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 [DVDやら映画やら]

黒沢清監督のホラー映画は、飛行機がおちたり、街に誰もいなくなったり、スケールが大きいところも好き。俳優がいっぱい出てる。最初の赤いコートの女性がやられてしまうシーンが怖い。役所さんが台所でタバコを吸っている側にある鏡が怖い。その鏡に映る出来事が他とひとテンポ遅いところが怪しさ満点。パラサイトイブではミトコンドリアだった葉月里緒奈さんの目を閉じないところが怖い。彼女がフッと消えたりしないで、玄関から出て行くところもまた怖い。おまけに飛んだりするし。高いところから飛び降りるシーンが怖い。「回路」でも飛び降りシーンがあったなあ。映画の中の役所さんに対して、伊原剛志さんやオダギリさんに加瀬亮さんとかが、タメ口や上から目線的台詞なのが面白い。それも映画の異常性を表す手法のひとつなんかと勘ぐったりする。警察建物内の様子が、普通のお役所というか事務所的ではない、アメリカンというか、なんか異質な雰囲気。映画の中でも日本的、特に畳が出てこないのは、国際的な視点を狙ったものでしょうか。でも最後の春江さんの叫びがよくわからんかった。いい映画だった。


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この森で、天使はバスを降りた(The Spitfire Grill) [DVDやら映画やら]

電話のオペレーターが対応中だなあと観ていたら、鉄格子の引き戸が閉まる。ああ、そういう場所なのね。そんな出だしが良いです。彼女、パーシーさんは大きさの合わないバザーで手に入れたようなコートを着ている。廃れつつある田舎町が、よそ者のパーシーさんが入ってきたことで変わっていく。よくありそうな、しょく罪と再生の物語か。ハナさんが怪我をするのだが、そのときの足の曲がりようがすごい。バスは何かを運んでくる。最後に運んできたのは希望かもしれない。森の樹木を調べていたなぞの男は結局どうなってしまったか。森の男やらさいぎ心の塊であるネイハムさんやら、結局男が馬鹿だった。救いは保安官の中立さ、そしてジョーさんの純情さだったかもしれない。ジョーさんがパーシーさんに変なことをしていたら、話しは進まなかっただろう。映画というよりはテレビドラマっぽかった。といってもDVDで観ていることがテレビですが。


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トライアングル 殺人ループ地獄(Triangle) [DVDやら映画やら]

この女性は何でこんな目にあうのかなあと理由を考えたみたが、もしかすると悪いことをしたらこうなりますよ、というお話しかもしれない。彼女は既に亡くなっていて、つまりなんというか輪廻転生である。死んだら戻ってくるとジェスさんは気づく。彼女自身も戻ってくる。後半で甲板から落とされた彼女は死んでいなかった。だから時点が移ったのか。もしかすると海上をおそった暗雲や嵐が原因で彼らがループする時間に放り込まれたのか。漂流したジェスたちが乗り込んだ客船に誰もいないことも不思議です。その船の名前、アイオロス(エイオロス?)の云われも関係していそうだ。サリーが言うには、アイオロスは死神をだましたために苦行をしいられたとのこと。ジェスさんは誰かをだまし、裏切ったのか。それは彼女と子供の関係にもありそう。ジェスさんのおどおどしい態度や目の様子は、何かを感じ、わかっている様子。でもやっぱりこれは、彼女のしたことに対する報いが生んだ苦行だなあ。そんな映画だなあ。彼女が作業服にズタ袋のマスクをかぶることになるシーンには、少しばかしジンときた。ヴィクターさんのやられ方は、映画「ミッドナイト・エクスプレス」の看守のそれを思い出してぞっとした。ジェスさんは、「30デイズ・ナイト」の頃から、さらにスーパーアヒル口になった気がする。


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昆虫大戦争 [DVDやら映画やら]

虫虫虫の虫である。虫嫌い、特に虫のブーンといいた羽音が苦手な人には耐えられんかもしれない。外人俳優が出てきて吹き替えの日本語でしゃべる。小さいときは日本語がうまいなあと思ったもんです。今考えれば納谷悟朗さんなわけだが。スペクタクル映画としてのクライマックスは、川津祐介さん演じるジョージがゆかりさんをかばって、昆虫たちからの責め苦にあうところだろう。監督はこれをいちばん描きたかったのではないか。ゆかりこと新藤恵美さんの演技も必死であるし、襲われる川津祐介さんの苦悶もさすがといえる。こんな場面でNGも出せないだろうなあ。基本的にアメリカのエゴが冴え渡る作品。それと並行して語られるのはホロコーストの悲劇。自分がひどい目にあって誰も助けてくれなかったからみんなボコボコしてやる!というのは、黒沢清監督の「叫」か。ここで面白いのは、テロ女性が虫を操るのではないところか。彼女の薬は人間に虫たちの恐怖を植えつけること。そこで既に何らかの本能で人間たちに敵対しているだろう虫が現れて恐怖百倍。やり方は全く違いますが「アウターリミッツ」の「昆虫美人」を思い出します。異国ムード漂う作品で野山やセットの小屋での撮影が多く、日本らしさを感じるのは、船着場の場面くらいか。外人も多いし、吹き替えしたらタイ映画にもインドネシア映画にもなるでしょう。CGが無い世界。昆虫たちに荒らされた野原のセットはミニチュア。すばらしかったと思うのは特定の人たちだけだろうか。いい映画だった。


