が漂います。良い人なんですけど悲しい役が多そう。左さんは怪しい人に関わる物を大切に持っているのですが、それで感じてしまうとは、よほど惚れてしまったんだなあ。今だと DNA 的に決定的な物証になりそう。ヤエの幸運は女郎屋の親父が、わりと良い人だったことか。彼の証言は普通ですけどけっこう感動しました。刑事の想像シーンや回想、焦燥したり追い詰められたりすると、映像がネガっぽくなるのが面白い。これがけっこうインパクトあります。カラーだったら過去シーンを白黒とかにするんでしょうけど。左さんの飲み屋のランプが切れてしまうシーンの次がシンセイランプの看板とは、何か考えがあってのことでしょうか。怪しい奴はおそらく根っから悪い奴では無いでしょうが、並外れた腕力に頭が追いついていかなかったのかもしれないなあ。飲み屋の女将曰く、小川さんに引っかかると○○の毛まで抜かれるらしい。東京の警察署長が藤田進さんって東宝でなかったのかなあ。町田という悪い人が八名信夫さんとは驚いた。そして東京の刑事が伴淳三郎刑事とは対照的な若い高倉健さん。映画の中で網走刑務所のことが出てきますけど、出てきたのは健さんでしょと言いたくなります。発見された二人の遺体を見て「心中でしょうなあ」と言う刑事はアホだなあと思いました。けっこう長かった。約3時間。伴さん、三國さん、左さんの3人の物語と捜査の顛末を描くと、この長さになってしまったんでしょうねえ。怪しい奴が汽車の中で老婆にタバコをあげるシーンは、最初は気にならなかったんですが、最後になって分かった気がします。憎いところは、極貧の描写がなかったところ。刑事はあまりのひどさに「あんなところで育った人間は~」と口走りますが、それがどんな風景なのか出てこない。想像するしかありません。ラストはショックですが、実は・・・というトンデモな続編があったら面白い。何せ怪しい奴はすごい腕力の持ち主ですから。延々と映される海峡が印象的。面白かった。晴れ・雪。


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