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レッキング・クルー ~伝説のミュージシャンたち(The Wrecking Crew) [DVDやら映画やら]

曲は知っているが演奏しているミュージシャンは知らないというよくありそうな話し。静止画ではハワード・ロバーツさん、バーニー・ケッセルさんといったジャズ畑のギターの方も見られる。ジャズ畑だが生計のためにロックを好きになろうとしたドラマーの人。チャック・ベリーみたいなリフをやらされては「14歳の頃にやったやつだ」と奥さんに文句を言うギターの人。奥さんの夫に対する「今の方が上手い」という返しがすばらしい。おそらくレッキング・クルーとしてレコーディングに参加していた曲には、やりたいものとは離れたものが多々あったのかもしれない。会社専属のミュージシャンたちではないので、曲を問わず、レコード会社を問わず、セッションの日々だった。ある人は「大統領よりも稼いだ」なんて冗談か本気か分からないことを言う。「ビートでOK」と言う曲の、T・ボーンズというバンドが面白い。テレビのセットにはその名のとおり肉の T・ボーンが下がっていて、バックの書割には牛の肉の部位が描かれている。ドラムがメインでギターもモズライトでサウンドもかっこいいので、そこまで肉アピールしなくても・・・。ウッドベースを弾くチャック・バーゴファーさんは、「ベースラインは不評だがシンプルな音を出せるのが良かった」なんて言われて、結局良いんだか悪いんだか。でも彼はスターらしい。大勢のミュージシャンが登場するが、中でも見もの聴きものは、ブライアン・ウィルソンさんとトミー・テデスコさん、そしてキャロル・ケイさん。テデスコさの奥さんがすばらしい。クラシックギターを持った姿の他、エレキ・シタール、レスポール他のギブソンを弾いている姿も見られる。バレリーナ姿で登場するザ・ゴング・ショーも興味深い。このシーンではフランク・ザッパさんが「歌詞が重要」とコメントしているのが面白い。まさにテデスコさんの経験によるものだろう。ケイさんはフィル・スペクターの音楽を「脱力感がある」と言い、それはエコーと幾度も重ねる演奏によってできあがる「浮遊感」なのだが、何度も演奏するのでおしまいには疲れてしまって、それが脱力となったとも話す。「イカレタ男だが尊敬している」そんな彼が捕まっているのはなんともはや。「ビー・マイ・ベイビー」を歌っている白黒のテレビショーがノスタルジー。グレン・キャンベルさんのシーンでは、堂々とテスコ・デル・レイ、いわゆるビザールギターを堂々と使っている様子が誇らしい。しかしベースのケイさん曰く「彼はピックアップ、ブリッジ、弦を特注してレコーディングに挑んだ」なので、やっぱり素の音は気に入らなかったのかもしれない。ブリッジまで変えるほどだし。おまけの Disc2 でも色々話しを聞けて面白い。ギターうんぬんより、どうして参加するようになったかということ。キャロル・ケイさんが抱えているベースは、ヘッドのロゴは Fender で Precision の名があるように見える。PU は Precision だがネックは短そうだし、ボディの外周にはトリミングがありそうだしなんだか分からない。最初はギターを弾いていたらしく、現在でもアイバニーズを爪弾く姿を見せてくれる。サム・クックさんのレコーディングでギタリストして雇われたのは知らなかった。トミー・テデスコさんの「空飛ぶテレキャスター」も面白い。モータウン映画との違いは、当時の映像も若干残っているところ。モータウンに縛られていた彼らと違い、自由さがうかがえる。面白かった。晴れ。


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