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未知への飛行 -フェイル・セイフ-(Fail-Safe) [DVDやら映画やら]

冒頭の空軍准将ブラッキーが見る夢が不気味で怖い。荒い合成映像もそう感じさせる要因でしょうか。黒い部屋のようなところで苦しむ姿は、コックピットの中にいる彼を暗示したものなんでしょう。故障とかのトラブルの際は安全な方向に動かすことというのがフェイル・セイフ。この映画の場合は、トラブルがあっても目的を達成させるという意味合いが強いと思います。フェイル・セイフは機械的な構造はもちろん、システムや手順にも使われている。任務に関係する人々は、目的達成のために踏む手順を着々とこなしているだけ。たとえその命令が間違いによるものだったとしても従うだけ。なぜならそれが間違いだという根拠がないので。確実な任務遂行のためには、大統領や夫人の呼びかけにも応じない。それが偽装だと思うから。フェイル・セイフは必要だが、足りなかったのはその実行を止めるシステムがなかったことか。ヘンリー・フォンダさん演じるアメリカ大統領が、ロシア語通訳と一緒にモスクワと電話で交渉する。ひどく緊張して、自信が無さそうな様子の若い通訳者が、事が進んでいくにつれて段々と冷静になっていく。この辺りだけがうれしい。大統領に助言するため、識者たちが集まる。その中でも攻撃を止めろとか、これは陰謀だとか、専守防衛すべきとか話しがあがる。さらには、ウォルター・マッソーさん演じる教授が、「日本の真珠湾攻撃は~」とか「広島は~」とか言い出す始末。まあ、みなさん色々と意見があるから会議をするんですけど。でも誰が何を会議しようが結論を得ようが、それを伝達して止められないんです。一国の中でこうだから、大統領や司令室がモスクワに何を話しても一筋縄ではいかない。信用されていないから。何も手を打つことのできないまま、アメリカ大統領が下した結論がすごかった。これで五分五分よ、すまんかったねということか。誰が何をしようと止まらないシステムに対する皮肉たっぷりな映画。笑い無し。緊張感に子供が見たら泣くかも。状況は違うが、原発事故でベントすることに首を突っ込んだ首相を思い出す。2時間越えの面白い時間だった。雨降ったり止んだり。


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