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震える舌 [DVDやら映画やら]

ビデオか名画座で観たんではなかったか。破傷風との戦いを描いた作品。宗教と医療の違いはあれど、悪魔がのり移ったかのように身もだえしたり、悲鳴・叫んだりするシーンとかは、海外のエクソシスト映画に対する回答かもしれない。マサコちゃんはよくがんばりました。印象的なのは「乳歯?永久歯?」と医者が聞くところ。大変なのはわかるが、母親もう少ししっかりしてよと思う。しつけに厳しい父親と甘い母親の差か。今の時代なら逆かも。マサコちゃんの内科の主治医を演じるのが中野良子さん。その上司というか先生が宇野重吉さん。こんな病院があればかかりたいなんていうのは不謹慎。親たちのうろたえやダメになり方はオーバーすぎるかもしれないが、医者たちについては現実的かも。マサコちゃんの気道を確保するため、中野さんが外科医に気道切開をお願いするが、宇野先生の意見により、いざ手術というところで今度は中止をお願いする。このとき外科医が文句とか嫌味めいたことをいうのだが、これがちょっと嫌というか怖い。でも実際にありそうだし、女性に対する偏見もあったんでしょう。破傷風には光や音といった刺激に注意しなければならいようですが、そうであれば、小児の大部屋から離れた、もう少し静かな場所の部屋にしたらと思った。他所のお子様の行儀悪さによる刺激が何度かあったので。病気でいちばんたいへんなのは本人なのだが、この映画の目的は、患者を見守る夫婦の破綻を見せることでしょう。自分も同じ病気になってしまったのではないか、うつってしまったか、もうダメなんではないか・・・医者も信用できず、終いには母親にあんなことまで言うわ、するわ。中野先生ではなく、他の男性医者なら、病気よりもこの両親にさじを投げていたかもしれない。こわいのは病気だけではないと思った映画。タイトルロールでチェロ曲が流れます。音楽は藤原真理さんのようですが、映っているのも彼女なんだろうか。天気良い。


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処刑の島 [DVDやら映画やら]

面白かった。予告編によると主人公の新田昌さんは新人だったらしい。ぱっと見は丹波哲郎さんと川津祐介さんを足して2で割ったような人。復讐者の顔をしてます。現代劇で岩下志麻さんのセーター・ズボン姿もめずらしいんではないかなあ。昔、流刑の地だった離れ小島。主人公の新田昌さんはある男を捜しにやってきた。それは昔しこの島の感化院にいたころ、ある男から受けた仕打ちへの復讐のため。その男を探すまでに地元民に聞いたり指紋を調べたりする。その行動は地元民を不安にさせる。新田さんの行動は復讐だけ。それよりも複雑なのはおそらくその男。自分の心情を吐露しない男への興味が高まります。男本人が流刑人であり、二度と戻れることはないという思いで、日々生活しながらも死んでいるようなものだったのかもしれない。おそらく国に命じられ、自分の職業としてやったことだろうが、それがなぜか流刑の地へ。国によって陽のもとにいてはいけない人間となってしまった絶望が、過去の男の行動にいたらせたんでしょう。が・・・どんな事情があったにしろ、あんなことされては主人公も怒ります。ただ主人公はいったい結末をどこまで考えていたか。男を探し出してひれ伏せさせ、後は自分の考えるままに・・・といったところでこの結末。新田さんは男の娘、岩下さんの行動と言葉に昔の兄をみたんでしょう。それは回想されるシーンでも分かります。その結果があの行動になったとは。変わることない証拠をおさえておこう、そうとっさに思いついたんだろうか。この映画の面白いところは、八丈島ロケもあればセットと思われる撮影もありますが、なんだか舞台というか劇を見ているようなところ。役者さんたちの声・台詞が明瞭。聞き取れない言葉無し。ステージで喋っているようです。演劇を意識した映画なのかもなあ。面白かった。しかし、予告編は相変わらず良いところを惜しげもなく見せてます。ああもったいない。天気良い。


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みな殺しの霊歌 [DVDやら映画やら]

