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D坂の殺人事件 (1997) [DVDやら映画やら]

昭和金融恐慌の頃の話し。女装して仕事する絵師。ソバ打ちで旦那がソバ粉をこねているのを見て色々想像して悶々とする奥さん。カフェでは普通のマスターと女給さんが登場するが、レコードをかけることに情熱を見せるマスターもちょっと変な感じ。向かいの古書店では、女主人が店員からありゃりゃ・・・。しょっぱなからちょっとイっちゃってる人たちが登場。「D坂」なんて呼び方が洋食レストラン的でかっこいい。その D坂にある古書店で起こった女主人殺人事件。後半に入って彼女が女主人に納まるまでの過去が明かされるが、エッチなことをしてきたこと以外はあまり関係ない。明智と笠森判事の二人を横から撮ったり顔のアップなど、会話シーンがかっこいい。実相寺監督ならでは。嶋田久作さんと岸部一徳さん、二人のセリフの明瞭さも魅力。この映画の魅力は、真田広之さん演じる絵師、蕗屋の変態具合や吉行由実さん演じる縄好きの女主人のエロさにある。そして本来なら真田広之さんが明智で、嶋田さんが変態な人であるはずが逆という意外性。しかし最大の魅力は明智を手伝う小林少年の存在。後半、明智が事件に乗り出してから、突然現れる小林少年を演じているのが三輪ひとみさん。美少年というよりは絵にかいたような短髪の男の子。笠森判事が彼を見るときの表情が面白い。明智が彼を雇った経緯も何か色々とありそう。彼にとって小林少年は何かのサンプルのようにも見える。「犯人の気持ちが理解できる」と言う小林少年に反応する明智の様子が印象的。明智が蕗屋の変態具合を知っていたのか分からないが、変態さよりも小林少年が犯罪者に共感するところに何かを感じ取ったのでしょうが、それは恐れかうれしさか。小林少年は蕗屋の犯罪を際立たせるために登場したようなもの。童話のような少年探偵団の関係が思い切り大人な関係になってしまった。存在感たっぷりの寺田農さんは、映画に重厚さを出すための存在だったと言える。女主人が六平直政さんたちに絵を売っているときの背景も監督っぽくて面白い。エッチ度合いでは「屋根裏の散歩者(1992)」に譲りますが、吉行さんのエロさもすばらしい。原知佐子さんと監督が夫婦だったとは知らなかった。面白かった。

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