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ミミック(MIMIC) [DVDやら映画やら]

初めて観たギレルモ・デル・トロ監督の映画。といっても、最初は監督のことなど気にならなかったが。ヒロインのミラ・ソルビーノさんがきれいで驚いた。これは原作があって、創元だったか、ハヤカワだったかで読んだ。映画原作の短編集で、どれも映画より面白かった。「ミミック」も短い作品だが、これが、壮大、かつ散らばらないまとまった映画になるってすごい。主体となる恐怖は「擬態」。形を変え潜んでいる恐怖。オープニングとともに、現況に至る経過を説明するスピード感も良い。時間を無駄にしていません。ゴキブリを壊滅するために作られた、寿命を持つ繁殖できない虫。繁殖できないはずが・・・と、大体分かってしまうが、それでも怖い。この「擬態」というのがポイントで、決してそっくりではないんです。遠目の立ち姿だと背の高い、背筋まっすぐの紳士っぽいですが、勇気を持って近づいて行けば、たぶんすぐ分かるんです。でも子供だろうが助かって欲しい人だろうが、容赦無しなところはやっぱりホラー。ゴキブリ退治のために放たれた虫は、いわゆる遺伝子操作で作られたわけで、当然この虫の開発に異を唱えた博士もいました。でも博士が虫を作った女博士に「~孫は生きている~」云々と語ることが秀逸。その虫のおかげで助かったんだから、愛情の前には倫理もあやふやになってしまう。うーん、考えさせられます。そもそものきっかけは、病気がゴキブリが媒体となって広まったことにありますが、それも現実にありそうで充分ホラー。地下鉄のホームで、擬態から変態して羽根を広げて襲い掛かるところのスピード感にはあっけにとられました。この映画ではスプーンをカチカチする少年が出てくるが、トロ監督の子役使いはほんとに上手。良い人を選んでます。この少年が静かにしなきゃいけないところで色々やらかすんですが、本人に悪気が無いこともあって、怒って良いんやらなんやら複雑な心境になるところが良い。この映画のあと「レリック」という映画があって、似たような語呂なのでパクリかいなと思いましたが、登場するクリーチャーがあまりに猫系動物っぽくて笑いました。トロ監督の創作メモやデザイン案は緻密らしいので、「ミミック」に出てくる虫も、細部まで検討していたんだろうなあ。楽しそう。面白かった。「ミミック2」は見たことあるが、「3」もあるとは知らなかった。


GEOの紹介ページ
http://rental.geo-online.co.jp/detail-20024.html

創元の「SF映画原作傑作選」。面白かった。これに「MIMIC」の原作が載ってた。
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