なぜかホラー映画の棚で見つけました。そこになければ借りなかったと思う。ほんとならアクションの棚か。陰のあるハルちゃんこと倍賞千恵子さんが良い。食堂で、若い店員の髪の毛を包丁で切る真似をするシーンがある。おどけた冗談のシーンですが、後からその包丁が意味するものが深そうだなあと思えてきます。連続した殺人事件の関係や理由が見えてきた刑事たちだが、それがなぜ殺人にいたらせるのかがわからない。逆ならわかるが。そこには佐藤允さん演じる川島の深い何かがあったんですねえ。この時代によくやったなあというストーリー。刑事はもちろん、おそらくやられる本人たちも、ほんとうに「何で?」という思いだろう。この理解されなさが製作者側の意図かもしれない。顔のアップのカットやその配置とかが印象的。古くて白黒だから良い映画とかは思いたくないが、なんだかメリハリがちがうというか、そんな気がします。ハルちゃんと川島が会う河原の雰囲気が良いです。おそらくセットでしょうが、街中との対照が二人の心を表現しているよう。やられる女性たちと川島がまぐわうシーンがあるので、もしかして菅井きんさんも?と考えたが、それはなかった。安心したというか残念というか。最後に残ったのが上品そうな奥さんで良かった。なぜならその旦那さんが出てきて話しに変化を与えてくれるので。おそらくこの奥さんは見ていただけなんだろな。でもかわいそうだが川島の前では同じこと。川島は今回の事件の前に何か過去があるようですが、その点については詳しく語られていない。ただ相手が女性であれば、やっぱりあっちの話しでもめたのかもしれない。大事なところで挿入される、ハミングかスキャットかわからないが、フランス映画のような歌がいい。カラー作品だと血の色とかけっこうきつかったかも。白黒作品でよかった。主人公はおそらく川島でしょうが、ハルちゃん、つまり倍賞千恵子さんが光る一作でありました。借りてよかった。面白かった。天気良い。


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ナイロビの蜂(The Constant Gardener) [DVDやら映画やら]

いきなりレイチェル・ワイズさん演じるテッサさんの事故があり、残された夫、ジャスティンが二人の出会いの回想する。彼は外交官でテッサは平和とか環境とかの活動家。性格は正反対のようです。ジャスティンはレイフ・ファインズさん。妻の遺体を確かめるシーンで現在と過去が交互する。この間約3、40分のフラッシュバック。二人が知り合ってから事故までの時間がスムースにわかりやすくまとめられてます。その中に事件と関係するものが示されたりしていることが後からわかったりする。その後も同僚のサンディが実は・・・とか、現地の医者アーノルドの恋人が実は・・・とか、徐々にわかってくることにゾクゾク、飽きさせません。特にジャスティンが、テッサとある男に深い関係があったこと知るところは、見てる方もがっかり。テッサ、あんたって女は人の良いジャスティンになんてことを・・・。誰が悪い奴か大体想定できます。ビル・ナイさんも演技がわかりやすい。面白いところは主人公がそれを探す過程でしょう。テッサの従兄(従弟?)にあたるハムが良い役。ジャスティンの唯一の味方。PCが得意なハムの息子も良い奴。PCの中からテッサのビデオを見つけたとき、子供に退席をうながして、ジャスティンを一人にさせるハムがいかしてます。この映画の中では唯一安心できるシーンかも。あとはインド系と思われる女性ギタさんが素敵。テッサが妊娠してお腹が大きくなるのはCGなんだろうか。すごく自然に見えました。原作を読んだことはないが、映画のように映像があると、アフリカの医療の現状や生活状態に強く目をひかれます。それも目的なんでしょうが、後半の部族による襲撃から子供と飛行機で逃げようとするくだりで切なくなります。ジャスティンの上司が彼に拳銃を渡す。その拳銃も最期の疑惑発覚のヒントになるとは、なるほどなあと思いました。原題は「忠実な庭師」とか「庭いじりばかりする人」とかいった意味なんでしょう。確かにジャスティンはそんな人です。言い換えれば「忠実な外交官」なんて皮肉だったりして。邦題は映画に出てくる会社名をもじっているんでしょうが、どちらかといえば邦題の方が興味をひきそう。陰謀ってこわい。面白かった。天気良い。


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実録三億円事件 時効成立 [DVDやら映画やら]

