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D坂の殺人事件 (2015) [DVDやら映画やら]

東栄館の押し入れでタバコをくゆらせ、「こんなつまらない世の中じゃ、いっそ・・・」と思っているのは高等遊民で名犯罪者の郷田三郎。彼と古書店の女性が話しの柱。この女性が酒井美紀さんとか高岡早妃さんに見えて誰だろうと思う。小型カメラ片手に探偵仕事をする文代さん役は大谷英子さん。たぶんイメージは彼女がいちばん原作に近いのかも。見た目も明治・昭和な感じがするし。浮気調査には慣れている文代さんだが、張り型を見つけてたじろぐ。「まだ新しい」と冷静に対応する明智さん。文代さんは張り型の他にも男性が覗きをしながら一人でハアハアしているところを見てしまったり、状況証拠だけではなくて、実際にしているところを見てしまったり、今までの浮気調査とは一線を画す体験だったにちがいない。あおい輝彦さんの映画「陰獣」でもサドマゾとか縄とかムチっぽいシーンはあったが、それとは違ってこちらモノクロというかセピアな色調、静かなこともあいまって、縛ることできる凹凸やしばった跡などがよりくっきり見えてけっこうエッチ。二人が縛って事を終えた後、一人部屋で枕相手に縛り方の勉強をする郷田がなんとも勤勉。木下ほうかさんの高速な腰パンパンにおどろく。犯罪について疑惑しかないとか、証拠がないとか、取り調べで分かるだろうとか、現在の司法ではちょっと相手にされない捜査。容疑者が応えなければ藪の中。なぜ積極的に捜査情報を一探偵に教えてなくてはならないのか。それは明智が世間的に知られているせいだろう。とりあえず明智一人に突っ走られて警察より先に解決されては困る。しかし証拠もないのに犯人だけ引き渡されてもいい迷惑。このあたりは浪越警部の明智に対する態度でも分かる。警部を演じる近藤芳正さんが上手い。それはこの次の「屋根裏の散歩者」でも同じ。しかも明智は探偵を職業にしているのに「探偵の真似事」をしていると言う。普通に「探偵です」と言わない。開業したばかりのせいなのか、元々の高等遊民ぶりが出てしまうのか、それとも職業上の話術なのか、どちらにしろちょっとムカッとくる。しかし本題はエロと猟奇なので問題無し。映画「失恋殺人」をはじめ、伊逹に女優さんを脱がせていない。次の「屋根裏の散歩者」で郷田が明智を恨むようになったのかよく分かる映画。晴れ。


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