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地獄の警備員 [DVDやら映画やら]

あけぼの商事行きのタクシー。ドライバーが話す相撲取りが起こした事件。この事件をカーラジオでも放送しているので、この元相撲取りがあやしい雰囲気ムンムン。登場人物の名前がタイトルロールで確認できる。あとは警備員さんが見る履歴書みたいなものでフルネームが分かる。久留米を演じる大杉漣さんがストレスが高じてのことなのでしょうがなかなかの変態役。せっかく秋子が上役の兵藤に自分の12課や上司久留米のことで反論したのに、久留米にあんなことされたのでは一人がっかりするのも当然。久留米はラストまでかなり変態。黒沢監督の映画は建物の雰囲気がどこかおかしい。今回はあけぼの商事という商社。秋子の走る廊下がの閉そく感がきみょうな感じ。秋子が資料室に閉じ込めらるシーンも面白い。やたらと部屋が広く見える。明りの点いた窓を映し出す建物のカットも、なんだか特撮に見える。もしかしてミニチュアだろうか。松重さんが「帝都物語」で嶋田久作さんが演じた加藤保憲に雰囲気が似ている、ような気がする。軍服を着たらそっくりかも。なんだかまた「帝都物語」が見たくなる映画。秋子を演じる久野真紀子さんのとぼけた感じの表情もなんだか味わい深い。ほとんどのデスクに PC は無いが、えらい兵藤のデスクには PC9801 がある。デスクの上にある手回し鉛筆削りや、穿孔テープのテレックスもノスタルジー。テレックスはみんな英語を打っていてすごいなあと思ったら、ぜんぶローマ字だった思い出がよみがえる。兵藤役の長谷川初範さんの横顔が内野聖陽さんに見える。結局松重豊さん演じる富士丸が元相撲取りだったいうことなのか。彼の過去や事件を起こす理由について語られないので、その辺りがじれったいが、本当に心のおかしな人には理由が無いのかもしれない。だから心神こう弱とかも認められるのだろう・・・などと普通なら納得できませんけど。ラストは言葉など必要なく、音楽だけで淡々と進む。妻と娘が兵藤を迎えに来た様子を秋子に見せつけるようなカットもなんだか不思議。普通だったら「乗ってくか」とか声をかけそうなもの。危険な状況の中でも兵藤に対して何か愛情を感じていたのか。確かに久留米と比べれた月とスッポン。DVDメニューによれば「作りたいものを作る」というディレクターズカンパニーの一員としての映画らしいが、「何を作りたかったのか?」と考えるのも面白そう。曇りとか晴れとか雨とか。


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