監督が石井輝男さんで、おまけに小川真由美さんまで出ているので、東映キワモノ映画なんでしょうが迷わず見た。金子信雄さん演じる刑事は、おそらく平塚さんをモデルにしているんでしょうが、強引な取調べはいかん。警察に文句を言いたかないですが、刑事の勘とかいって捕まえて、後は強引に自白を引き出すというのは理不尽。でもこの場合は犯人だからしょうがないか。岡田裕介さんは頼り無いのであっさり折れるかと思ったが、けっこう粘る。これも小川真由美さんの献身的なサポートがあってこそ。稼ぎが無い上に金を使い込んじゃう男を助けてしまう女性をつやっぽく演じています。時効が成立したのも90パーセント小川さんのおかげでしょう。でもこのストーリーだと結局儲けはぜんぜんなかったんですねえ。印象的なのは、味噌汁ぶっかけ飯。あまり好きな食べ方ではないが、アパートの台所で、犬、岡田さん、小川さんがみんなそれを食べている。人間二人は普通の茶碗で、犬はどんぶりみたいで、人間より多い。このとき、岡田さん・小川さんの二人を台所の窓の外から撮っているシーンがあるんですが、この雰囲気が良いです。立って茶碗を持っても、しゃがみこんでも、どんな格好をしてもつやっぽく見えてしまうのは小川さんの才能です。なぜそうなのか?と考えたら、やっぱり視線が上手いではないかなあ。岡田さんの犬のブリーダーで儲けようという設定は、ペットブームがあった時代なんでしょうか。あと馬主になってみたかったとか、動物好きというよりは単にギャンブル好き。どこが良いんだかわかりませんが、そんな男についていく女性を演じる小川さんが見事です。刑事のバディが、もしかしてご先祖かと思ってしまうくらい要さんに雰囲気が似ている。ああ面白かった。天気良い。


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PUSH 光と闇の能力者(PUSH) [DVDやら映画やら]

超能力者が逃げたり戦ったりする映画。ダコタ・ファニングさん観たさに借りた。彼女演じるキャシーは、未来を見れるウオッチャー。触ったり匂いをかいだりして情報を得るスニファー。触る方のスニファーは、何でも触るとややこしくなるので手袋をつけているんだろうなあ。いちばん怖いのはタイトルにもなっているプッシャーか。なんせじっと見つめて記憶を書き換えてしまうんですから。場所はチャイナタウンかと思ったら、ぜんぶ香港なんですねえ。どうにもならなくなった人が逃げ込む場所とか言われてます。スニファー、プッシャーとか色々な能力者が出てきますが、キャシーがいうようにカテゴライズは無限大なんでしょうねえ。キラ役のカミーラ・ベルさんの眉毛が素敵。この映画で知りましたが、ピンキー(Pinky)って「親指から最も遠い指」つまり「小指」のことなんですねえ。役名のピンキーがなぜそう呼ばれるかわかりました。エミリーはどこかで見たなあと思ったら、ERに出ていた人だ。戦いの山場は、ディビジョン対香港人ブリーダーとキラとニック。中国ならではのでっかい竹の足場がどーんと崩れるのは壮観です。だんだんと知らなかった力が目覚めてくるというのは、ヒーローものの定番ですが、ニックもその口で手ごわいムーバー相手に互角の戦い。しかしこの映画の見所は戦いよりも、どうやって目当てのものを手に入れるかというところ。考えて決定したら相手ウオッチャーに見抜かれるのでどうしようとか、あの手この手を考えるんですが、いくら偽ものとはいえ、アレを注射したらまずいんではないか。戦時中はアレを一気飲みして血圧を上げ、健診ではねられるようにしたとか聞いたことがあります。でもキラとニックの出会いとか、その辺からトリックがあったんでは?とか二転三転する展開が面白いです。見ながら置いてけぼり感があったので二回見てしまった。プッシャーという存在が正しいと思っていた話しをぶちこわしてしまうので、正解があって無いようなドラマかもしれません。キャシーが途中で予言された死に怯える胸中を吐露するのですが、この辺はちょっとダコタさんに似合わないような気がしました。まあそれも「普通の女の子なの」とかいうドラマ的な表現か。とにかく彼らは能力者なのだと理解してみれば、とても面白かった。天気良い。


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日本列島 [DVDやら映画やら]

