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ビヨンド・ザ・トレック(Teleios) [DVDやら映画やら]

邦題からしてスター・トレック? と思ってしまう。原題の「テレイオス」は登場する宇宙船の名前。2015年に人間の胚の遺伝子組み換えに成功。2020年に商業化。IQ、肉体、気質が完璧な子たちが誕生する。2038年に成人になる。彼らは GLEN CREST LABS という会社で作られ、GC ヒューマンと呼ばれる。2047年、GC ヒューマンの宇宙派遣開始。アトロミス号を救いにでかけた宇宙船テレイオス号。アトロミス号の生き残りトラビス・オニールは心をやられてしまった様子で何も語ってくれない。艦長リンデン率いる GC ヒューマンたちは完璧な存在という設定なので、どうも意識が高いというか上から目線な素振りでちょっとイラっとする。論理的で心情に惑わされない。自分たちが旧人間よりも優れているという自信のせいかいつも余裕の笑みを浮かべている。リンデンは普通の人間のことを「劣等人種」なんて呼んじゃうし。アトロミス号にはルルという人造人間 ART が登場するが、「造られた」という意味では GC ヒューマンも同じ ART。しかしその構造は人間と同じ。GC ヒューマンたちがそこに気づいたとき、みなさん心を病まれるのではないだろうか。GC ヒューマンを生み出した人間にとって、彼らは量産できるものだろうから無理して生存させる価値もない。そんなことを考えると彼らの余裕の笑みもなんだかむなしい。人間が良心的だったのは、GC ヒューマンでも人種がいること。多様性を考慮したのか、それともコントロールできなかったのか。ほんとうに均一な人間を作るなら白人やゲルマンのみとかになりそう。アトロミス号ではいったい何が起こったのか。そして積荷はなんだったのか。そして完璧な GC ヒューマンであるはずの彼・彼女らに情緒的な変化が起こってくる。みなさんそれぞれ愛を感じたりイライラしたり。まさか孫子の兵法が語られるとは思わなかった。道理でルルの見た目が中国人っぽいわけ。なんというか演劇っぽいストーリー。人間世界がいかにして破滅していくかということを短時間で表現する話し。スペースバトルやハードSFを期待してはいけない。完璧な人間はいないのだよという話し。変わった SF 映画。晴れ・曇り。


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