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イグジステンス(eXistenZ) [DVDやら映画やら]

生体ゲームの世界。デヴィッド・クローネンバーグさんの手にかかると、ゲームのコントローラーもこうなってしまいますか。ちょっとは予想してましたけど。ケーブルも何だか腸みたい。身体にプラグを挿すソケットを付けるとか、ほんとにこんなゲームが出てくるのかもなあ。肉体も生体電気というのを持っているらしいから、充電とか電池不要のインターフェイスが出来たりして。そのソケットのことを、映画では「バイオポート」と言っています。面白いのは、普通のコンピューターでウィルスといえばプログラムを改ざんしたりするものですが、このゲームではまさにウィルス。それにかかることでゲームは死ぬし、それを挿している身体も悪くなる。バイオポートの穴あけ屋がウィレム・デフォーさん演じるガス。彼はアレグラの信者らしいが、ほんとうに大丈夫と疑いたくなるのはデフォーさんであるが故。ゲームデザイナーのアレグラが持っているバッグが、なぜかスキーブーツ。でもこれには防護的な意味があったんだなあ。なるほど。ジュード・ロウさん演じるテッドはゲーム発表会の警備員みたい。彼が着ている服が中国っぽくて面白い。そのテッドがアレグラと逃げて、彼女を守る話し。なぜ逃げるかというと、ゲーム反対派がゲームの開発を阻止しようテロ行為をしているためらしい。アレグラに打ち込まれた弾が「歯」で拳銃は「骨」、だから金属探知器にも引っかからなかったのか! なんて、予想はしてましたけど。アレグラに比べてテッドは保守派。身体にバイオポートを付けるなんて非常識と思っています。ピアスの穴を開けるなんてという感じでしょうか。ガスのところでアレグラが変な爬虫類を発見しますが、このあたりがポイントかも。「バイオポートは身体の奥まで穴を開けるのに、なんで感染しないのか?」と疑問を持つテッドに、口の中を見せるアレグラが面白い。口から身体の奥までつながってんのよという事でしょう。その他、ゲームに勝てる勝てないの話しで「ポーカーの考案者には勝てる」とか、彼女の言うことになるほどなあと思います。イアン・ホルムさんが懐かしい。エイリアンを思い出します。絶対なんかしそう。彼がゲームポッドについて語ってくれます。怪しいゲームポッドのブリスターパック。ほんとの商品みたいで手が込んでます。電池と思ったものはワセリンみたいだった。ゲームポッドの養殖・加工場、魚だか爬虫類だか何だか分からない突然変異な生き物、グロな中華料理、そしてそこで出来上がった物は一体? クローネンバーグさんらしいものがいっぱい出てきます。ラストが想像つきませんでしたが、あの変な生き物がいること自体、おかしかったのでした。サラ・ポーリーさんが出てた。面白かった。


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ノクターン/スージー・アンド・ザ・バンシーズ(Nocturne / Siouxsie & The Banshees) [DVDやら映画やら]

