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黒い画集 ある遭難 [DVDやら映画やら]

モノクロ映画。日本語字幕がうれしい。登山で起きた遭難事故をめぐる話し。携帯電話がある現代では運よく電話をできたりするが、通信手段が何も無いころの山歩きを見ているとぞっとしてしまう。どちらかというと可能性による犯罪? どちらかというと後味が悪いかも。しかし土屋嘉男さんが謎に挑んでくれる役なのでうれしい。「休暇が取れた」と伊藤から言われた時に香川京子さんが見せる、よろこびで不信を隠す表情がなんともいい具合。児玉清さんは彼女の弟役だが、晩年の姿と比べると名前が無いと気が付かないかもしれない。淡々とじわじわ問い詰める土屋さんが痛快。土屋さんは事故のときに同行していた浦橋が雑誌に寄稿した登山記録を読み込んでいるようで、その内容を語りながら追い詰めていく。警察は登場しないが、その記事は警察でいえば供述調書。完璧主義のような犯人がよくそんな寄稿を許したなあ。おまけ良く書けてるとかホメてるし。開始早々のナレーションはその寄稿された記事を読み上げているという設定だろう。完遂できるとはいえない犯罪。もしかすると犯人にとって殺せるかどうかは二の次でおそらくひたすら痛めつけてやりたかっただけかもしれない。土屋さんの言う通り「可能性」あるのみ。だが最大の要因は浦橋の「岩瀬くーん」という呼び声かも。聞いているとだんだんイラっとしてくる。映画の半分はその登山の様子で占められている。その登山シーンを見ているだけでは、その登山に犯罪性があったのか分からない。香川さんが感じた疑問によって話しが動く。犯人を何の罪に問えるかといえば、監督責任くらい? 明確な犯人捜しよりも犯人と彼を疑うの者の会話や行動のスリルを楽しむ映画。そしてこんな登山をしたら疲れますよという教育にもなる映画。できればあの人はなんだかんだ理由をつけて助かってほしかった。ラストで報告を受けられれば香川さんも少しはスカッとするだろうし。面白かった。


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