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ディストピア パンドラの少女(THE GIRL WITH ALL THE GIFTS) [DVDやら映画やら]

ウィルスにより「ハングリーズ」というゾンビみたいになる人々が増えまくっている世界。ウィルスに感染していない人間は少数派。そのウィルスを受け継いだメラニーたち少年少女は研究のため基地に集められている。メラニーたちがゾンビみたいに人を襲って食べてしまうのはハングリーズとなった人々と同じ。人の臭いにがまんができないらしく、正常な人間たちは自分の臭いを嗅ぎつけられないように、ブロッカージェルという臭い消しを自分の肌に塗る。そこがなんだかリアル。腋臭とか臭いが強い人にとって、すぐに食べられてしまいそうでとても大変な世界かも。ハングリーズとちがってメラニーたちには知能があった。見かけや考える力は感染していない人と同じ様子。特にメラニーはかしこくて学習能力が高い少女。残された人々にとってメラニーは「パンドラの少女」。彼女はパンドラの箱の中で最後に残った希望。博士たちは、彼女たちの身体からウィルスに対抗できるものを得られるのではと考えている。メラニーは、冷たい博士や軍人たちとちがい、やさしい人権派的な教師ヘレンが大好き。この二人の互いに守る・守られる関係が軸になって話しが進む。ハングリーズたちの襲来を受けて基地を追われ、次の基地を目指してハングリーズがうじゃうじゃいる外の世界を歩いていくが、この辺りはゾンビ映画でよくありそうなサバイバルスリラー。軍人エディを先頭にメラニーを研究材料にしたくてしかたがない女博士、若い兵士、そしてヘレンたちは冷や冷やしながら進んだり立ち止まったするが、外のゾンビ物と違うのは彼らにはメラニーがいること。ハングリーズたちはメラニーを自分たちと同じだと思っているので何もしない。彼女は若い兵士の居場所も臭いで追いかけられる。ここまでくると人間と犬が合体してしまったよう。人間の能力をはるかに超えている。メラニーは免疫を作り出すための材料であるし、それが人間の未来のための「希望」。圧倒的な数の差ができたヘレンやメラニーたちに希望はあるのか? メラニーの希望はヘレンといること・教えてもらうことだろうけど、メラニーの他の者たちは何を考えているか分からない。ヘレンやメラニーたちとってベストなラストとなるのか否か。普通のゾンビ映画に見えながら、SF っぽくもある。ウィルスとか免疫とかが話題になる時点で、大抵のゾンビ映画は SF か。この世界が邦題の「ディストピア」であるかといえばそうではないような。主人公を誰にするかでずいぶんと見方が変わる・・・って、なんでもそうなのだった。ハッピーエンドに見える。しかしいくら子供たちに熱心なヘレンであっても、彼女目線なら囚人の世界。面白かった。


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