宇野重吉さんがかっこいい。英語を話す役なんて珍しいんではないかなあ。話し方が息子さんっぽいときがある、というのは逆の話しか。彼はCIDというアメリカの組織で働いているが、彼自身アメリカ人にかなり因縁がある。それを抑えて普通に振舞っているところがハードボイルド。あと同僚の日系2世の方は、アメリカの肩を持つ有りがちな役かと思ったが、そうでもないので安心する。松本清張さんとかにありそうな戦後の怪しい事件に焦点を当てた話し。鈴木瑞穂さん(6月26日: 鈴木さんと思っていたら思い違いで滝沢修さんだった・・・)というとダークヒーロー倍賞千恵子さんにやられてしまう「霧の旗」の印象が強いんですが、この映画では良い刑事役。なんといっても圧巻は最期の芦川いづみさんです。予告編を見てもそのシーンがありました。それにしても、昔の予告編って、ネタバレすれすれというかしてるようなカットが多すぎと思いますねえ。大滝秀治さんがけっこう重要な役どころなんですが、もしかして台詞なかった? と見終わってから思いました。登戸研究所とか中野学校の名前が出てくるとわくわくします。ささっと老後の椎名次郎さんあたりが出てきて解決してもらえたらうれしい。捜査を進めていくうちに、過去の国鉄事件や、よくドラマになっているスチュワーデス殺し事件も絡んできたり、あばいてはまずいんじゃないかパターンになって暗部は大きくなるばかり。どんなラストになるのかと思いましたが、よくありそうな感じといえなくもない。しかし緊張感ある展開は見ごたえがあります。若い佐野浅夫さんが相変わらず人がよさそうでよかった。宇野重吉さんを堪能するために必要な一本。この音楽の感じは、と思ったらやっぱり伊福部明さんだった。雨、曇りで晴れでまた曇り。


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鬼畜 [DVDやら映画やら]

子役の三兄妹が見たくなって借りた。ちゃぶ台のご飯で遊ぶ次男が映される。映れば映るほど「やめとけよ~怒られんぞ~」と感情移入。遊ぶ次男を映す目線が、そのまま岩下志麻さん演じる奥さんのそれなのが怖い。その次男のご飯や醤油で遊ぶ姿がとても自然なところにグッときます。前の家や出かけた先にいる幸せそうな子供との対比にまたグッとくる。エレベーターに乗った緒形拳さんとヨッコの目が合うところにもグッときます。ヨッコはどことたずねる長男にまたグッときます。この長男がなかなか泣かんのがえらい。妹を探しに前に住んでいた家に向かう長男。その歩き方に涙腺が緩む。前の家の様子を見て何を感じ入るのかは、その表情から察するしかない。それは他の場面でもそうで、長男は自分の感情を口にしない。だけどその表情だけで分かる気がする。その表情で胸が熱くなる。最期、父親を前にした長男が言う言葉は、父親をかばっているのか、それとも絶縁宣言なのか。たぶん二度と会いたくなかったんだと思いたい。普段は短パンにタンクトップといういつも同じ格好。出かけるときはちょっとおめかしというところに、そんなもんだよなあと思う。嫌がる子供の口に無理やりご飯やパンを詰め込んだり、臭うと言って洗剤をかけたり、投げ飛ばしたりする大人の演技にもゾクゾクします。そうした芝居の後には「ごめんね~」とか、子役に優しく接したりなんてありそうですが、岩下さんや緒形さんはどうだったんでしょう。変な対応だと子供がトラウマになりそう。従業員の蟹江敬三さんは、具体的なことはわからなくても不穏な空気はじゅうぶん読めたはずだろうが、夫婦というか会社の上司に出しゃばるでもなく、当たり障りの無い振る舞いが実際にありそうで怖い。いったい小川真由美さんはどこに行ってしまったか。ある証拠から子供の身元が判明するのは、松本清張さんらしいところ。白黒映画ならどんな演技でも自然で重厚に感じてしまうことが多いけれど、カラーでこれだけ子役の表現力が前面に出た映画というのはめずらしかったんではないかなあ。「とうちゃん」「かあちゃん」という声が耳に残ります。長男がヨッコに会える可能性が残っていることだけが救い。この後日譚とかも見てみたい。この映画を感動巨編とよんだりするがそれはどうでしょうか。演技に感動するんであって、話しの内容には何ら共感できん。役者を見る映画であり、役者に感動する巨編なんでしょうねえ。感情が変化していく大人の演技は見事なものですが、この子供たちあっての映画。子役の地位はそう高くない時代だったんでしょうが、今であれば何らかの賞を与えられてしかるべきな働き。音楽も良いです。福井とか能登とかロケも多いです。今なら列車ももっと早いですねえ。子供が三人並んでブランコに乗っているDVDのジャケットにジンときてしまう。松本清張さんで子供といえば「影の車」も怖かった。そういえばあれも岩下志麻さんと小川真由美さんが出ていたような。子役に泣けてしまったら、雨も降った。


