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ロック・ザ・カスバ!(ROCK THE KASBAH) [DVDやら映画やら]

タイトルのイメージだとクラッシュの音楽がかかりそうだが、かからなかったような。でもかかってても違和感はない。カスバの名のとおり、アラブの砦に近いものが出てくるので。そのシーンでは、ボブ・ディランではない誰かが歌う "Knockin' On Heaven's Door" が流れるが、"ROCK THE KASBAH" でもおかしくない状況。なんといっても熟熟したケイト・ハドソンさんと、安定のズーイー・デシャネルさんを見る映画。ズーイーさんが演じるのはロック歌手ロニー。飛行機内からアフガンのホテルまでのビビりかげんが最高に面白い。「わたしはスティービー・ニックス~」云々という件は、年を取った男たちにとって、歌手の基本は自分たちが好きだったスティービー・ニックスだということなんだろうか。マドンナすらちょっと新しい。そうでなければもっと今風な歌を歌わせているだろうし。彼女の歌う、メレディス・ブルックスさんの "Bitch" はマドンナよりも新しいが、なんだかスティービー・ニックスっぽくも聴こえる。どこの国でも "Got Talent" みたいなオーディション番組があるんだなあ。エンドロール前のテロップで、イスラム女性がオーディション番組に出て歌ったという事実が基になっていることが分かる。しかしイスラムの女性が公衆の面前で歌ってはいけないとは知らなかった。ベテランのブルース・ウィリスさんが地の性格で華を添えるがかなり控えめ。バカな脇役に徹するところがすばらしい。でもギャラは高そう。マネージャーのリッチー、つまりビル・マーレイさんの "Smoke on the Water" にしびれる。とにかく叫ぶ、しつこい、繰り返すリフ、本来のロックを見たような。ノリかたが分からないのか、ノってはいけないのか、周囲の様子にも笑う。その中で子供は正直で、ただおかしいだけなんでしょうけど、ニコニコしていて微笑ましい。世の中が子供の国なら平和なんだろう。家の窓越しに別れた妻が引き取った子供と話すリッチー。その様子が憎めない。だまされるところも、なんだかんだとお人好し。出だしのシーンで事務所にやってきた歌手志望の女性に話す「イラつかせてくれた奴の方が売れる」という自論が面白い。これもまた古い人間な証拠。単純に新しい歌を受け付けないのだろう。自分は受け付けなくても売れてしまう。だからイラつかせてくれる歌なら売れると思っている。しかしサリーマの村で武器商人がらみの男たちを迎え撃つシーンでどうやって助かったのか? オープニングで、リッチーが合成されている白黒写真の中で、ジョー・ウオルッシュさんとリンゴ・スターさんが一緒のものがある。これはたぶんリンゴ・スター・オールスターバンドの一枚だろうなあ。タイトルロールのキャット・スティーヴンスさんの歌に訳詞が付いていると分かりやすくなったかも。車のフロント部から飛行機内に変わるカットがかっこいい。ロニーがトラベルギターを持っている。スロッテドヘッドでかなり小さい。もしかしてサンバーストの YAMAHA ギタレレだろうか。アフガンの埃っぽい映画だった。晴れ・曇り・風強い。


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