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櫂 [DVDやら映画やら]

波のマークの東映映画。女衒を仕事にする富田岩伍。女性で食べていることに責任があるのか、その親のところには米を持っていかせるとか、女性にはなんだかんだと律儀。「人助けだと思っている」とか「貧乏は人を腐らせる」とか、奥さんとか子供には「絶対ひもじい思いはさせない」とか言って、自分の仕事には誇りを持っている様子。その代わり奥さんの喜和には色々とまかっせきり。岩伍が買ってきた子供たちの世話もする。彼女は岩伍には仕事を辞めてほしいと思っている。その岩伍が、自分の興行で呼んだ女義太夫・トモキチとの間に出来た赤ん坊を連れて来てから話しが大きく展開する。その赤ちゃんを受け入れられない喜和の変化が見もの。これが母性ということか。買われてやって来た菊や、岩伍と女義太夫の子・綾子。彼女らが血のつながらない喜和を慕う姿にジワジワくる。特に綾子は本当の母親と思っているので笑顔がつらい。菊は岩伍に買われなければ、中国で薬の材料になっていたというのが恐い。なんて時代だと思いながら今の時代でも臓器売買があるらしい。その菊が初めて喜和を「お母ちゃん」と呼んで指をくわえると、その姿が大人の菊に変わるところがすばらしい。いわゆる「妾の子」である綾子を育てると喜和が決意した夜、その姿を目で追う菊の表情が秀逸。これが親離れの瞬間だろうか。それに代わって成長した綾子が登場する。駆けてくる姿が微笑ましい。トモキチ役の真行寺君枝さんは白粉をしてもきれいな顔。形がシャープなせいだろうか。船に乗っているときも横顔もすばらしい。その義太夫を聴いているお客さんたちの面白いのか面白くないのか分からない表情がまた面白い。その中で名取裕子さん演じるソメユウの視線だけがきつい。彼女は子供の頃、岩伍から芸者に斡旋された過去を持つ。今では岩伍を男として見ており、トモキチに女としての勘が働いたのだろう。子供の頃のソメユウを岩伍が値踏みする場面がちょっとすごい。今じゃやらせられないだろう。緒形拳さん対大物女優さんとのエッチシーンが多いところも見物。十朱幸代さん演じる喜和のエッチ。蚊帳越しでボカシ気味にするのと、なるべく胸の先っちょは見せないようにしている。トモキチとのエッチ。岩伍が身の上を語りながら胸をもんだりする。体勢とか色々エロいが、胸の先っちょが見えない展開。未亡人の白都真理さんとのエッチ。階段で太ももがあらわになる。やっぱり胸の先は見えない。色々考慮されているのでしょうか。この映画の中で最低な奴は息子の健太郎。落ちぶれた谷川たちに後々やられてしまえば良いと思ってしまう。緒形拳さんの色つきメガネがかっこいい。終わってしまえば、妻の意地の物語。そしておそらくは好きなんでしょうけど不器用な夫の話しでした。面白かった。もちろん高橋かおりさんが出ているので見たのだった。

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