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トータル・リコール(Total Recall) [DVDやら映画やら]

1990年版ではなくて、コリン・ファレルさんがクエイドを演じる2012年版。記憶をなくしていた主人公クエイドが記憶を取り戻してさあ大変というストーリーは変わらず。シャロン・ストーンさんが演じていた役は、ケイト・ベッキンセールさんがやっていて、冒頭からクエイド相手に派手に夫婦ゲンカしてくれます。舞台は前作の火星ではなくて地球。地球の反対側同士に富裕層と下層コロニーがあって、その間をつなぐのは、地球の地核を突っ切るフォールと呼ばれるでっかいエレベーターという設定。こんなの初めて。街の雰囲気は暗くて、日本語とか多国語まじりの派手なネオンに酸性雨っぽい雨。ブレード・ランナーの雰囲気が更に進んだ世界という感じ。このままデッカードが出てもおかしくない。人間の中にはレプリカントも混じっていたりするのかなあ。この映画では、レプリカントではなくて、やせたスターウォーズの兵隊みたいなロボットがいっぱいでてきます。このロボットにはお腹が無いんですが、ロボットに胃袋は必要ないでしょうから、背骨代わりの丈夫なフレームがあれば良いだけなので、軽量化のためにもこのデザインは一理あるなあと思います。駅のような場面で登場する太目の婦人が、オリジナル版で出ていた顔がバラバラになる女の人に見えておかしい。カーアクションの代わりにホバー・カーアクションがあります。こんな車を運転した経験のある人はいないと思うので、磁力ドライブとかの設定が新鮮なアクションシーン。どうやって撮るんでしょう。鏡をタッチすると鍵みたいのが浮かんだり、フィルムみたいな発信機にホログラムとか色々最先端設定があるなか、ピアノや家具など、今と変わらないものが存在する世界がけっこう現実的だなあと思います。映画館では気がつきませんでしたが、ピアノは YAMAHA でした。クエイドがピアノを弾きだすのはちょっと唐突かもしれませんが、身体に染み付いた記憶なんでしょうねえ。人は誰でも記憶していて、問題は思い出し方なんだなあと勝手に思いました。もしかして夢は記憶。唐突であるはずの無い夢も、実際にあったことかもしれない。クエイドとメリーナ、ハリーの交渉場面は緊迫。記憶、夢、それに妄想って、並行世界設定よりも現実的でSFです。基本クエイドとベッキンセールさん演じるローリーの追いかけっこなんですが、一般人も巻き添えにしたり、やたら爆破したりできるローリーの権限が恐ろしい。ラストもけっこう怖い。ビル・ナイさんとベッキンセールさんが出てくると、「アンダーワールド」の別次元のようです。気がつくと、ほぼ2時間の映画で食事のシーンが出てこなかったような。みんな腹は減らんのか? フィリップ・K・ディックさん原作の小品がこうなるとはなあ。考えてみると、ディックさん原作の映画で長編だと、「ブレードランナー」と「スキャナー・ダークリー」くらいでしょうか。とにかく忙しい映画だった。面白かった。


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