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デリカテッセン(Delicatessen) [DVDやら映画やら]

赤みがかった景色。ホコリっぽい空気に廃墟のような建物。カメラが追うのは「デリカテッセン」の看板があるドア。中に入ると料理人らしき男が包丁を研いでいる。その奥の部屋。男が身体中を服やら紙やらでおおいまくっている。男はゴミに扮してゴミバケツの中に身を隠したようだが・・・見つかってしまう。このシーンがこの世界の様子を物語っている。食糧難の世界。特に肉が無い。あるグループは菜食主義になり、ある人は水浸しの部屋でカエルやカタツムリを飼っている。もちろん食料として。タイトルロールの壁のメモやガラクタの中に埋め込んだクレジットが素敵。デリカテッセンのある建物はアパートで、料理人にその娘の他、老婆、家族、エッチそうな女性に子供とか様々な人たちが住んでいる。新入りのルイゾンが新聞を見たと言って働きにやってくる。料理人=ブッチャーはしかたなく彼を雇い、アパートに住まわせる。ブッチャーの娘、マリーは彼に何かを話そうとするがなかなか話せないでいる。いったい何を伝えたいのか? このアパートに秘密があるのか? といっても大体分かる。ルイゾンとマリーが話すところに聞き耳を立てる父親ブッチャー。そのときのルイゾンの話しがブッチャーには何かしら響いたかもしれない。たぶんブッチャーにとっていちばん必要な言葉だったろうから。チェロを弾くマリーの横でノコギリを奏でているルイゾンの姿勢がなんだかエッチ。ルイゾンが服を脱ぎはじめててっきりアレかと期待するジュリーがかわいい。ブッチャーの死が意味するものは、肉食システムの崩壊。崩壊させないと愛が消えてしまう。人ではなくて動物の肉でも同じこと。荒廃してホコリだらけな外にくらべて水であふれているアパート。そんなアパートがオアシスに見えて、その対比も面白い。荒廃した近未来であれば携帯電話やインターネットなどはなくても不自然がない。個性的な顔立ちのルイゾンはどこかで見たなあと思ったら、映画「ロスト・チルドレン」に出ていた人だった。面白かった。DVDメニューが60年代の文化住宅と呼ばれた団地の部屋の様子に似ていた。晴れ・雪・曇り。


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