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顔のない眼(Les Yeux sans visage) [DVDやら映画やら]

1960年の白黒フランス映画。古い映画だけれども画質がわりと良い。1960年というと東宝のガス人間と同じ年。オープニングで車が走っている道は真っ暗の田舎道。外灯がまったく無い道路だけ見ていると、日本もヨーロッパも変わらなかったんだなあと思いました。しかし道路は同じでも車はかっこいい。車の名前は知らないですが。墓地のシーンで、第三者が世間話しという体裁で登場人物のことを説明してくれるのがうれしい。音楽が良いです。女性が付けている白いマスクが良い。マスクをつけた顔は、生きた眼を持つマネキンのようです。白黒映画だからこそ映える怖さです。白っぽく見える襟を立てたガウンも特徴的。見かけの怖さに合わせて、モラルを外れ、間違った道に進んでいく博士の狂気を描いてます。博士の専門とか会場で発表する様子とかは、映画「私が、生きる肌」にちょっと似ているか。女性が言う、「せめて目が見えなければ・・・」には不謹慎とは分かっていますが、少し納得してしまう。男でも嫌になります。しかし、目が見えなかったとした場合、自分の目で確認できないもどかしさに気が狂ってしまいそう。単純な話しですが精神的にとても怖く感じます。檻に入れられたたくさんの犬たちは、いったい何なのだろうと思いましたが、手術実験のためだったんですね。手術中に博士にメスとかを渡す女性助手の目が意味深。手術の難しさを感じている反面、「もうやめろ」とでも訴えているように見えます。術後の女性の顔は、かしげた首元を含め、わたなべまさこさんが描くマンガの雰囲気。主役級の役でありながら、ほとんどマスクをつけた出演はどんな気分だったでしょう。怪物や伝説ではなく、医者の人間の所業によるホラーという点でめずらしー映画だったんではないか。曇り・雨。


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