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明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史 [DVDやら映画やら]

石井監督の実話路線第1弾。村瀬役の吉田輝雄さんの声が相変わらずかっこいい。これでもかというタイトルロールの文字フォントのおどろおどろしさが、悪いことしてますよという感じ。そのタイトルロールの間も、淡々と見せる映像が続きます。つかんだ襟元を話さない時間短縮技。吉田さんのモノローグが続くと「恐怖奇形人間」を思い出します。土方巽さんも出ているし。「東洋閣事件」で生卵を割るのは誰が考えたんかなあ。あのドロドロが痴情の情みたい。驚くべきは阿部定さん本人の登場、ってほんとに本人なんだろうか。「阿部定事件」に続く「象徴を切っちゃう」事件は、由利徹さんと大泉滉さんによる笑いの時間と言ったら失礼ですけど、おかしく見えてしまうので仕方ないです。これはストリップの合間の漫才みたいなものかも。「小平事件」は白黒。小池朝雄さんが一層極悪人に見えます。「日本暗殺秘録」とかカラーの中で白黒が混ざるのも、飽きなくて良いです。考えてみると戦時中・戦後が舞台のときは白黒なんだろうか。この小平事件は女犯罪史というよりは悪い男の話しっぽいです。見た目がいちばん怖いのは「高橋お伝」の最初の旦那さん。日野日出志さんのマンガみたいに怖い。主役のお伝を演じる由美てる子さんがめちゃくちゃダイナミック。さすがトリの事件の主役だけあります。お伝の周りの男が勝手にやり合っているだけじゃないかと思っていたら、やっぱりお伝もやっちゃうんですね。雪の刑場のセットが見事。過去の出来事を回想していくところは、「武士道残酷物語」に似ているかもしれない。「武士道残酷物語」では自殺未遂の女性の彼氏が、そしてこの映画では彼女を亡くした吉田輝雄さんが語り部となって進んでいきます。後に作られる「戦後猟奇犯罪史」が勢いあまってちょっと雑な感じがしますが、こちらはていねい。これも吉田さんのナレーションのせいかもしれない。実録物ではあっても、事実を知らない者にとってはどこまでほんとか分かりません。でも面白かった。晴れ・雪。


映画.com の紹介ページ
http://eiga.com/movie/41501/
GEOの紹介ページではアダルトだった・・・


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