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妖怪大戦争(1968年) [DVDやら映画やら]

画質や色調、登場する妖怪たちのディテールがけっこう怖い。冒頭の油すましたちが立っているだけの様子だけでもなんだか怖い。特にはダイモンの顔のアップで充血している目。久しぶりのダイモンの眼はやっぱり怖い。これをでかい映画で観るとトラウマになるんではなかろうか。そういえばダイモンって、デーモンのことなんだろうか。今見ると、首から下はカラス天狗の雰囲気を真似ているのかなあと思う。頭はぬらりひょんを縦に伸ばしたみたい。彼の地元、バビロニアの遺跡発掘場面は完全に絵。絵を背景にして人が動いている。今見るととても味わい深い。東宝とか古い特撮でもよく見た光景。冒頭の釣りシーンでは、海の部分が合成ではめ込まれているのだろう。合成の不自然さが不気味さをかもし出してます。河童の身体がメイクされず、人肌のままだったりするのもご愛嬌(塗るのを忘れたか?)。和服姿のダイモンも手が人肌のままだとちょっとかっこ悪い。妖怪たちに助けをすがる子役の男女が、妖怪と競演できるのがうれしそうでほほえましい。あらためて観ると、油すましのかっこよさに惚れてしまう。当然吹き替えでしょうが、声が良い。台詞が歯切れ良し。そしてけっこう怖い顔してる。彼がダイモンに対して言う「見るからに悪党面や」の台詞につっこみたい、ああつっこみたい。この映画が親しまれるとしたら、その理由のひとつが大阪弁でないでしょうか。余計な伏線無しの、ただただ妖怪たちがダイモンに立ち向かう映画。面白かった。


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ヘルドライバー [DVDやら映画やら]

タイトル出るのが遅い!けど良い。なんだか前・後編という感じ。しいなえいひさん観たさだったが、キカ役の原裕美子さんの目・口・鼻・声の存在感がすごい。長い手足は、チェーンソーを振り回したり、ポールダンスっぽいアクションにとても映える。チ○カス野郎の台詞がグッジョブ。冒頭の父親シーンを考え付く監督がすごい。物語の始まりが夕張なのは、夕張映画祭を見据えたものか。ナチスマークに神風マーク、どこかの人には悪い旗に見える日章旗とか、右左の人々を刺激しそうなシンボル出し放題。個人的には花魁ゾンビが好きだ。屋台の主人と客のやり取りは、まちがいなく「ブレードランナー」のオマージュでしょう。手足がやたらあるゾンビには「東京残酷警察」にも出ていた囚人を思い出す。映像のぼやかし方(?)が質感を重くしているし、コマ送りっぽい映像やスローモーションがスピードを感じさせます。時折色味が昔の総天然色プロマイドになる場面も面白い。つきつめればゾンビハンターがゾンビをやっつけるだけの話しだから、映像で色々と工夫されているのかしら。自然ロケの中に挿入される、噴出する血を前後にした原さんのイメージシーンは、梶芽衣子さんの映画を思い出させる。最後には今や「昼顔」の工さんも出てくる。この人は「赤んぼう少女」とか「吸血少女対フランケン」とかにも出ていたなあ。名が知れてしまった今でも出てくれるんだろうか。彼が演じるハイパワーポリスは、「爆裂都市」のスーパーポリスに対するオマージュに思える。ゾンビが飛行機のように固まり、ミサイルを持って飛んでいくところはマグマ大使っぽい。 ゾンビハンターとなるキカの他、柳さん、久住さん、組長役の宮下さんの子分である駿河さん、後で加わる波岡さんとか、配役が良いです。宮下さんと駿河さんはちょっと残念でしたが。ゾンビ酒場の場面で流れる「○○を切りきざんで踏みつぶし~♪」って歌のメロディーが印象に残る。とにかく血ばかり。血がまさしく雨に見えてくる。現場に役者さん用のシャワーとかってあるんかな。自分には面白かった。


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南極料理人 [DVDやら映画やら]