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渚にて(On the Beach) [DVDやら映画やら]

邦題が良いです。オープニング、場所はオーストラリア。ラジオから流れるニュースで、現状が天気予報のようにあっさりと説明される。そしてアンソニー・パーキンスさん演じるピーター少佐が「あれが来るときは家にいたい」と提督に訴える。みなさんこの世の終わりが確実に来ることを知っているんですねえ。そんな中でどう生きるか。博士役のフレッド・アステアが「時間が無いと価値観が変わる」と言う。人によってはそれも真理。物だけではなく、人間関係、そして愛情も変わりそう。もしかして熟年離婚というのも似たようなものかも。放射能で犯された星にウラニウムで航行する潜水艦というのは皮肉です。最期がわかってきたとき、潜水艦の乗員たちはアメリカへの帰国を決める。ドワイト艦長は帰国する/しないを乗員たちに委ねていたが、彼にとって帰国という決断は意外だったんではなかろうか。彼の表情はそんな感じだった。ドワイトは静かにモイラと終わりを迎えたかったんだろう。こんな時、軍人であることを捨てても良いのではと思うが、艦長になってしまったから仕方がないか。フレッド・アステアさん演じるジュリアン博士がフェラーリに乗ってレースに出ます。このレースがまたすごい。デスレース2000とか、そんな感じの事故ばかり。みなさん命を捨てるために出場しているよう。本作はジャンルだとSFのようだが、SF的テクノロジーが出てくるわけでない。このデスレースまがいのレースがSF的というかデストピア的。それと汚染状況を調査するための防護服姿。あとは博士のフェラーリが、今見ると未来っぽいかなあ。なぜだか艦長が言った「コーラ」が耳に残る。最初は文庫本で読んだけれど、それにもコーラが出てきたんではないかなあ。モールス信号調査の人が打鍵機を見つけたところはなんとも切ない。微笑ましいのは、提督とオズグットの年の差カップル誕生くらいか。タイトルロールの最後に軍とかへの感謝が述べられているが、潜水艦なんかは本物なんだろうなあ。張りぼてとかCGでない迫力が素敵。この映画を観ると映画「復活の日」や「世界大戦争」を思い出します。最期近くの音楽は静かで厳かな感じなのですが、ラストでジャーンと大きくなるのが、終末の終わりなんだと思わせます。ああ面白かった。天気良い。


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100年後...(Zombies) [DVDやら映画やら]

ロリ・ヒューイングさんとクロエ・モレッツさんを楽しみに借りたら、前に借りたことのある映画だった・・・が、なんだかんだ見てしまった。面白かった。クロエさんは何にでも興味津々のお子様役で、母親役のロリさんの「クソ野郎~(ass~)」なんて言葉にも敏感に反応します。このあと、たれ目のマスクで映画「キック・アス」に出るんだなあ。邦題が「100年後...」というのは、他の映画のもろパクリという感じがしますが、原題はシンプルに「Zombies」。昔、炭鉱で生き埋めになってしまった子供たちがゾンビみたいになって襲うという話しですが、ロリさんの亡くなった夫や娘たちの血縁云々の話しが出てきて、彼女たちがこの地に来たのも偶然ではない雰囲気満点ですが、おそらく偶然でしょう。この子供たちは夜しか出歩かないようで、色がいまいちはっきりしないが、黒っぽい服に黒目、青白い肌というところでしょうか。最初は亡霊とかかなあと思いましたが、動物をむさぼり食べたりするところを見ると、やっぱりゾンビとか実体のあるものなんでしょうねえ。ゾンビ、イマジナリー・フレンド、隠された歴史、暗い田舎、怪しい隣人とか、ホラー要素満載の普通なホラー映画。ロリさん、クロエさんのために見る映画。面白かった。曇り。


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未知への飛行 -フェイル・セイフ-(Fail-Safe) [DVDやら映画やら]

