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クロノス(LA INVENCION DE CRONOS/CRONOS) [DVDやら映画やら]

壁で話題のメキシコ映画。クロノスとは錬金術師によって作られた、永遠の命を与える鍵。最初の三分でその由来が説明される。逆さ吊りの後ろ姿が怖い。そのクロノスに刺されたヘヘスがだんだん変わっていく映画。へヘスは血を求めるようになり、死んでも死ななくなってしまう。自分がどうなったか分からない。見た目もおかしくなっていくへヘスだが、孫のアウロラは彼を見放さない。これは孫とおじいちゃん、そして時々妻、というかおばあちゃんの愛情温まるお話しだった。終わってみればやられてしまったのは悪い奴だけ。吸血鬼ホラーだが最後は泣ける。最後にはジンときてしまう。さすが監督という映画。主役は人間だが、元凶である小さなコンパクトか煙草入れのようなクロノスの存在感が人間以上。甲虫みたいな金色姿が動く姿もかっこいい。虫のような動きだけではなく、中の機械仕掛けが動くさまもまたかっこいい。機械とか歯車ばかりでなく、生物も存在するようた。生物と機械といえば「ミートボールマシーン」なんかを思い出したりする。最初はヘススがクロノスに血をもらっているのかと思ったが、逆で、ヘススがクロノスに与えているようだ。そのためにヘススは他者の血を欲しがるのだろう。それが不死の条件かもしれない。クロノスが作られて時は経ち、現代。天使像を探すロン・パールマンさん演じるアンヘル。パールマンさんと監督との関係はこんな頃から始まっていたのか。悪そうなやつだが、女の子にガムをあげたりなんか良い人そうだと思うがいかに。天使像は嫌なおじさんに頼まれて探しているのだが、アンヘルくらい力があれば、おじさんくらいすぐに倒せそうだが。アンヘルといえばスペルは天使の Angel。富豪が悪魔か神とすると、宗教の寓話を映画にしたような雰囲気も感じられる。クロノスを始め、冒頭の錬金術師の様子や、ヘヘスの骨とう店とか、細部までの作りこみがすばらしい。古い書き物のディティールも素敵。ホルマリン漬けの標本も。歯茎に針を刺そうとするシーンはぞーっとして怖かった。像から出てくるゴキブリたちが怖い。孫役のアウロラさんの演技がすばらしい。いつものことだが子役選びが上手。彼女がお金持ちとの戦いで見せる一撃がかっこいい。街のあちらこちらに中国語だろう漢字が見られる。土葬するのかと思ったら火葬されていた。これでは逃げないと大変だ。エンドロールの、SACHIKO UZETA という名前が気になった。見終わってしばらくして気が付いたが、アウロラの台詞はアレだけだったのか。それだからこそへヘスはあんな行動に出たんだなあ。面白かった。晴れ。


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