標高の高さにおどろく。最高の高地トレーニングができそう。通信担当、盆さんの飯の上にのせるおかずの盛り方がすごい。タイチョーはよく食べ物をこぼす。見られながらのトイレの大きいほうがちょっとはずかしい。ナレーションを西村さんこと堺雅人さんがやっているのだが、意識したのであろう素人っぽいしゃべり方が良いです。役のこととはいえ、おにぎり作りもずいぶん上手になったんではないか。エビの話しがすぐ広まってエビフライになるのが面白い。極地でモチベーションを上げるのはまちがいなく食事だなと思う。西田尚美さんが子供を前おんぶしているのは、めったに見られないシーンだと思う。西村さんの着ている作業服みたいな海上保安庁の服がかっこいい。たぶん食としてのクライマックスは、足りない材料を工夫してタイチョーの好物を作り上げる話しだろう。それにこだわりはなくても、たまに食べたくなることってあるなあと思うので、タイチョーの気持ちは少しわかる。西村さんの娘、友花役の女の子のおっさん臭い演技がおかしい。なんだかんだいって父親に似たのだと思う。研究者や学者のように明確な目的があって着任した人いいとして、メーカーから命令で来た人には辛いんだろうなあと思いました。車メーカーから来た人が、大人のくせに「おはよう」を素直に言えないのはわかる。そんな人は確かにいる。オペレーターの清水さんがかわいかった。本さんの奥さんにもジンとくる。撮影は網走だったそうですが、裸で外に出たり寒かったことでしょう。ドキュメンタリーのドラマというのは、少しは刺激的・衝撃的な話しがないと間延びしてしまうが、あまりにフィクションだと白けてしまい、実際にあったとすると「あんたらいったい何てことやってたの」と言われる。だから人情や心情が中心になる。そうなると出来は役者さん次第。良い配役の良い映画でした。


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はなれ瞽女おりん [DVDやら映画やら]

おりんさんは良い人である。演じるのは岩下志麻さん。入浴するところ、つまり服を着ていない場面があるが顔は映っておらず、おそらく別な人ではないだろうか。倫理・社会的に何か言われそうなことを映画にするには、ずいぶんと勇気が必要だったんではなかろうか。おりんさんについて歩く平太郎こと原田芳雄さん。この映画と似たような役を、たしか「修羅雪姫」でも演じていた覚えがあるが勘ちがいか。確かにアウトローな原田芳雄さんには憲兵とか警察とかいった役は似合わない。かといってもうちょっと力の強そうな役でもよかったんでないかな。特筆すべきは、今でこそ人情味の強そうな役が多い小林薫さんが、笑顔をひとつも見せない冷徹な役を演じているところか。まあ憲兵軍曹役なのでしゃあないですが。とはいっても、最初にこの映画を観たときは、小林薫さんのことを知りませんでしたが。岩下さんにとっては、善人で苦労する役というのはめずらしかったんではないか。この映画を支えているのは、瞽女さんたちのおかみ、奈良岡朋子さんである。彼女が瞽女さんたちに、その心構えや生き方を説くところは、そのままこの映画の趣旨を説明している。「おりん」が身の上話しを独白しながら進む映画に、奈良岡さんが必要な説明を付け加えている。彼女が話す、瞽女は仏さんに目を預かってもらっている云々とか阿弥陀経の話しには、彼女たちがいかに仏さんとか信仰をよりどころにしていたのか知らされる。幸あり悲ありの人生だが、最後の姿がおりんさんでないことを望みます。なんまいだ、座布団5枚だ、良い映画だった。


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消されたヘッドライン(State of Play) [DVDやら映画やら]

記者カルさんを演じるロン毛のラッセル・クロウさんは、車に乗ってカーラジオを聴いているだけでかっこいい。政治スキャンダルの映画である。邦題に「ヘッドライン」とタイトルにあるので、新聞が関係することがすぐわかる。新聞といえば記者で、政治家も出てくるような映画では、たいがいにおいて政治家や議員が悪いのは目に見えている。しかもその役が有名俳優(ベン・アフレックさん)であればなおさらだ。ラッセル・クロウと、新聞のWeb版を担当する女性。Web版というのは、足で取材しないと思われているんだろうな。確かにニュースを机上で転載するだけの人もいるし。ほとんどの記事は裏づけを取らず、後で訂正したらいいという感じ。情報屋(たまたま情報を拾った人が住んでいる場所がひどい)がソーダをおごれと言って、ダイエットじゃないやつとわざわざ注文をつけるところとか、留守電を聴くために道路の真ん中で車を止めるとか、アメリカ人は自由だなあと思う。エディターのキャメロン(ヘレン・ミレンさん)が警察に言う、"Open your books to us" がいかす。彼女は "This is your home" と言って仕事をさせる。ブラックな社長なら言ってみたい言葉 No.1 だろう。そして記者カルさんの机には、"DON'T TRUST THE EDITOR"。馴れ合いじゃ記事は作れない。カルさんがインサイダーと市場で話している場面、周りの人々がみんなが敵みたいで緊張する。編集者キャメロン、記者デラ、議員の妻アン、他密告者やスパイとか、女性たちが要所で緊張感を与えてくれます。いちばん悲しかったのは、議員の妻、アンさんじゃなかろうか。そのアンさんには申し訳ないですか面白かった。


