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サンタ・サングレ/聖なる血 (SANTA SANGRE) [DVDやら映画やら]

映画「エル・トポ」の監督作品。いきなり心を病んでそうな人が登場。場所は病院っぽい。作られた料理は食べずに生魚を丸かじり。彼の名はフェニックス。空を舞ってグリンコサーカスまでをふかんするシーンがすばらしい。何かと思ったらハヤブサ。ハヤブサの顔が人に見える。エジプトの神ホルスの顔がハヤブサなのも納得してしまう。フェニックスの母コンチャは、暴漢により腕を失った少女リリオを聖人とした教会を興すが取り壊される。「サンタ・サングレ」はその教会の名前でもある。コンチャもひどいが、夫オルゴのコンチャに対する反撃がまたひどい。聖人リリオの話しを知っていたからだろうか。目の前で起きたことのトラウマから抜け出せないフェニックス。彼は二人羽織のように母親の腕や手の代わりになる。母親であるコンチャが女性の死を望むのは聖女の血を集めるためなのか。カトリックの男から「聖なる血」ではなく「ペンキ」とバカにされていたし。そうかコンチャにとって淫らと思われる女性はみんな腕を失った聖女になるべき存在なのかもしれない。そして白く塗ることは純血に返す。印象に残るシーンの連続。スラム・歓楽のシーンはミュージカルっぽい。屋内のシーンは映画というより舞台を見ているみたい。フェニックスが透明人間になろうとするシーンが面白い。薬品を売っている路上のトレーラーショップがファンタジー。女レスラーシーンがシュール。このレスラーは実在する方なんだろうか。墓から這い出して来るシーンが怖い。ろうそくで飾られた聖女リリオの祭壇の前で消えるコンチャ。このシーンは幻想なのか。そうすると小さなアラジンも? だから墓に埋めるときはいつも一人だったのか? すべてが幻想であれば良いのだが現実なら辛い。ただの殺人鬼にともいえる。子供の頃と大人のフェニックスがよく似ていると思ったら監督の息子たち、つまり兄弟だった。アルマももうちょっと似せてほしかった。サーカスや民謡っぽい音楽も良かった。音を聴いているだけでも面白い。ボーナスの削除シーンが興味深い。映画の中で登場した刀についても言及されていて、黒澤映画への敬意だと説明されている。決して笑えない自分の家系について笑顔で話す監督がすごい。面白かった。


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