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日輪の遺産 [DVDやら映画やら]

麻生久美子さんが出ている。戦中・戦後日本の歴史を借りたファンタジーである。堺雅人さん演じる軍人・真柴たちに指令を出していたマント男は誰だったのか。中村獅童さんの若い望月と、八名信夫さん演じる金原(旧姓望月)が似ていてナイス配役。特に目のあたりが良い感じ。望月と久枝はかなりの年の差婚だろうなあと思ったが、年を取れば関係ないか。土屋太鳳さん演じるスーちゃんは軍人さんの娘。自分の身体の弱さを気にかけている真面目な女子。ユースケ・サンタマリアさんの野口先生が淡々としていて良い。彼は完全に左ではなさそうな平和主義者っぽい。ただそれが野口先生と彼の女生徒20人が任務に関わった理由でもありそう。極秘任務を受けた3人、真柴、望月、そして福士誠治さん演じる小泉の中で、もっとも傷ついたのは小泉だったか。マッカーサーを前にした最期が彼の背負った荷の重さをあらわしている。やり過ぎではないかと考えてしまうが、彼の後ろには女生徒たちがいたんだろう。任務完了・解散の日に、日本の行く末を野口先生と明るく語り合っただけになおさらか。この映画はファンタジー、ぶっちゃけトンデモ話し。彼らが隠す金品の出所もすごい。たしかに日本円を前借りと称して横取りしても、価値が下がる一方になるだろうから理にはかなっている。物語のクライマックスといえる、女生徒たちの行動は、おそらくスーちゃんの信念によるものだろうが、それを植えつけたのは軍人である親の背中であり大人。彼女たちの行動は、真柴たち3人、そして野口先生にも到底予想できなかっただろう。悲しすぎて、ここで物語が終わってもいい。戦後を後半とするなら、その山場は、洞窟でマッカーサーたちがある光景を見るシーン。しかしそれよりも、後半は関係者にマッカーサーを皮肉った歌を歌わせるためにあるようなものだ。それが女生徒たちが残した唯一意思といえるんでしょう。小泉がマッカーサーと話す英語がかっこいい。みなさん素晴らしい演技であるけれど、役者さんというより、スーちゃんの存在が心に残る映画でありました。観終わって考えると、スーちゃんを休ませる場所について話す、その何気なくて短いシーンが物語の分かれ目だったかもしれない。ああ悔やまれる。長いけど短く感じる映画だった。命令伝達のマント男の裏には何があったのか。それだけでもまたファンタジー映画ができそう。ああ面白かった。暑い。


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