1983年のロイヤル・アルバート・ホール。同名ライブ LP は持っていたので、このライブが出たときはうれしかった。LP の曲が全部入ってるわけではないのが悲しい。「Dear Prudence」、「Paradise Place」、「Happy House」とかが入ってなくて、特に「Happy House」は入ってほしかった。ラストの曲順がけっこう違う。しかし動くスージー・アンド・ザ・バンシーズが見れることに価値あり。主に動いでいるのはスージーさんだけですが。久々に Web で知りましたが、けっこう前に BBC とかの CD+DVD も出ているらしい。ああ見たい。オープニングの春の嵐が良いです。白黒で映し出される客の様子は、ドキュメンタリー的資料感があります。初期パンクにニューウエーブ風、ハードコア、ゴシック、爺さん、それにもちろん普通の人、色々集まってます。バンドで注目は、なんといってもロバート・スミスさん。Ovation の Deacon でしょうか、使っているギターが良いです。このギターをこれだけたくさん使って見せてくれるのは、アバの人以外にはロバート・スミスさんだけかも。Ovation のエレキを使っている良いサンプルビデオでもありましょう。この他、名曲「Melt」では Fender の 12弦。最初は安いギターを気に入って使っていたが、「そんなんじゃレコーディングさせない」とプロデューサーに言われて、Fender Jazzmaster を買ってきたと本に書いてあった記憶があります。でも持っていた安いギターの PU をその Jazzmaster に付けたらしい。音優先のこだわりがありそうな人です。Ovation も「これがバンドに合ってる」と考えられた結果かも。ほとんど場所を動かず身体もあまり動かさず、淡々と弾きます。自分はサポートなのだと言わんばかりです。「Pulled to Bits」では 12 弦アコースティックギター。「Painted Bird」のサビのテーマとアルペジオの動静がかっこいい。ギタープレイと言うより曲の構成が良いのかもしれませんが。ギターソロらしいパートがありませんけど、そこもかっこいいんです。「Switch」のコードカッティングは、ディレイかと思ったらちゃんと手で弾いてたんだなあ。アンプは Roland の JC らしいのがちらっと見えました。「Sin in My Heart」でスージーさんが弾くのは、青いVox Teardrop。オープンチューニングになっているのか、人差し指一本で弾く姿が微笑ませしいです。彼女はでかい。しかも裸足。ハイヒールを履かなくてもでかい。オープニング、「Israel」のスティーブ・セベリンさんのベースにはワクワクします。彼は Wal のベース一本みたい。古くは The Who が挙げられますが、ポストパンク以降はベースの音がでかくなったような。Joy Division に The Jam、そしてスティーブ・セベリンさんも音がでかい。それにピック弾き。ピックで弾くんであれば、弦間はもっと狭くてもいいんだろうか。Fender の BassⅥ とかじゃほとんどギターですが、BassⅥ と普通のベースの中間くらいだとピック弾きもやりやすくなるんではないかなあ。全曲スタジオよりかっこいい。飾りの無いシンプルなステージですが、「Voodoo Dolly」ではライトとスモークが演奏を盛り上げます。「Spellbound」でのオールバックなスージーさんがゴスなインド人っぽい。でも「Happy House」が見たかった。晴れ・寒い。


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RAMONES / END OF THE CENTURY(End of the Century: The Story of the Ramones) [DVDやら映画やら]

昔、ポール・マッカートニーさんがポール・ラモーンと名乗っていたので「ラモーンズ」とは初めて知りました。最初はディーディーが名乗っていたんですね。聴き始めた頃は、みなさん兄弟・従妹なんだと、本気で思ってました。デボラ・ハリーさんが「CM で流れているギターは、みんなラモーンズ」言います。これは彼らの曲がそれだけキャッチーだということか。そして「彼らの音楽はロックンロールを救った」とも言う人もいます。ジョニー・ラモーンさんの話しを信用したら、トミーさんがいなければラモーンズは始まらなかった。そのトミーもドラムをろくに叩いたことがなかったというからすごい。でも後になってトミーに対する言いようがけっこうひどい。残ったラモーンたち3人だけでなくて、周囲の人までもが口にします。ラモーンズのスポークスマンまでしていたのにかなりかわいそう。でもトミーがいなくなった後の経験が、また彼を必要としてしまう。なんという皮肉。でも「要らない」と「戻ってきてほしい」を臆面もなく語るのが、男らしいのかビジネスライクなのか。結局ラモーンズというバンドが好きだったんだろうなあ。ストゥージーズのライブパフォーマンスがイカしてます。イギー・ポップさんのエビぞり具合が超人間。ニューヨーク・ドールズの黄色い Gibson Les Paul TV を構えたジョニー・サンダースの弾きっぷりがかっこいい。彼らの音楽がラモーン達には想像を超えたカッコよさだったんだなあ。ドールズに反し、ELP を例にして「ソロが長すぎて俺には10年かかっても無理だ~」と語るジョニーがかっこいい。今ではラモーンズがかっこいいと皆は言うんでしょう。歴史は新しいバンドで繰り返されます。初めての CBGB でのステージを「Wall of Noise」と呼ぶのがかっこいい。ラモーンたちがドールズ無き後のニューヨークのバンドシーンについて語ります。CBGB にバンドが集まり、トーキング・ヘッズは異質、テレヴィジョンは敵じゃない。ハートブレイカーズはジャンキーで先がない、最後にはラモーンズのライブが満杯になった。成功者だからできるドヤ話し。考えてみたらロックンロールなラモーンズがいちばんポップだったのかも。デボラ・ハリーさんはこれが言いたかったのか。MTV の80年代は嫌な時代だったと語る。彼らの他、大抵の人はそう語りそうですが、音楽以外の余計なことはしたくなかったのかも。でもあちこちでライブをするのは好きだった。ソニック・ユースの人がその様子を「ラモーンズは吟遊詩人」と呼んでいます。素晴らしい。古いビデオでベースのディーディーが、ダンエレクトロらしいショートスケールベースを使ってました。小さくでギターのようです。ジョニーのギターを低く構えたギタープレイ。彼の激しくストラムするピックを持つ手が、まるでアレをナニする様子に見えるせいで女性が興奮するのかも。特に横から見ると。ディーディーもすごいけど、ちょっとベースの位置が低すぎか。ラモーンズのアート・ディレクターが出てきますが、彼がラモーンズのロゴとか旗のマークを考えているのかなあ。ああかっこいい。イギリスのライブを成功させてアメリカに戻っても、誰も相手にしない。でもラモーンズがライブをした土地でバンドが出来てたなんて話しが素敵。南米でも大人気で、映画ラスト近くのスペイン語の人はアルゼンチンの番組で見たことがあるような。向こうでは「ラモネス」と言います。サッカースタジアムで大きなライブをしてアメリカに戻ったら、今度は小さなクラブばかり。このギャップが大きすぎ。開拓者は栄光に恵まれないと語るジョーイ。それは自分のポリシーを通してきた結果なんだろうなあ。セックス・ピストルズの登場がパンクのイメージを悪くしたというのが印象的。確かに唾を吐いたり、オエっともどしたり、破壊したりなんてのは、ラモーンズはしなかったか。厚底靴を「Platform Shoese」と呼んでました。エンドロールが面白かった。晴れ・雪・寒い。


