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散歩する侵略者 [DVDやら映画やら]

富士山の松竹映画。日本語字幕というか日本語ガイドがうれしい。人の名前がよく分かるので。急に変なことを言い出す病かと思ったら、本当に宇宙人? 原作や原案がある映画ですが、淡々と容赦なく侵略されていく様は、黒沢監督の「回路」や「叫」の終末世界に通じるものがある。かわいそうでも立花あきらの最期がそう快。地球人目線だと唯一スカッとする場面。イメージされた概念を奪う侵略者。しかし人間から概念を奪うのはなぜなのか。それが彼らの役に立つものなのか。ただの学習? 全滅させるつもりならそんなもの不要だし、見ていると疑問を解決したいだけに思える。概念を奪う側よりも奪われた側の変化が面白い。「仕事」の概念を取ると「遊び」しか残らないのか。中には取られて良かったような人もいる。宇宙人たちは人間世界で行動するためにガイドが必要だが、そのガイドの心変わりも面白い。それがけっこう重要。彼らガイドが未来を握っているようなもの。ガイドとなった妻、鳴海と侵略者となった夫、真治の侵略前の生活が描かれていないが、最初の鳴海の様子を見るとけっこう不仲だったみたい。それが侵略者によってどう変わるのか。真治たち侵略者は、子供が問いかける「なぜ?どうして?」的に人間を追いつめるが、おそらく教会のあの人には根負けしたんだろうなあ。その人が真治に負けず劣らず異星人に見えてしまうのがおかしい。後は動物相手で困るところも面白い。言葉が通じないとダメだったか。もしかしてサファリパークに放り込んでおけば自滅したりして。侵略者たちは人間の身体を乗っ取っているようだが、ということは彼ら自身の姿がイメージで実体が無いのかも。こうした話しでいつも思うのは、実体の無さそうな意識がなぜ高度な文明を持つかということ。手先・指先があっての文明では無いのか? 彼らがなぜ無線機を作ったりできるのか。それは人の身体と知識をハックしているから? タコとかの宇宙人もそう。触角みたいな手で何を作れるだろうか。念動力で動かしたり曲げたりして作る? 色々考えると、何も持たなくても、人などの生物の意識だけを乗っ取ることができれば何でもできるということだろうなあ。カルトとか洗脳詐欺みたいに。エロくない長澤まさみさんもすばらしい映画。黒沢監督ゆかりの役者さんたちが登場するが、その中でも小泉今日子さんの登場が意外だった。「トウキョウソナタ」の黒沢映画でしょうか? 「首長竜」にも出ていたか。終わってみれば、いちばんのテーマは「愛を奪われた者はどうなるか」ではないかなあと思った。そして最後の真治はいったい誰になったのか。ああ面白かった。

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