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悪い種子(The Bad Seed) [DVDやら映画やら]

わがままでなんでも欲しがるローダの物語ですが、彼女は自分が正しいと思いこんでやりたい放題なだけなので、実際のところ母親の葛藤がメインだと思います。娘をかばおうとする母親の弱さと強さ。相談したいが旦那はいない。周りは何を言おうが、母親だからわかることもあるんですね。旦那さんがいないときの出来事というのがポイント。パパや大家ババには良い顔して、ママのクリスティーンにはわがまま放題。家庭におけるママの立場を完全になめてます。ちょっと形勢が不利になると、話しをそらしたり急に甘えてきたり、ママはきれいとほめちぎったり。子供をちょっとでも嫌いな大人は、覚悟して見ないといけません。ローダの「マミー、マミー、マァ~ミィー~」な甘え顔にこぶしが震えます。外面良くて内面が怖い女の子に腹が立つやら悲しいやら。大人だったら、すぐに手が出そうですが子供では虐待になってしまう。大家ババのおせっかい精神分析にもげんなり。この大家ババのローダほめちぎり状態もいかん。ただひとつの救いは、ラスト近くで、夫がクリスティーンに言う言葉でしょうか。前半に出てくるローダのタップができる靴とか、大家たちとの犯罪者についての会話とか、おおげさに演技をしているところは、あとで色々と関係してきそうです。そしてクリスティーンが父ケネスと話すところでタイトルの「The Bad Seed」の意味がわかってきます。自分が取材し発表した事件のことを忘れたなんていうケネスもあやしい。話しの筋から考えると、「悪い血筋」な雰囲気ですが、「悪い種子」という邦題が素敵。「Seed」をそのまま訳しただけかもしれませんが。暴力や血なまぐさい場面がないところも良いです。これは子供がそうするところを見せないという配慮かも。The End の後がすてき。何度も上演された舞台の感じがそのまま再現されている雰囲気。いちばん最後の演出は、少しでも軽い気持ちで帰ってもらおうということでしょうか。わざわざ「クライマックスが原作とちがいます~」云々とキャプションが出るのが観客にやさしい。昔から原作とちがうじゃないかとか言ってくる人がいたんかな。でもこの映画の終わりもすてきだと思います。母親役のナンシー・ケリーさんは台詞がいっぱいで大変だったんではないかなあ。それをこなすのが、舞台役者でつちかった技術ですか。わたなべまさこさんのマンガを思い出しました。ああ怖かった。晴れ。


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