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飢餓海峡 [DVDやら映画やら]

東映W一〇六方式とはなんでしょう。音楽が富田勲さん。オープニングで津軽海峡と青函連絡船が映ります。青函連絡船が無くなって久しいですけど、津軽海峡フェリーはまだまだ走ってます。青函トンネルができて、新幹線も走るようになって便利になりますけど、やっぱり車も楽しいです。話しの重要なきっかけが台風による連絡船事故ですが、これは実際にあった青函連絡船洞爺丸の事故が参考になっているんでしょうねえ。消防車が走るときの砂ぼこりがすごい。舗装されてない道路ですから仕方ないですけど、今見ると災害レベルのほこり。犯人を追い続ける函館警察の老刑事の執念。映画の最初の段階で、怪しそうな人は直ぐに分かってしまう。それだから、どうやってその男にたどり着くのか、そして怪しい奴が犯してしまった自分の罪に対する苦悩するところが見どころ。イタコシーンが怖い。イタコを見て怖がる怪しい奴は、怖がる分だけ普通の人なんだろうと思ってしまう。その怖さのあまり、ついつい女性としっぽりしてしまうのは、何だか分かる気もします。その老刑事と怪しい奴の話しの間をくっつけるのが左幸子さん演じるヤエ。左さんは、名が「幸」でも幸薄感が漂います。良い人なんですけど悲しい役が多そう。左さんは怪しい人に関わる物を大切に持っているのですが、それで感じてしまうとは、よほど惚れてしまったんだなあ。今だと DNA 的に決定的な物証になりそう。ヤエの幸運は女郎屋の親父が、わりと良い人だったことか。彼の証言は普通ですけどけっこう感動しました。刑事の想像シーンや回想、焦燥したり追い詰められたりすると、映像がネガっぽくなるのが面白い。これがけっこうインパクトあります。カラーだったら過去シーンを白黒とかにするんでしょうけど。左さんの飲み屋のランプが切れてしまうシーンの次がシンセイランプの看板とは、何か考えがあってのことでしょうか。怪しい奴はおそらく根っから悪い奴では無いでしょうが、並外れた腕力に頭が追いついていかなかったのかもしれないなあ。飲み屋の女将曰く、小川さんに引っかかると○○の毛まで抜かれるらしい。東京の警察署長が藤田進さんって東宝でなかったのかなあ。町田という悪い人が八名信夫さんとは驚いた。そして東京の刑事が伴淳三郎刑事とは対照的な若い高倉健さん。映画の中で網走刑務所のことが出てきますけど、出てきたのは健さんでしょと言いたくなります。発見された二人の遺体を見て「心中でしょうなあ」と言う刑事はアホだなあと思いました。けっこう長かった。約3時間。伴さん、三國さん、左さんの3人の物語と捜査の顛末を描くと、この長さになってしまったんでしょうねえ。怪しい奴が汽車の中で老婆にタバコをあげるシーンは、最初は気にならなかったんですが、最後になって分かった気がします。憎いところは、極貧の描写がなかったところ。刑事はあまりのひどさに「あんなところで育った人間は~」と口走りますが、それがどんな風景なのか出てこない。想像するしかありません。ラストはショックですが、実は・・・というトンデモな続編があったら面白い。何せ怪しい奴はすごい腕力の持ち主ですから。延々と映される海峡が印象的。面白かった。晴れ・雪。


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