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はなれ瞽女おりん [DVDやら映画やら]

おりんさんは良い人である。演じるのは岩下志麻さん。入浴するところ、つまり服を着ていない場面があるが顔は映っておらず、おそらく別な人ではないだろうか。倫理・社会的に何か言われそうなことを映画にするには、ずいぶんと勇気が必要だったんではなかろうか。おりんさんについて歩く平太郎こと原田芳雄さん。この映画と似たような役を、たしか「修羅雪姫」でも演じていた覚えがあるが勘ちがいか。確かにアウトローな原田芳雄さんには憲兵とか警察とかいった役は似合わない。かといってもうちょっと力の強そうな役でもよかったんでないかな。特筆すべきは、今でこそ人情味の強そうな役が多い小林薫さんが、笑顔をひとつも見せない冷徹な役を演じているところか。まあ憲兵軍曹役なのでしゃあないですが。とはいっても、最初にこの映画を観たときは、小林薫さんのことを知りませんでしたが。岩下さんにとっては、善人で苦労する役というのはめずらしかったんではないか。この映画を支えているのは、瞽女さんたちのおかみ、奈良岡朋子さんである。彼女が瞽女さんたちに、その心構えや生き方を説くところは、そのままこの映画の趣旨を説明している。「おりん」が身の上話しを独白しながら進む映画に、奈良岡さんが必要な説明を付け加えている。彼女が話す、瞽女は仏さんに目を預かってもらっている云々とか阿弥陀経の話しには、彼女たちがいかに仏さんとか信仰をよりどころにしていたのか知らされる。幸あり悲ありの人生だが、最後の姿がおりんさんでないことを望みます。なんまいだ、座布団5枚だ、良い映画だった。


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http://rental.geo-online.co.jp/detail-90944.html


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