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ガス人間第1号(The Human Vapor) [DVDやら映画やら]

愛してます、お金の援助もしてやるよという映画。でもそんな愛し方しかできない男が「ガス人間」ともなると話しの次元が違ってきます。キャシャーンが遺作となった三橋達也さんがガス人間を追う警部。タイトルロールでは三橋さんの名前がいちばん先に出るので、主人公は警部か。でも物語はガス人間の土屋嘉男さんと藤千代役の八千草薫が中心になって進みます。他のみなさんは踊らされているだけにすぎません。八千草さんの他の女性といえば女性記者役の方がいますが、八千草さんと並んで映るのは、今でいう公開何たら刑のようなもので酷というものです。しかし八千草さんをより引き立てるための適切な配役だったとも思えてしまいます。東宝特撮映画なのでガス人間の変身や活躍が見所なのは当たり前ですが、それよりもガス人間が記者たちに自分の成り立ちを淡々と説明するシーンにひきつけられます。抑揚の無い、世の中あきらめた・・・という感じの土屋さんの語りがいいです。特に「二万円~」の件とか。その語りの中で出てくるのが村上冬樹さん演じる博士。その博士なたたずまいがたまりません。博士の研究所にあるマシンには三本のケーブルが碍子で引き込まれてますので100V動作ではなさそうです。藤千代の舞台で日本舞踊「情鬼」を演じきる八千草さんの技量がすばらしい。真剣に舞う藤千代よりもガス人間見たさにやってきたギャングたちの間抜けさに笑う。舞踊が終わった後の左卜全さん演じる爺の表情が泣けます。ガス人間の最期の様子に、クローネンバーグさんの映画「ザ・フライ」のブランドル・フライの最期を思い出してしまった。舞や藤千代の舞台化粧姿は、海外の方も興味をひかれるんではないかなあ。愛してしまった相手が金に困っていなければ、道を踏み外すことはなかったかもしれない。でも彼自身、既に自分は人間ではないので、道など無いと考えていたのかもしれない。ああ、面白かった。東宝特撮といえば浅草東宝を思い出します。NHK の丹波哲郎さんの話しで、久しぶりに土屋嘉男さんの姿を見ました。ダンディでした。曇り・雨。


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