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スウィッチ(SWITCH) [DVDやら映画やら]

フランス映画。アパート交換の映画。見も知らない人とかと部屋を交換するとか、同居するシェアハウスとか利用する人の気が知れん。シェアハウスなんて絶対に犯罪の温床になると思うのだが。カナダから交換先のベネディクトの部屋に来たソフィーが、パリの街を自転車で走る。この場面は躍動感あふれる音楽をバックに素敵な映像になっている。女性を誘うときに、「名前は今度会うときに」などと男が言う。パリかっこいいなあ。男はゲスだったが。ベネディクトさんと間違われたソフィーさん。口の中をゴシゴシ DNAを採られるは、統合失調症やらファザコンは精神を病む傾向があるとか言われるわ、精神科の女性は彼女の話しに耳を貸さずにノートにいたずら書きしてるとか、散々である。そんなソフィーは、電話探知をされないように早く切る、警察をまいてとにかく逃げのびる、ベネディクトさんとの格闘、平凡だった彼女がレベルアップしていく。進んでいくと、ソフィーが巻き込まれた理由が分かっていくのだが、もうちょっとベネディクトさんがダークサイドに落ちるさまを描いてくれたら良かったかも。ソフィーと刑事の追いかけっこシーンで Go Pro っぽい映像が面白かった。雑貨店のパットがナイスガイ。こういう映画には彼みたいな人は定番。脚本は、「ヴィドック」の脚本や、小説「クリムゾン・リバー」を書いた人らしい。面白かった。


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バトル・フォレスト(Special Dispatch) [DVDやら映画やら]

DVDの予告編を見たら女優さんがきれいだったので借りてしまった。借りてみるとロシアの映画だった。ロシアがドイツから美術品を守る話し。熱でも出たせいか動けなくなったアーシャさんの胸や首にウオッカを手で塗り付けるところが、なるほどなあと思った。温めるとかヴェポラップ効果とかと同じなんではなかろうか。いざというときのために、ウオッカは一家に一本。考えると誰かに塗りたくなってくる。仲間と再会して終わりかと思ったが、子供が合流したり最初に出てきた人が現れたり、女刺客の登場とか楽しく続く。DVDのジャケットはドイツの方が大きく写っているが、実際の主役は左側の男女二人。女優さんがきれいなのはさすがロシアだなあと思いますが、シーバさんもマルコム・マクダウエルから90%くらい灰汁をとった感じで、けっこう良い感じの男優さん。ただ最も守ろうとしているものが、もともとドイツのものだったように思えてならないのは気のせいか。


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親鸞 白い道 [DVDやら映画やら]

三國連太郎さん原作/監督の映画。配役が豪華。使い方もワンショットだけのときもあって贅沢。豪華な役者がいつ出てくるか目が離せないせいもあってか、長尺でも眠らせない。射鹿役の泉谷しげるさんの演技がすばらしい。この頃は、夏木マリさんとデスパウダーを作っていたときだろうか。雪中の山越えシーンはほんとうに寒そう・冷たそうで役者さんたちは大変そう。そうかと思えば、おそらく CG というか特撮ではないだろう焼き討ちされた火中、さらには海・川中での演技。これまた大変だ。原野にある、朽ちて骨だけになった小屋で寝ている演技が楽そうに見える。こうしたことを強いてでも、この映画を作り上げたかった三國さんの覚悟の程が知れるというもの。彼自身は、顔を隠す宝来役で出演している。変わったところでは、人買い、阿藤太を演じるガッツ石松さんである。役のイメージにぴったりだし、長台詞もよくしゃべっている。ほんとは頭が良いんだろうなあ。親鸞こと善信が、きびしい身分制度や、腹黒く理不尽な旧態をとどめる仏教界の妨害を受けながらも信心修行する話し。しかしほんとにつらかったのはその裏で支える奥さん、恵信さんだろう。恵信さんが善信に何かを問いかけるが善信は何も応えない、そんな場面が多い。恵信さんはついていくだけである。あと、子供の己己を火葬しているときに、アイゴーと無く男がいた。隣国から流れてきた人だろうか。姥捨てされそうな盲目のお婆さんが善信の説法を聴いて、目の前が明るくなったようだと話すところで、うーんと考えこまされた。映画の冒頭の暗い絵図やグロな斬首シーンは、物語に引き込むには良い演出・構成ではなかったか。映画「地獄」3作(石井輝男監督・神代辰巳監督・中川信夫監督)や大映映画の「釈迦」に並ぶ宗教カルトちっくな映画だなあと思いました。


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