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ヤコペッティの大残酷(Mondo candido) [DVDやら映画やら]

邦題は「大残酷」だが原題は "Mondo candido" だから「カンディードの世界」といったところか。ヤコペッティ監督ということで、「~残酷物語」とかのキワモノかと思いながら見たらちがった。場所はウエストファリア、トゥンダー・テン・トロング城。最初からテンション高めな白シャツの若者。彼の名はカンディード。名前の意味のとおり無邪気な奴というナレーション。離れ離れになってしまった愛するクネゴンダ姫を探すカンディードのロードムービー。エッチなところや首ドーンとかグロいところは色々ある。でも純情男のファンタジー紀行映画。場所や国が変わるのはともかく、あきらかに時間を超えたりしているシーンもある。中世風な世界にバイクに乗った騎士が乗り込んできたり、バスに乗ったら現代のアメリカやらアイルランドだったりと SF 的でもある。前半の涙の谷、ブルガリア隊長の、当たり前のように甲冑とかをまとっていくシーンが静かながら怖かった。異端審問による異教徒弾圧。弾圧というより処刑。圧搾されて紙ように薄っぺらくなり、巨大な本に貼り付けられていく。ミンチにもされる。そのとき裸の小股に葉っぱをくっつけられるのだが、もしかしてミンチにしたときに香りがつく香草だったりして。ぐちゃぐちゃだけではなくて、大勢に丸太をまたがらせて快楽されるなんて罰もある。このシーンでのバックがジャズロックなエレキギターサイケサウンド。音楽だけかと思ったら、劇中でちゃんとバンドが出ている。Gibson SG とか Fender っぽいやつに、ベースは Burns っぽい。甲冑を着込んだ人気歌手アッティラが、バイオリン/ビオラスタイルのギターを弾きながら現れるなんてシーンもある。よく見るとクネゴンダ姫の傍らにもセミアコっぽいギターが寝かされていたりする。なんだかんだとギターをよく見かける映画。岩を持った男の彫刻はあそこ丸見えだった。アッティラの甲冑から突き出しているフランクフルトみたいのは、まちがいなくアレのメタファーなんだろうなあ。クネゴンダ姫がそれを握ったりさすったりして「ア~」とか言っている様子がほほえましい。甲冑の股間部分のカバーが下側に開いて、その上に乗っかるクネゴンダ姫。バックで流れるムード+サイケ+エレキな音楽も良くて、よく出来た明るいエッチシーン。これがきっかけでエッチが好きになって、博士が言っていた百数十名との経験につながっていくのだろう。アッティラとクネゴンダ姫の関係は密なようで、舞台がニューヨークに変わっても "GUITAR AND ORGASM" とかいうショーをやっている。アッティラのギターの弦があそこに絡まったポスターには "THE BEST POSSIBLE ~” なんてすごい副題が貼られている。いったいどんなショーなんだ? しかしカンディードには「まだ婚約者の関係でしょ」と言ってエッチを拒む。一応エッチにも線引きはあるらしい。クネゴンダ姫の髪型や色がシーンごとに変わるせいか、いつ見ても新鮮。特にロックにノリノリで敵が来たことにも気がつかないときの容姿が良かった。「カンディードの世界」だけれども、クネゴンダの境遇は主役のカンディード以上。「クネゴンダの世界」と変えても良さそうなもの。カンディードの放浪や黒人の相棒、ラスト近くの姿を見せぬ者との問答を見ていると、映画「銀河ヒッチハイクガイド」を連想する。これは地球の世界という宇宙を巡って「人生」や「最善」の回答を探し続ける物語かも。ラストの「森を出るな~」云々も印象的。音楽も良かった。面白かった。晴れ。


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