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ICHI [DVDやら映画やら]

座頭市の流れをくむ映画。タイトルロールのクレジットでも原作が「座頭市物語」になっている。まず印象に残るのはボロボロの服。綾瀬はるかさんにあんなボロを着せなくてもと思ったりする。最近の NHK の大河ファンタジーと変わらぬ姿がすばらしい。映像だけで市が離れゴゼになっていく様子が回想されるシーンがすばらしい。幼年の子役から少女の子役へ、そして大人の役者へと変わっていく流れが上手い。彼女の人生が分かるのはこのシーンだけ。市に剣を教えるおじさんが、本筋の「座頭市」だったりして。回想シーンで言葉が出るのは、暴力を振るった相手への懇願だけ。しかし男にやられたら出ていけなんて、死んでくれと言っているようなもの。ゴゼの掟はきびしい。初めての人に血におどろく表情がすばらしい。瀕死の市がフラッシュバックするのはなぜか十馬。手を合わせたときに何かを感じたのだろう。それが生きようとする力にもなっている様子。力なく挙げた手には十馬の手。おんぶされた市はうれしそう。離れゴゼになって会えなくなったおじさんを思い出しているのでしょうか。目が不自由な市には、手の感触や匂いがおじさんの思い出。十馬にそれを感じているのでしょうか。ああ涙。竹内力さんの「分かった!」の後で刀から手を放して両手を挙げる姿がかっこいい。万鬼と戦う時のキズが生々しいし、地面にドサッと投げだされるときの、「まるで物」といった様も痛々しい。市を助けに行った十馬は、自分のせいで彼女が万鬼のところに行ったという負い目か、それともホの字か。しかし悲しい理由があるにしろ、刀を抜けない十馬にイラっとすることがある。良い男なだけになおさら。信じていた窪塚さんがかわいそすぎる。話しの流れに、もしかしてラストは市の出番無し? と思ってしまう。見せ場の十馬対万鬼は、その前の市対万鬼にくらべて強そうに見えない。それだけ市の動きがシャープ。ラストで死んだ役の人はずーっと倒れていて大変だったろうなあ。最後の子供の表情がおかしい。そしておじさんが鈴をくれたように、市も小太郎に鈴を渡す。最後は「シェーン・カムバック!」を地で行く展開。綾瀬はるかさんの魅力は見た目やアクションにもあるが、セリフが明瞭なところではないだろうか。テレビでよくみられる快活な役の時はもちろん、この映画のように小さな声でも良く分かる。何度見ても面白かった。

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