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ザ・フー:アメイジング・ジャーニー(Amazing Journey:The Story of the Who) [DVDやら映画やら]

THE WHO のレコードはよく聴いた。売っていなかった初期の「Quick One」や「Sell Out」はポリドールが廉価で再販したものを、「My Generation」はアメリカ盤を買った。しかし、動く彼らはウッドストックの映画か、「さらば青春の光」の中で、ジミーの家のテレビに映っていたレディ・ステディ・ゴー、映画「Tommy」くらい。ロジャー・ダルトリーに関して言えば、映画「レガシー」とか「マクヴィガー」とか。あとは「The Kids are Alright」のサントラ盤のブックレットや雑誌の写真で想像する。後になって手に入れた映画「The Kids~」のVHSテープで、彼らの全貌を初めて知ることができた。どんな発掘映像も、「The Kids~」を手に入れた当時ほどに心を動かしてはくれない。自分にとっては、「It's Hard」、「WHO's LAST」後の解散、もしくはキースがいなくなる前の「Who Are You」で THE WHO は終わった。今でも THE WHO は活動しているが、再結成のきっかけはジョン・エントウィッスルの浪費癖があったらしい。「The Kids~」とこの映画のちがいは、本人たちのインタビューの多さだろうか。「The Kids~」の場合は、どちらかというと彼らの歴史のコラージュというかピンナップ的なものか。この映画の内容は、彼らの映像とインタビューを交互に並べたバンドストーリー。よく知られている映像も多いが、その中でも興味が沸くのは、四重人格ツアーでキースがライブ中に意識不明になってステージを降ろされるところか。薬物の過剰摂取が原因だが、この頃は他のメンバーも疲れていたよう。「Tommy」や「WHO'S NEXT」とか良いものを作りすぎたせいか。1968年はロックがビジネスになった年らしい。ロジャーがカールのかかった長髪に胸をはだけ出した頃で、ピートはつなぎを着はじめる。あきらかに以前のモッズでは無い。U2のエッジは、モンタレーのステージを「悪魔祓いの儀式」というが、良い表現かも。日本の女性アーティスト、つまりオノさんが自分の服を裂かせるパフォーマンス、ドイツの男性アーティストは刀でキャンパスを切り裂く、そしてピートはギターを壊す。彼のギター破壊は「芸術における破壊」というテーマの影響らしい。でもなんだか後付の理屈っぽい。単に不満の体現か、バンドが目立つためだと思うから。会場の天井が低くて、ギターがぶつかってしまい、腹が立ってそのまま壊したという記事も読んだことがあるような。大物になった人は、色々と説明を付けなければいけないから大変だ。映画の最後に、ロジャーがメンバー紹介するコンサート映像が入る。もちろんドラムはケニー・ジョーンズではなく、ザック・スターキー。ケニーのことを考えるとなんだかさみしい。キース・ムーンがいなくなった後、いちばん混沌としたであろう時期を共にして、バンドに合わないからとロジャーにクビにされたんじゃ、なんだかなあだよなあ。いつもなら振り向けばキースがいるところにケニーがいる、とか言われても困っちゃう。ケニーが入ってからのレコード「Face Dances」はけっこう好きだった。「It's Hard」はピートのソロにも聴こえるが、おそらくジャケットデザインが悪かった。THE WHO にしてはセンスが無さ過ぎた。でもその頃の曲は今でも演奏している。ピートにとっては印象的な時期のひとつだったろう。「(キースを失ったことによる)精神的な穴は埋められない」とインタビューに答えるケニーは大人だ。当時はいやな経験もしただろう。でもピートやロジャーにも同情せざる終えない。彼らはキースの死の前に何かできたはずだと考えている。とても大きな後悔だ。ノエル・ギャラガーがインタビューで登場しますが、彼を見るとなぜだかサンダーバードを思いだす。眉毛のせいだろうか。皮肉っぽいことを言うかなあと思ったら、そんなことはなかった。面白かった。


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