冒頭の空軍准将ブラッキーが見る夢が不気味で怖い。荒い合成映像もそう感じさせる要因でしょうか。黒い部屋のようなところで苦しむ姿は、コックピットの中にいる彼を暗示したものなんでしょう。故障とかのトラブルの際は安全な方向に動かすことというのがフェイル・セイフ。この映画の場合は、トラブルがあっても目的を達成させるという意味合いが強いと思います。フェイル・セイフは機械的な構造はもちろん、システムや手順にも使われている。任務に関係する人々は、目的達成のために踏む手順を着々とこなしているだけ。たとえその命令が間違いによるものだったとしても従うだけ。なぜならそれが間違いだという根拠がないので。確実な任務遂行のためには、大統領や夫人の呼びかけにも応じない。それが偽装だと思うから。フェイル・セイフは必要だが、足りなかったのはその実行を止めるシステムがなかったことか。ヘンリー・フォンダさん演じるアメリカ大統領が、ロシア語通訳と一緒にモスクワと電話で交渉する。ひどく緊張して、自信が無さそうな様子の若い通訳者が、事が進んでいくにつれて段々と冷静になっていく。この辺りだけがうれしい。大統領に助言するため、識者たちが集まる。その中でも攻撃を止めろとか、これは陰謀だとか、専守防衛すべきとか話しがあがる。さらには、ウォルター・マッソーさん演じる教授が、「日本の真珠湾攻撃は~」とか「広島は~」とか言い出す始末。まあ、みなさん色々と意見があるから会議をするんですけど。でも誰が何を会議しようが結論を得ようが、それを伝達して止められないんです。一国の中でこうだから、大統領や司令室がモスクワに何を話しても一筋縄ではいかない。信用されていないから。何も手を打つことのできないまま、アメリカ大統領が下した結論がすごかった。これで五分五分よ、すまんかったねということか。誰が何をしようと止まらないシステムに対する皮肉たっぷりな映画。笑い無し。緊張感に子供が見たら泣くかも。状況は違うが、原発事故でベントすることに首を突っ込んだ首相を思い出す。2時間越えの面白い時間だった。雨降ったり止んだり。


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渚にて(On the Beach)
博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(DR.STRANGELOVE Or:How I Learned To Stop Worrying And Love The Bomb)
世界大戦争


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アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~(Anvil! The Story of Anvil) [DVDやら映画やら]

最後はほとんど映画「スパイナル・タップ」のリアル版。「スパイナル・タップ」は1984年ごろの映画で、この映画冒頭の日本のフェスも1984年。アンヴィルのことをすでに予言していたのかも。カナダのテレビ番組で、普通の大人たちの前で女性司会者がアンヴィルの歌詞を読み上げる。この歌詞の内容に爆笑します。ギターの神、マイケル・シェンカーに昔しのことを一生懸命話す。その後のマイケルさんの反応がなんとも。ギャラをめぐってのオーナーとのいさかいに笑ってしまうが、しっかりしろよとも思ってしまう。ロードに出るんであればマネージャーの存在は必須そう。弁護士からは、アンヴィルというビッグネームにふさわしい会場でライブすべきだと言われる。激励しているようで嫌味とも受け取れます。アンヴィルが成功しなかった理由に、カナダという国を挙げる人がいたが、ラッシュとか、ニール・ヤングにアヴリル・ラヴィーン、オスカー・ピーターソン、ポップス王道ではセリーヌ・ディオンとか、すべての音楽ジャンルにカナダ出身の人は多い。メタルといえば、Metallica とか Iron Maiden とかがビッグネームと思いますが、彼らとの違いはなんなのか。曲が違うというとそれまでですが、案外本拠地の違いもあるんではないかなあ。アンヴィルだけではなく、80年代にレコードも出したが、今では名前も出ないようなバンドってけっこうある。こうした映画はそんなバンドのカンフル剤として作用するんでしょう。映画の最後は熱くなります。よかったねと思います。流行に流される世の中で、珍しさ+懐かしさで見に来る方もいらっしゃるんでしょうが、理解してくれるオーディエンスの前で演奏できることこそが、バンドやミュージシャンの喜びなんでしょうねえ。こんな「絶対あきらめない」、熱い物語がなんで PG12 なんかなあと思ったが、例の歌詞とか言葉使いとかユダヤさんの話しとかがまずかったからですか・・・。小さいスタジオで、1PUの赤いVシェイプのギターを弾いているシーンがあって、その音がけっこう好きだった。さすがプロです。Metal on Metal は名曲だなあ。なんだか E.F. Band の「ロックンロールの戦い」を聴きたくなった。あと Angel Witch とか。くもりで雨降るか。


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これは映画「スパイナル・タップ」
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